「N-02B」が1000分の1秒単位で切り詰め追い求めた“瞬撮”の快感開発者に聞く「N-02B」(3/3 ページ)

» 2010年01月07日 11時00分 公開
[園部修,ITmedia]
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撮りだめた写真や動画は「メディアスビューア」で閲覧

 快適にきれいな写真が撮れるN-02B。その素早い操作感は、ついつい調子に乗って写真を撮ってしまい、どんどん写真がたまってしまうほどだ。そこでNECは、撮りだめた写真や動画も簡単に閲覧できる「メディアスビューア」を新たに用意した。

 通常、携帯電話で撮影した写真はデータフォルダから閲覧することが多く、もちろん静止画と動画は別々に表示される。しかしメディアスビューアなら、「マイピクチャ」、iモーション/ムービーの「iモード」「カメラ」「ユーザ作成フォルダ」「シークレットフォルダ」「自動お預かり」「アップロード済み画像」、microSDの「ピクチャ」「iモーション/ムービー」に保存されているJPEG形式の画像と3GP形式のiモーションを、サムネイルで一覧表示できる。

Photo 撮影を快適にしたので、ついつい写真を撮りすぎることも多くなる。だからこそ、閲覧する環境も重要視したという馬場氏

 「メディアスビューアは、たくさん撮った写真を快適に閲覧できるようにと考え搭載しました。写真や動画をサムネイルで一覧表示し、タッチ操作で簡単に見たいものが見つけられます。検索機能も用意していて、期間を指定したり、フォルダを指定したり、特定のシーンモードで撮影された写真だけを抽出したりもできます」(馬場氏)

 画像を拡大して、エフェクトを挟んで写真をぱらぱらめくったり、回転するようなエフェクトで写真を切り替えたりといった機能も装備。タッチパネルを生かした楽しい演出で写真や動画を閲覧できる。

 もちろんBIGLOBEの専用サーバに写真をアップロードできる「ライフストレージ」も利用可能だ。専用iアプリをダウンロードする必要があるが、無線LANを使い、写真を自動もしくは手動でアップロードできるほか、アップロード済み画像をN-02Bにダウンロードすることも可能。1Gバイトまでは無料で利用でき、必要なら容量を増やせるので、写真多く撮る人はぜひ活用したい機能と言える。

 端末内の写真は、ドコモのケータイデータお預かりサービスを利用してサーバに預けることが可能だが、こちらの保存件数は画像や動画、メロディを合わせて合計100Mバイトまで。ライフストレージを活用すれば無料で10倍、さらに月額210円を払えば4Gバイトまで容量を増やせる。

 「0.8秒でカメラが起動し、撮りたいときのシャッターチャンスを逃しません。またクイックショットモードなら、1.5秒間隔で次々と撮影できるので、楽しく写真が撮れます。そして採ったものはメディアスビューアでサムネイルを見ながら直感的に操作できる。上り最大5.7MbpsのHSUPAを使って写真をサーバに保存することもできます。N-02Bは、カメラに関わる機能を最初から最後までをトータルにサポートする端末です」(馬場氏)

新プラットフォーム採用でも動作はきびきび

 この快適なカメラをとことん追求したN-02Bだが、実はプラットフォームが前モデルから大きく変わった上でこれだけの進化を遂げている点に驚かされる。これまでNECは、ドコモが開発したLinuxベースのプラットフォーム「MOAP(L)」を採用してきたが、2009年冬モデルから、プラットフォームをACCESSの「ACCESS Linux Platform」にドコモのオペレータパックを搭載する仕様に変更した。

Photo N-02Bの商品企画を統括した有満氏は、N-02Bでシャッターチャンスを逃がさないカメラを目指したという

 プラットフォームが変わるということは、これまで蓄積されてきたソフトウェア開発のノウハウが一部リセットされることでもある。チップセットも新しくなり、ソフトウェアも新規に開発する部分が多かったため、開発は苦難の道の連続だったという。

 それでもユーザーの目につくところはよくしていこうと、以前の機種よりも快適に動作するレベルまでチューニングを行った。プラットフォームが変わったから、新しい機能を採用したからという理由で動作が緩慢になったり、快適さが失われれしまうと、ユーザーはとたんに離れてしまうからだ。

 クイックショットモードの「1.5秒間隔」も、徹底的に速度を追求した結果ようやく得られた数字だった。細川氏は「技術的には1.5秒まで短縮できると信じていました。ただ、実際にそのスピードを達成するのは本当に大変で、けっこう時間がかかってしまいました。最後の方はデイリーで『現在1.6秒』などとリポートしていました」と当時を振り返る。

 加藤氏も、「PictMagicの処理が高速化しているんです。N-01Aの500万画素カメラとN-02Bの1220万画素カメラで、処理時間はほぼ同じくらい。およそ2.4倍ほど速くなっています」と胸を張った。

 ライバルとなるPRIMEシリーズの機種は、画素数や撮影モードの豊富さ、防水機能などが特長の強力な布陣。その中で、NECは「速さ」という対抗軸を盛り込んだ。

 「今日は撮るぞ、と気合いを入れているときではなくて、あっと思って撮りたいときに、シャッターチャンスを逃さないカメラを目指しました。その魅力をぜひ手にとって感じてみてください」(有満氏)

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