新しく生まれ変わった自信作――AQUOS SHOT「SH-01B」開発秘話(3/3 ページ)

» 2009年11月30日 00時00分 公開
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デザインモックアップをほぼそのまま製品化

Photo 「デザインモックアップが1つしかなく、企画やデザイン担当者の強い思いを感じました」(吉村氏)

 こうしたデザインへのこだわりは、開発の初期からデザインモックアップが1つしかなかったことにも現れていた。吉村氏は「通常はいくつかあるモックアップの中から、技術やデザイン、商品企画が話し合い、思惑を加味しながら最終形が決まっていくことが多いのですが、今回はこのデザインしかない、という1点の提示だったんです。これにはいつもと違うぞ、という思いを感じました」と開発当初を振り返る。

 商品企画の森井氏は「最初にモックアップを見たときにこれだ、と思いました」と当時の様子を話した。今までのラインアップとは印象が大きく変わり、サイズ感もこれまでになくコンパクトだったモックアップに好感触を持ったという。

 デザインセンターの水野氏は、「SH-01Bの場合は、このサイズさえ実現できればこのデザインはいける、という形だったので、モックは1つに絞って、これで行きましょう、という感じで出しました。デザインのスタートにあたって、金属蒸着を使ったフレームのような手法は、今回は使ってはいけないと自分に科していましたので、クリスタルっぽい表現に思い至り、自分が考えていた姿のまま製品化されたときはうれしかったですね」と、その仕上がりには満足げな様子。

 「端末に採用するいろいろな技術を検討する中で、“外周を取り巻くイルミネーション”は、技術部門から長年できないと言われていたものだったので、正直今回もちょっと不安はあったんですが、ついに実現されました。念願かなった、という感じです」(水野氏)

 技術部門の吉村氏は、「その(1点しかない)モックアップを見て、技術的な要望提案はしたものの、これをやりきるしかないのかと思った」と話したが、さまざまな新しい試みが盛り込まれた新端末の開発は、非常にハードルの高い仕事だった。前述した、基板サイズを半分にする作業もさることながら、背面の外周を美しく光らせる仕組みの開発も、困難を極める作業だった。

 「この小さなスペースにLEDを何十個も組み込むわけにはいきませんから、限られた数のLEDを使って、効率よく光らせる必要があります。しかも明るさにムラができないように、全周をきれいに光らせるのは、とても難しいんです。実は全周が光るイルミネーションの企画は、SH903iのころから商品企画部門にやりたいと言われていて、なかなか実現できていなかったんですね。限られたスペースの中で、いかに均等に全周を光らせるかが最大の悩みどころでした。厚さを15ミリ以下に抑えるという目標もありましたから、イルミのための追加スペースをもらうこともできず、部品配置や構成を工夫して部材を入れることを考えました」(吉村氏)

 イルミネーションを鮮やかに演出するクリスタル調のクリアパーツも、扱いが難しい部材だったと吉村氏。一般的な端末は、外装が塗装してあり、中が透ける部分はほとんどないので、裏側などがユーザーに見えることはない。しかし透明のパーツは裏も表も外側から見えてしまう。「すべての面が“外観”としてきれいにできている必要があり、物づくりの上で苦労しました」(吉村氏)

 SH-01Bは、6灯のLEDで3面を光らせている。全体が鮮やかに光る様子からは、そんな苦労があったことなどみじんも感じられないが、シャープとしては積年の努力が結実したイルミネーションなのだ。

快適に使えるようにソフトを見直し、“サクサク感”もさらに追求

 同じAQUOS SHOTの名を持ちながらも、外観やカメラ機能が大幅な進化を遂げたSH-01B。その進化はソフトウェア部分にも及んでいる。NTTドコモのフェムトセルサービスやiコンシェルのオートGPSなど、最新のサービスにすべて対応したのはもちろん、タッチパネルのユーザーインタフェースはより使いやすいものに作り替え、操作感を改善。またユーザーがストレスなく使えるよう、全体の“サクサク感”にもかなりこだわって調整した。

Photo 「サクサク感は今回も重要視し、こだわりを持って調整しました。個人的にはぜひ歩数計機能をオンにして使っていただきたいです」(石川氏)

 ソフトウェアの担当だった石川氏も、「企画部門からの要望を断れないことが一番しんどかった思い出です(笑)」と吉村氏や松岡氏と口をそろえた。個々の機能で見ると細かな修正なども多いが、全体とのバランスを取りながら進める作業は大変だったようだ。

 特に苦労したのが、タッチパネルを活用した手書き機能だ。SH-01Bでは、指で文字を書いてメモにできる「手書きメモ」や、写真に手書きの文字や絵が描き加えられるプリティアレンジカメラなど、積極的にタッチパネルを使う機能を搭載。どうすれば使いやすくなるか、どうしたら使ってもらえるかといった点を商品企画部門と議論しながら機能を搭載していった。手書きメモ機能は、手書き文字の認識まではできないものの、タッチパネルを使って電話番号をメモしたり、簡単な地図を書いたりできるなど、新しい活用法を提案する。

 また石川氏は、個人的な思い入れとして「出荷時はオフになっていますが、SH-01Bには歩数計機能も入っているのでぜひオンにして活用していただきたいです」と話した。同氏は、歩数計を搭載していた「SH706iw」も担当していたそうだ。SH706iwに搭載されていた健康管理アプリ「KARADA TUNE」なども、SH-01Bにプリインストールされている。

 そのほか、バッテリー残量や電波強度を示すアイコン、マナーモードのアイコンなど、ピクト周りはすべて刷新され、画面内のイメージも、従来のシャープ製端末とはだいぶ変わった。メニューの3階層目以下は、これまで文字だけのメニューが表示されていたが、ここにも背景が設定できるようになるなど、細かな見栄えの改善も図っている。メール機能も、一番ユーザーに使われる機能としてさまざまな面から見直しを図ったという。

 「使っている中で、お客様に『あ、ここもよくなっているな』と気づいていただけるといいなと思います」(森井氏)

「今回は、いつにも増して自信作」

 「今回のSH-01Bは、いつにも増して自信作です」――。

 インタビューの最後に、商品企画部の森井氏は胸を張った。クラス最高峰のカメラ機能を搭載した、シリーズ最薄の高機能モデル。これまでのシャープ製携帯電話とは一味どころか二味も三味も違う製品に仕上がったSH-01Bを手に取る機会があれば、ぜひともそこに込められた開発者たちの熱い想いを感じ取ってほしい。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年12月16日