幕張メッセで「第41回東京モーターショー2009」が10月23日から11月4日(一般公開日は10月24日から11月4日)に開催されるのに先立ち、10月21日と22日の2日間、報道関係者向けに展示内容が公開された。今年は「楽しさ」と「環境」の両立を訴え、「クルマを楽しむ、地球と楽しむ」というテーマの下で各社が展示を行っているが、その「環境」との関連で、クルマのナビとケータイを連携させるシーンがいくつか見られたので紹介したい。
日産自動車のブースでは、電気自動車(EV)「リーフ」を展示しているすぐそばで、クルマが通信モジュールを搭載し、インターネットとつながることでもたらされる利便性をデモ展示している。現状、インターネット接続機能を標準装備しているクルマはまだほとんどないが、車載通信ユニットなどが標準搭載されるようになり、クルマがインターネットと常時つながるようになると、どんなことができるかを端的に示したのがこのデモだ。
EVは、人が乗っていないときでもコンセントなどと接続されており、電源が確保されている可能性が高いことから、ガソリン車がほぼ機能を停止してしまう、エンジンがかかっていない状態でも、さまざまな機能が利用できる。日産では、通信モジュールを搭載したクルマが、グローバルデータセンターと常時情報交換し、そのグローバルデータセンターに携帯電話からアクセスすることで、クルマのさまざまな機能を制御したり、モニタリングしたりできる仕組みを検討しているという。
会場では、この仕組みの一端である、携帯電話と連携したモニタリング機能や遠隔操作機能を実際に見ることができる。
iPhoneから利用できるのは、EVの充電状態確認と充電のオンとオフ、そしてエアコンのオンとオフだ。充電状態の確認は、実行するとサーバ側でEVの状態を確認し、あらかじめ登録したメールアドレスにメールで通知することで実現している。メールでは、バッテリーの状態に加えて室内温度なども知らせてくれる。出発前に、室内の温度を快適にしておきたい場合などには、ブラウザに戻ってエアコンをオンにすればいい。
現在はテスト環境のため、iPhoneのモバイルSafariに最適化されているが、基本的にはWebブラウザでサーバにアクセスして各種機能を制御するので、iPhoneだけでなくAndroidやWindows Mobile搭載機、そして一般的なブラウザ搭載の携帯電話にも対応可能とのこと。また、サーバベースで機能を提供するため、エアコンの制御や充電状態のモニタリング以外の機能も容易に追加できる。
トヨタ自動車のブースでも、デモではあるが携帯電話とEVの連携の様子を展示していた。実際に操作できるものではなく、あくまでもデモ展示だったが、常にユーザー(ドライバー)の手元にある携帯電話を、各種情報の確認や操作などに活用する取り組みが各所で検討されていることが分かる展示だった。
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