インタビュー
» 2010年03月04日 20時07分 UPDATE

Mobile World Congress 2010:Android、電子書籍、プラットフォーム――多方面から攻めるACCESSの勝算 (1/2)

多彩な携帯電話向けサービスを提供しているACCESSは、Android向けのソリューションと電子書籍コンテンツ、プラットフォーム事業に注力する。これらの分野でどのような展開を図るのか。ACCESSの石黒氏に聞いた。

[田中聡,ITmedia]

 NetFront BrowserやACCESS Linux Platform(以下「ALP」)、電子書籍など、さまざまなアプローチで携帯電話向けのアプリケーションやプラットフォームを開発しているACCESS。Mobile World CongressではAndroid端末のUI(ユーザーインタフェース)をカスタマイズできる「NetFront FlexUI」や「NetFront Document Viewer」「NetFront Widgets」などを発表し、Android向けソリューションを強化した。また、ALPをベースにしたプラットフォーム「ELSE INTUITION」を採用したケータイ「ELSE」も欧米や米国で発売する予定だ。

 ACCESSが掲げるビジョンとは。「Android」「電子書籍」「プラットフォーム」の3点から、同社 取締役 常務執行役員 兼 最高技術責任者 兼 最高情報責任者の石黒邦宏氏に話を聞いた。

エンドユーザーに直接アプリを届けたい

photo ACCESS 取締役 常務執行役員 兼 最高技術責任者 兼 最高情報責任者 石黒邦宏氏

ITmedia 今回のMobile World Congressでは、Android向けに「NetFront Series」を発表しました。今後もこうしたAndroidのソリューションを強化していくのでしょうか。

石黒氏 我々はもともと、NetFront Browserをはじめとするアプリケーションを手がけています。これまでもWindows MobileやBREW用にアプリケーションを開発してきました。Android向けのソリューションも、そうした流れで展開している取り組みの1つです。2009年の後半くらいから、お客さんからもAndroid向けソリューションのニーズが増しているので、それに対応していきたいと考えています。

ITmedia Android端末のUIをメーカーが自由にカスタマイズできる「NetFront FlexUI」が一番の目玉になるのでしょうか。

石黒氏 それもありますが、エンドユーザーに直接アプリを届けられることが大きいですね。その1つとして提供するのがNetFront Document Viewerです。今後はiPhoneやALP搭載機も含めて、積極的にアプリを提供していきたいと思います。

photophoto 開発メーカーがAndroid端末のUIを自由に変更できる「NetFront FlexUI」(写真=左)。Android端末向けの「NetFront Document Viewer」(写真=右)

ITmedia B to Bのみならず、B to Cのサービスも強化するということですね。その最初のステップにAndroidを選んだ理由を教えてください。

石黒氏 (端末メーカーなど)お客さんからの要望が一番大きいというのが、まずあります。提案をすると「ちょうどいいタイミングで来てくれた」と言われることが多いですね。正直、Androidも最初のバージョンは使い勝手がいまひとつだと思いましたが、2.1になってだいぶ成熟されました。

ITmedia Androidアプリならではの強みは、どこにあるとお考えでしょうか。

石黒氏 有象無象のどんなアプリでも、友達からファイルをもらってインストールできる手軽さですね。これはiPhoneやフィーチャーフォン(一般の音声端末)では難しいことです。開発から提供までのタイムラグが非常に短いので、開発者にとってもメリットがあります。

iPhoneとAndroid向けに電子コミックを提供する

ITmedia そのアプリについて、御社はドコモ、au、ソフトバンクケータイ向けに電子書籍サービス「ケータイ書店 Booker's」を提供していますが、スマートフォン向けにもこうした電子書籍コンテンツを展開するのでしょうか。

石黒氏 Booker'sのアプリはiPhoneとAndroid向けにも開発しています。個人的には、アメリカに家族が住んでいるので、電子コミックでマンガを読ませてあげたいですね。

ITmedia 海外で展開する電子書籍コンテンツの戦略について教えてください。

石黒氏 電子書籍には「書籍」「雑誌」「マンガ」の3種類がありますが、その中でもマンガに注力していきます。フランスやアメリカなどで日本のマンガは人気があります。アメリカで書店に行くと、日本のマンガコーナーがあるほどです。まずは欧州と米国を皮切りに、電子コミックを提供していく予定です。

ITmedia 海外ユーザーのマンガに対する嗜好は日本とそれほど変わらないのでしょうか。

石黒氏 変わらないですね。低年齢の子どもたちがゲームやアニメから入ってきているので、電子コミックもすんなり入れるようです。「Kindle」をはじめとする電子書籍端末が普及し始めたことも大きいですね。

ITmedia 電子コミックは、ケータイの画面で読みやすくする工夫も求められます。

石黒氏 ケータイは画面が小さいですし、今後は「iPad」くらい大きな端末も出ると思うので、見せ方も工夫しないといけません。コンテンツとビュワーの両方をしっかり用意したいと思います。ちなみに、英語版では日本版とページのめくり方を逆にしています。

ITmedia Windows Mobile端末に電子書籍コンテンツとビュワーを提供する予定はないのでしょうか。

石黒氏 Windows Mobile端末向けは、現時点では考えていません。

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