アプリのお勧めやiTunesでのホーム画面管理を実現──iPhone OS 3.1が登場(1/2 ページ)

» 2009年09月10日 08時45分 公開
[園部修,ITmedia]

 米Appleは9月9日(現地時間)、サンフランシスコで開催したプレス関係者向けのスペシャルイベントで、第3世代の「iPod touch」や動画の撮影が可能な「iPod nano」、価格改定や限定モデルの追加が行われた「iPod shuffle」、160GバイトのHDDを採用した「iPod classic」、最新機能を搭載した管理ソフト「iTunes 9」などを発表した。このイベントで発表された新たなiPod touchの登場に合わせ、iPhone OSは3.0.1から3.1にバージョンアップ。iPhone 3GiPhone 3GSでも新機能が利用できる。

 iPhone OS 3.1の配信はすでに始まっており、iPhoneと、OS 3.0をインストール済みのiPod touchは無料で、OS 3.0をインストールしていないiPod touchは600円でダウンロードできる。すべての新機能を利用するには、iTunes 9も必要なので、アップデート前にiTunesも最新版にしておくのがいいだろう。

 今回のアップデートで提供された主な機能は以下のとおりだ。

  1. アプリ向けのGeniusのおすすめ機能
  2. iTunes 9対応
     −Genius Mix
     −iTunesで直接アプリケーションを整理する機能
     −ミュージック、ムービー、テレビ番組、ポッドキャストおよび写真の同期オプションの向上
     −iTunes U コンテンツの整理
  3. App StoreでのiTunesカード、iTunesコードの使用
  4. App StoreおよびiTunes Storeで利用可能なiTunesアカウントクレジットを表示する機能
  5. iTunes Storeからワイヤレスで着信音をブラウズおよびダウンロード(日本では提供されていない)
  6. メールおよびMMSに添付された動画をカメラロールに保存する機能
  7. iPhone 3GSで動画をトリミングする際に“新規クリップとして保存”するオプション
  8. iPhone 3GでBluetoothオン時の無線LAN性能を向上
  9. iPhoneをMobileMe経由でリモートでパスコードロックする機能
  10. iPhone 3GSでBluetoothヘッドセットを使用した音声コントロール
  11. キーパッドへの電話番号のペースト
  12. iPhone 3GSでアクセシビリティ機能をオンにする際にホームボタンを使うオプションを追加
  13. Safariで詐欺サイトにアクセスした際に警告を表示(フィッシング対策)
  14. Exchangeカレンダーの同期と招待の処理を向上
  15. 一部のアプリケーションアイコンが正しく表示されない原因となる問題を解決

PhotoPhoto ビルド番号は7A400から7C144に。モデムファームウェアもバージョンアップ

iTunes StoreとApp Storeがより使いやすく進化

 iPhone OS 3.1の新機能の中でも、特に注目したいのがApp Storeに導入された「Genius」によるアプリのレコメンド機能だ。自分が選んだ楽曲に近い未知の楽曲をiTunes Storeからピックアップしてくれる「Genius サイドバー」のように、ユーザーが持っているアプリから傾向や好みを判断し、お勧めのアプリをお勧めしてくれる。

 Appleによると、App Store(米国向け)には、すでに7万5000本を超えるアプリが登録されており、ダウンロードは18億回を超えたという。これだけのアプリがあると、新しく登場するアプリはメディアやレビューサイトで紹介されたり、ランキングの上位に入ったりしないと、なかなか多くの人の目に触れる機会がないが、アプリのGeniusが実装されれば、ユーザーの好みに合った新着アプリなどが容易に見付けられるようになる。

 ランキングに、ダウンロード数による順位に加えて、売り上げによるランキングが新たに用意されたのも興味深い。高額なアプリに若干有利なランキングになるが、金額ベースでの順位が用意されたことで、値段が高い割に売れているアプリなどが上位にランクインしやすくなりそうだ。

PhotoPhoto ランキングには新たにGeniusによるお勧めと売上順という新たなカテゴリーが用意された

 iPhone/iPod touch上のApp Storeから、直接iTunesカードやコードが使えるようになったのもポイントだ。これまでは、iTunes Storeではクレジットのチャージができたが、App Store側にも同様の仕組みを用意した。

※初出時に、「これまでは必ずMacやPCを起動して、iTunes上で登録作業をする必要があった」との記載がありましたが、iTunes StoreではiPhone OS 3.0からiTunesカードの登録機能が用意されており、今回新たに用意されたのはApp Storeでの登録機能でした。お詫びして訂正いたします。(9/10 10:30)

PhotoPhoto iPhoneやiPod touch上のApp StoreでもiTunesカードなどのコードを入力し、クレジットをチャージすることが可能になった

 また、iTunesのアカウントに登録されているクレジット残高が表示できるようになったのも、アプリを多数購入している人には朗報だろう。iTunesカードでチャージした額を超えてアプリを購入すると、自動的にクレジットカードに課金されるが、iPhone上でアプリを購入する際に、残額がいくらあるかを確認できれば、割安に手に入れたiTunesカードでのチャージ残高を超える買い物はしない、といったことが可能になる。

PhotoPhotoPhotoPhoto App Storeの下部などで、アカウントとクレジット残高の確認ができる。さらに、そのエリアをタップするとより詳細なアカウント情報も確認可能になった。国や地域を変更することもできる

 iTunes 9との連携で、待望のホーム画面管理機能が用意されたのも大きな進歩だ。今まで、新たにアプリをインストールすると自動的に最も1画面目に近い空きスペースにアイコンが追加されていったため、アプリを使いやすい画面に配置していても、いつしかカテゴリー分けがぐちゃぐちゃになってしまったものだった。しかしこの管理機能を利用すれば、iTunes上でどのアプリをどの画面のどの位置に配置するかを指定できるので、整理整頓がしやすい。アイコンを長押しして、何画面もドラッグする必要がなくなるのはありがたい。

Photo iTunes 9を利用すると、iTunesでiPhone上のアイコン配置が管理できる

 このほか、新機能「Genius Mix」やミュージック、ムービー、テレビ番組、ポッドキャストおよび写真の同期オプションが豊富に用意されるようになったこと、iTunes U コンテンツの整理機能が用意されたことなどもトピックだ。

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