インタビュー
» 2009年04月24日 18時17分 UPDATE

開発陣に聞く「Cyber-shotケータイ S001」(後編):スライド型レンズカバーと有機ELが形成する“ダブルフェイス”――「Cyber-shotケータイ S001」 (1/2)

画質が向上した8.1Mカメラに加え、「おかませシーン認識」や「おすすめBestPic」を搭載するなど、「Cyber-shotケータイ S001」はデジタルカメラに迫る進化を果たした。後編では、光学ズーム搭載を見送った理由や「Idou」とも類似するデザインの意匠、有機ELディスプレイ搭載の苦労などについて聞いた。

[田中聡,ITmedia]
photophoto ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製の「Cyber-shotケータイ S001」。本体カラーはマゼンタ、オリーブ×ゴールド、ブラックの3色(写真=左)。S001の開発チーム。左から商品企画担当の冨岡氏、ソフトウェア担当の間下氏、電気設計担当の福田氏、カメラ設計担当の山本氏、デザイン担当の定月氏(写真=右)

「Idou」と似ている?――デザインの秘密

photo デザイン担当の定月氏

 S001のデザインコンセプトは、ケータイとデジカメ2つの顔を持つ“ダブルフェイス”。このコンセプト自体はW61Sと同様だが、デザインの中身は大きく変えた。その1つがサイズだ。S001ではスリム化を優先し、光学ズームの搭載を見送った。

 「W61Sの光学ズームは高い評価をいただきましたが、ボディがもう少し薄ければよかったという要望も多く挙がりました。画素数が8.1Mあれば、デジタルズームでもきれいな画質でズームができることもあり、光学ズーム非搭載とする決断をしました」と冨岡氏はその経緯を明かす。

 「W61Sよりもスリムになったことを強調するために、ダイヤルキー側の側面外周に(帯がぐるっと1周する)トラック形状を採用しました。さらに、持ちやすさを考慮して、裏面の両端には丸みを持たせました」(定月氏)

 裏面のデザインについて定月氏は「メカっぽさを排除することを心がけた」と説明する。「機械っぽいデザインだとケータイとして使うときに抵抗があるので、裏面は滑らかな雰囲気を重視し、レンズカバーを開けたときにカメラが際だつようにしました。そういう意味では、このカバーは電源のオンとオフを切り替える、大きなスイッチの役割を果たしています」(定月氏)

photophoto ダイヤルキー側の側面はトラック形状にし、ノイズの少ないデザインに。サイドキーは右側面に集約した(写真=左)。レンズ周りはオリーブ×ゴールドがゴールド、マゼンタとブラックがシルバーになっており、スピン加工を施した(写真=右)。このスピン加工はW61Sの電動レンズカバー上に施したものと同じだ。「スピン目が細かく、光の屈折で虹色に見えることもあります」(定月氏)
photo S001(上)とIdou端末(下)

 S001はGSM圏と海外のCDMA圏で利用できる「グローバルパスポート」に対応することから、「シンプルでもいろいろな海外シーンに合う、個性のあるデザイン」(定月氏)を目指した。そこで気になるのが、Sony Ericssonが海外向けモデルとして発表した「Idou」端末だ。横向きにスライドするレンズカバーや裏面の丸みを帯びたボディなど、S001とIdou端末の外観は類似する部分が多い。これは「デザイン的な意匠を、ソニー・エリクソン内である程度共有したため」(定月氏)だという。

 「S001で検討していたデザインコンセプトがIdouにもフィットしたということです。申し合わせて共通化したというよりは、同じ世界観を目指していく中で、自然と同様のデザインになったといえます」(冨岡氏)

 S001のボディカラーはマゼンタ、オリーブ×ゴールド、ブラックの3色をラインアップ。中でもオリーブ×ゴールドはCyber-shotにも採用したことのない、文字どおり“異色”のカラーだ。

 「グリーンは高級感を出すのが難しい色ですが、深みがありながら、ファッションやアクセサリーとしても映える魅力的な色を目指しました。ただし全面グリーンにすると強烈すぎるので、薄いシャンパンゴールドと組み合わせて、ラグジュアリー感を出しました」(定月氏)

 マゼンタにはガラス系の粒子(フレーク)をちりばめ、大粒と小粒のバランスにもこだわった。カメラを最もストレートに表現したというブラックは、「シックに見えるようピアノのような黒を使い、上品な雰囲気になるよう艶を出した」(定月氏)という。

photophoto マゼンタにはガラスフレークをちりばめた
photo S001(左)とW61S(右)。S001はマナーキーとマルチキーが本体上面にある。ダイヤルキーはS001の方が余裕を持って[1][2][3]キーを押せる

 このほか、キーの使いやすさも改善した。W61Sではマナーキーとマルチキーが側面にあったが、「側面にあるとデザインのノイズになる、多機能化につれてマルチキーを使う機会も増える」(冨岡氏)といった理由から、S001では前面ソフトキーの間に配置した。

 「キーが2つ増えるので、前面にキーが密集してしまうという難しい問題がありましたが、十字キーの両サイドにあるキーはできるだけ大きくして、3つのキーそれぞれ(アプリ/マルチ/EZキーとアドレス帳/メール/マナーキー)の中央を押しても反応しない構造にしました。キーは素材を透明にして、宝石とまではいきませんが、クリスタルカットをイメージしました」(定月氏)

 ダイヤルキーについてはレビュー記事でも言及したが、[1][2][3]キーの上にスペースが設けられ、余裕を持って押せるようになった。「W61Sでは爪の長いユーザーが[1][2][3]キーを押せないという不満が多く挙がりました。S001ではスライド幅を3ミリ増やすことで、ダイヤルキーの上にスペースを入れることができました」と冨岡氏は追加スペースの秘密を明かす。

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