第24鉄 位置情報ゲーム『コロプラ』で“130円大回りの旅”を満喫(出発進行編)杉山淳一の +R Style(3/5 ページ)

» 2010年01月16日 15時51分 公開
[杉山淳一,Business Media 誠]

車中で駅弁を食べて、海を眺めて……それでもきっぷは130円

 千葉駅からは内房線方面の館山行き。発車まで時間があるので他の電車を見物する。ちょうど特急「あずさ」が出発するところだった。ここからアルプスの麓、南小谷まで行く列車、341.6kmの長い旅路である。

南小谷まで約5時間の旅に出る「あずさ3号」を見送る

 そして209系電車の千葉バージョンを見つけた。京浜東北線から引退した通勤電車が房総半島に「転勤」したもので、そのとき、一部の車両は向かい合わせのクロスシートに改造された。「なるほど、こんな姿になったのか」としばし眺める。この電車は君津まで先行するので乗ってもいいのだが、クロスシートが人気で満席のため見送った。予定通りの館山行きは、なんと東海道本線の湘南色塗装を復活させた113系だった。これはラッキーだ。房総方面の車両はほとんどが113系なのだが、青とクリームの横須賀色ばかり。湘南色は貴重な車両である。もっとも、その113系も引退が近い。今回の旅で最後の乗車になりそうだ。

内房線は湘南色の113系だった。JR千葉支社の「懐かしの国鉄カラー復活」企画。一部のディーゼルカーも旧国鉄色にするらしい

07:15 五井駅

 7時を過ぎた。この時間帯になるとレジャー客が多く、相席となったので少し窮屈だ。しかしクロスシートに座ったから旅の気分も盛り上がる。蘇我駅で京葉線との合流を眺めた後、浜野駅停車中に位置登録。乗り換えの千葉駅ではなく、移動距離のロスが少なくなる位置の浜野を選んだ。

 その2つ先の五井駅からは小湊鐵道というローカル私鉄が出ている。今回は乗れないが、車両を見ると乗りたくなってくる。我慢だ。車窓右手は工業地帯。やがて列車は内陸部に引っ込み、畑と荒れ地ばかりの荒涼とした風景が続く。この時間を利用して駅弁「千葉元気豚めし」をいただく。130円のきっぷで駅弁紀行とは実に愉快。

五井駅で見かけた小湊鐵道の車両。久しぶりに乗りたくなる(左)。千葉元気豚めし。肉もご飯も美味しい(右)

08:52 浜金谷駅

 君津で特急「さざなみ」に追い越された。内房線は単線になり、対向列車の待ち合わせなどで停車時間が増える。次の青堀駅で中高生たちがごっそり降りて、車内はローカル線らしくなってきた。

 上総湊駅からようやく海が見える。浦賀水道と呼ばれる東京湾の入り口で、海の向こうに三浦半島を望む。さらに後ろを見ると東京湾観音も見送ってくれている。旅の気分が盛り上がってきた。こんな素晴らしい車窓を「大森から130円区間」のきっぷで楽しめるとは、楽しいやら申し訳ないやら。あまりにも嬉しくて、浜金谷駅の位置登録をすっかり忘れてしまった。それは乗り換えの館山駅で気付いた。浜野から館山の直線距離は66km、JRの営業キロは82.5km。道のりの8割しかプラを稼げなかったことになる。うーん、これはちょっと失敗。

内房線の車窓から三浦半島を望む(左)。館山からは横須賀色の113系に乗り換え(右)

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