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» 2010年04月13日 09時36分 UPDATE

“ソーシャル”に特化した純正Windows Phone 7機 「KIN ONE」「KIN TWO」発表

Microsoftが、米国で自社ブランドのWindows phone「KIN」を発表した。SNSとの連携機能や共有機能を徹底的に使いやすく強化し、“いつでもどこでもつながっていたい”ユーザーにアピールする。

[園部修,ITmedia]
Photo KIN ONEとKIN TWO

 マイクロソフトが4月12日(現地時間)、Windows Phone 7をベースに、SNSやTwitterなどのソーシャルサービスとの連携機能に特化した新しいデバイス「KIN」を発表した。米国では5月にVerizon Wirelessから販売される予定だ。またドイツ、イタリア、スペイン、英国でも、秋にVodafoneからリリースされる。

※KINのOSは、カーネルがWindows Phone 7と共通ですが、サードパーティーのアプリがインストールできなかったり、本来Windows Phone 7に搭載されているアプリや機能が載っていなかったりと、Windows Phone 7そのものとは異なるものです。(4/13 18:28)

 KINは、これまで“Project Pink”という開発コード名で呼ばれていたMicrosoftが企画した端末で、コンパクトな手のひらサイズのスライド型端末「KIN ONE」と、大きなQWERTYキーを搭載した横スライド型の「KIN TWO」をラインアップする。端末はシャープが製造している。

Photo 左からシャープ 執行役員 情報通信事業統轄兼通信システム事業本部長の大畠昌巳氏、Verizon Wireless Digital Media&Marketing部門 上級副社長のジョン・ハロビン氏、Microsoft エンターテインメント&デバイス部門 プレジデントのロバート・J・バック氏、Vodafone 携帯端末部門 本部長のパトリック・ショメ氏

QWERTYキーを搭載したソーシャルサービス特化型端末

 KINの公式サイトやMicrosoftのプレスリリースでは、KIN ONE、KIN TWOともに静電式のタッチパネルとQWERTYキーボードを備えることや、Zuneと同等の音楽機能を備えることが分かる。またKIN ONEはフォトライト付き5Mピクセルカメラ、モノラルスピーカー、4Gバイトの内蔵メモリを搭載すること、KIN TWOはフォトライト付き8Mピクセルカメラ、HD動画撮影機能、ステレオスピーカー、8Gバイトの内蔵メモリを搭載することなどが明らかにされているが、詳細なスペック情報はあまりない。

 米国のメディアは、KIN ONEおよびKIN TWOのスペックを以下のように報じている。

KIN ONE
製品名 KIN ONE
外形寸法(幅×高さ×厚さ) 67.7×84.15×18.75ミリ
ディスプレイ 2.6インチQVGA(320×240ピクセル)TFT 静電式タッチパネル
カメラ 5MピクセルCMOS(AF、手ブレ補正付き) フォトライト付き
スピーカー モノラル
メインメモリ 256Mバイト
ユーザーメモリ 4Gバイト
無線機能 CDMA2000 1X EV-DO Rev A(米国)/W-CDMA(欧州)、IEEE802.11b/g、Bluetooth 2.1、USB 2.0
そのほか A-GPS、FMラジオ、加速度センサー

PhotoPhoto コンパクトな「KIN ONE」
PhotoPhoto 閉じた状態では手のひらに収まる程度のサイズになるKIN ONE
KIN TWO
製品名 KIN TWO
外形寸法(幅×高さ×厚さ) 60.05×111.06×15.6ミリ
ディスプレイ 3.4インチハーフVGA(480×320ピクセル)TFT 静電式タッチパネル
カメラ 8MピクセルHDR CMOS(AF、手ブレ補正付き) フォトライト付き
スピーカー ステレオ
メインメモリ 256Mバイト
ユーザーメモリ 8Gバイト
無線機能 CDMA2000 1X EV-DO Rev A(米国)/W-CDMA(欧州)、IEEE802.11b/g、Bluetooth 2.1、USB 2.0
そのほか A-GPS、FMラジオ、加速度センサー

PhotoPhoto ハーフVGAディスプレイとQWERTYキーを組み合わせた「KIN TWO」
PhotoPhoto タッチパネルは静電式。Zuneの音楽機能や動画機能も内蔵した

独自のUI「KIN Loop」を搭載

 KINの最大の特徴は、デバイスとソフトウェアをすべてMicrosoftが企画したこと。FacebookやMySpace、Twitterなどのソーシャルサービスを使いこなすユーザーが使いやすく、快適に楽しめることを最優先に開発された端末となっている。

 待受画面に相当するホーム画面はKIN Loopと呼ばれ、この画面から友人の近況などがすぐ確認できる。友人は“お気に入り”を設定することもでき、お気に入りに登録された人の情報を優先的に表示する。また画面上にはKIN Spotと呼ばれる特別な場所が用意されていて、ここに写真や映像、メッセージ、WebサイトのURL、自分の位置情報やステータスなどをドラッグ&ドロップすると友人と共有できる仕組みになっている。

 KIN上で作成されたデータはすべてクラウドに保存されるのも特長だ。写真や動画はもちろん、テキストメッセージや発着信履歴、アドレス帳なども自動的にバックアップされる。データはWebブラウザでアクセスできるKIN Studioから参照でき、特に意識することなくPCなどとデータを共用できる。

 音楽機能は米国で展開しているオーディオプレーヤー「Zune」の音楽機能と動画機能を備え、Zune Passに契約すればオンラインストアZune Marketplaceなども利用可能。Internet Explorer MobileベースのWebブラウザ、Bingによる端末内およびWebの検索機能、RSSリーダーなども備え、スマートフォンとしての基本的な機能も備える。

“何でもできる”ではなく“SNSに特化”

 「ソーシャル世代向け」とうたうKINは、現在開発中の次世代Windows Mobile OS、Windows Phone 7をベースに、SNSやTwitterとの連携を強化し、Zuneの機能を取り込むなど、Microsoftならではの広がりが見られる端末だ。自社で手がけたモデルだけに、細部にまでMicrosoftの思いが反映されているようで、使い勝手や操作性はこれまでのWindows phoneとは大きく異なる。

 “何でもできる”のではなく、あえてSNSという、エンドユーザーがインターネットでよく使う機能に特化することで、これまでとは異なる側面を打ち出したKINは、これまでの先進ユーザーとは異なる、SNSが快適に使いこなせる“小さなPC”が欲しいユーザーにも受け入れられる可能性がありそうだ。

 一方で、KINにはサードパーティ製のアプリケーションをインストールする機能が用意されていないという報道もある。細かなスペック情報も公開されておらず、スマートフォンのライトユーザーをターゲットにした端末らしいといえばらしいが、既存のWindows phoneユーザーにとっては、今後のWindows Phoneの展開も含め、改めて気になる端末と言える。

 AppleのiPhoneやOHAのAndroidなど、スマートフォンのプラットフォームはライバル陣営が急速に成長し、シェアを拡大している。PDAの時代から先行するWindows phoneは、これまでの「使いにくい」「分かりにくい」「ビジネス向け」といったイメージを払拭し、コンシューマー市場でブレイクするのか。KINがどのように受け入れられるのかは非常に興味深い。

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