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» 2009年10月08日 12時16分 UPDATE

CEATEC JAPAN 2009:ケータイの周辺を高速化する技術──「TransferJet」と「1Gbps高速赤外線」

携帯電話の通信速度が速くなり、カメラなどの内蔵デバイスが高機能化するにつれ、当然のようにデータのサイズは大きくなってくる。ケータイとPCやケータイとAV機器などの間で、大容量のデータを手軽に転送できる技術への関心も高い。

[ITmedia]

 ソニーが開発し、家電メーカーや通信事業者が協力して推進している近距離の高速無線通信技術「TransferJet」は、数センチという近距離に限って相手を認識し、最大約560Mbps(実行375Mbps)という高速な通信が行える技術だ。携帯電話では、FeliCaのようなイメージで、リーダー/ライターに端末をかざす、あるいは置くことで、瞬時にデータを転送するような用途が想定されている。

 CEATEC JAPAN 2009のKDDIブースで行われているTransferJetのデモでは、映画のポスターにTransferJetのチップを組み込んだ「Cyber-shotケータイ S001」をかざすことで、一瞬で端末に予告編映像をダウンロードできる様子を体験できる。予告編映像のファイルサイズはおよそ1.3Mバイト。このくらいのデータだと1秒もかからずに転送できる。

 データの受信は、アプリを立ち上げてから行った方が速いが、待受状態で端末をリーダー/ライターにかざすだけでも数秒後に転送が始まる。

Photo TransferJetの技術概要
PhotoPhotoPhoto TransferJetの通信用に、専用のモジュールを内蔵したCyber-shotケータイ S001が用意されている。ポスターの上のロゴにケータイをかざすとすぐにデータの転送が始まり、予告編の映像が再生される

 もちろんTransferJetは、受信だけでなく送信にも利用できる。携帯電話で撮影した写真や映像を瞬時にテレビやレコーダー、プリンタ、PCなどに転送するといった用途も想定されており、今後の広がりが期待される技術だ。東芝やソニーのブースでは、PCやスマートフォン、テレビなどで相互にデータを転送するデモなども見られる

Photo 1Gbps高速赤外線通信のデモの様子。ケータイのUSB端子に専用ユニットをつけ、対応した台に乗せるとすぐに通信が始まる。USB 2.0インタフェースを赤外線化しているだけなので、端末側や受信側(デモではPC)に特別な仕組みは必要ない

 一方、日本の携帯電話には必ず搭載されている赤外線通信ポートも、IrSS/IrSimpleよりさらに高速な通信ができる技術が研究されている。1Gbps高速赤外線通信は、その名のとおり赤外線で1Gbpsでの通信を実現する技術。ワイヤレスジャパン2009でも出展されていたが、CEATEC JAPAN 2009ではUSB 2.0インタフェース(最大約480Mbps)をこの高速赤外線通信技術でワイヤレス化したデモが行われている。

 1Gbpsという速度なら、1秒間で100Mバイトのデータを送ることが可能。KDDIは30分のケータイ動画を1秒で転送できるとしている。ロームとイーグローバレッジが協力して商用化に向けて取り組んでいるという。

 赤外線通信は、若年層を中心に幅広く利用されているという。そこにはさらなる高速化を希望する声もあるそうだ。携帯電話で使える近距離の無線技術としては、前述のTransferJetや、すでに実用化されているTouch Message(FeliCa)を用いた通信などもある。高速な赤外線通信ならではのメリットというのは、「多少距離が離れても速度が落ちない」といった点くらいしか思い浮かばなかったが、既存のインフラを維持しつつ、高速化していくことで利用範囲が広がっていく可能性もありそうだ。

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