孫社長は2009年冬モデルと2010年春モデルの発表会の際に、2010年の春にAndroid搭載端末を発売することも予告していたが、その端末もこのイベントでベールを脱いだ。Googleが発売した、HTC製の「Nexus One」とほぼ同型の「HTC Desire」だ。「X06HT」という型番も用意されているが、ワールドワイドでの呼称と同じHTC Desireの名称がそのまま冠される。発売は4月下旬で、4月上旬から予約を受け付ける。
OSがAndroid 2.1となっており、最新の機能が盛り込まれているのが最大の特長。HTC独自のHTC Senseという名のUIを搭載し、7つの画面に自由にウィジェットを配置できる。ディスプレイは3.7インチのワイドVGA有機ELで、タッチパネルはマルチタッチに対応した。Snapdragon 1GHzと最新OSの組み合わせはなかなか軽快な動作を見せる。Flash Lite 4.0に対応しており、Flashを用いたPCサイトの表示も可能な点はiPhoneに対するアドバンテージとなる。
ちなみにイベントでは、4月1日に発売される「Xperia」との比較表も掲出。スペックが最先端であることを大きくアピールした。
一方で、S!メールに対応していないなど、発売を急いだことによるデメリットもある(これまでソフトバンク向けのHTC製端末は、S!メール対応のメーラーを開発して搭載していた)。メールはGmailだけでいいと割り切れればいいが、そうでない場合は注意が必要だ。料金プランはXシリーズと同じになるので、パケット通信料の定額プランは「パケット定額フル」となり、上限は5985円。端末の価格は実質負担額で2万円前後になる見通し。iPhone 3GSと比べると優遇は少ない印象だ。
孫社長は「iPhoneもすばらしいが、HTC Desireもすばらしい端末。どちらがいいか悪いかではなく、どちらもお客様への選択肢として提供する。さまざまなニーズに合わせて端末はラインアップしていく」と話したが、使い勝手の向上を目指したスマートフォンが増える中、高スペックをウリにするスマートフォンが国内市場でどう受け入れられるのかは興味深い。
なおHTC Desireの詳細については、別記事で改めて紹介する。
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