スマートフォンの“進化の息吹”を感じた2009年ITmediaスタッフが選ぶ、2009年の“注目ケータイ&トピック”(編集部園部編)(2/2 ページ)

» 2009年12月25日 21時19分 公開
[園部修,ITmedia]
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薄型多機能の「940N」、一番auらしさを感じたiida「G9」

Photo 「940N」とiid「G9」

 まだ発売されたばかりで評価を下すには少々早い気もするが、NECの「940N」は、薄型のボディに無線LANを搭載するなど、機能の凝縮具合に驚かされた1台。ソフトバンクモバイルの端末は、シャープ製の全部入り端末がいつも目を引き、そのほかのメーカーのモデルは今ひとつぱっとしないことも少なくないが、2009年冬モデルとして発表された940Nは、最新サービスの「ケータイWi-Fi」に対応し、810万画素CMOSカメラやモバイルウィジェットなどもサポートしつつ、厚さは13.9ミリを実現し、存在感を放っていた。イルミネーションでNEC端末らしさも表現しており、この冬気になったモデルの1つだ。

 そのほか、新しいコンセプトで立ち上げられたiidaブランドの1号機として登場したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「G9」の質感の良さが印象に残っている。岩崎一郎氏による、金属素材を用いた高品位なデザインと、手に持ったときのほどよい重量感はとても魅力的だった。iidaの端末は、デザインを重視するせいか機能面でやや不満を感じるものが多いが、G9は素直に欲しいと思ったモデルだ。

TV&バッテリーと「テレビ」アプリ

Photo 「TV&バッテリー」

 ソフトバンクBBが発売したiPhone向けの周辺機器「TV&バッテリー」は、端末ではないが、とてもエポックメイキングなアイテムだった。機器の発売は2008年12月末だったが、対応アプリの配信が1月1日だったので、今年の出来事としてぜひ触れておきたい。

 TV&バッテリーは、iPhone 3Gの発売後に寄せられた「絵文字が使えない」「ワンセグが見られない」といったユーザーからの不満を解消すべく、ソフトバンクグループで取り組んだ“日本向けカスタマイズ”の1つとして誕生した製品だ。無線LAN経由で映像を伝送するという、ユーザーをあっと驚かす離れ業でiPhoneでワンセグ視聴を可能にしてしまった。周辺機器としてはかつてないほど売れたといい、大いにユーザーの期待に応えた製品だった。

 その後バージョンアップを繰り返し、最初は本当にワンセグを見るだけだった機能が徐々に強化され、縦横切り替えや上下反転表示、視聴画面からのチャンネル切り替えなどもサポート。将来的にはワンセグの録画も実現すべく、現在開発を進めているという。


 以上、ざっと注目した端末を挙げてきたが、2009年は全体的にワクワクさせられる端末は少なかったように思う。iPhone 3GSにしても、正常進化ではあるが革新的な変化ではなかったし、Android端末にもものすごく驚かされたわけではなかった。

 しかし2010年は、2009年以上に話題も豊富で面白くなりそうだ。前述のとおり2010年前半には、ソニー・エリクソンやシャープなどからAndroid搭載端末が登場予定となっているほか、年明け早々にはGoogle自らが販売すると噂される「Nexus One」も登場するといわれている。次世代のiPhoneの噂もすでに出回っており、iPhone 3Gから3GSへの進化以上の大きな変化が訪れそうな気配だ。

 iPhoneの登場から2年が経過する2010年は、迎え撃つ日本の端末メーカーが、“iPhone以降”に開発をスタートしたモデルが出てくる時期でもある。そろそろ「こういうケータイが欲しかった!」と発表会でうならされるような端末が出てきてもいいころだ。日本メーカー、そして日本の通信キャリアの商品企画力に大いに期待しつつ、2010年を迎えたい。

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