2010年夏モデルでは派手な機能やサービスの追加はなく、ユーザビリティの強化が主な改善点。従来は1機種ずつ投入されてきたWiFi-WIN対応端末も無線LAN内蔵とmicroSD無線LANカードの対応に合わせて3機種(スマートフォンを除く)が投入され、本機はmicroSD無線LANカードで対応する。
BRAVIAを冠する端末だけあり、AV機能も充実している。前後のフレーム情報から中間フレームを作成し、フレームレート(時間あたりのコマ数)を増やすことで、なめらかな表現を可能にする「モーションフローLite」に対応。BRAVIA Phone U1は、放送波に対して倍速表示の30fpsだったが、本機では4倍速表示の60fpsに向上している。対応するソニーのBlu-ray Discレコーダーのデジタル/アナログ放送(スカパー!HD含む)の録画番組やアクトビラのダウンロードセル番組を転送して再生することも可能だ。
S004は、SnapDragonの採用に合わせプラットフォームが「KCP3.0」に進化している。ただしKCP3.0はSnapDragonへの最適化が主なポイントで、2009年冬モデルからソフトウェア面での大きな変更はない。ただしその動作は極めて軽快で、初期のKCP+端末と比較すると雲泥の差といえる。
その恩恵が特に大きいと感じたのがPCサイトビューアーだ。ブラウザ(Opera)は特に変更されていないが、レンダリングやスクロールは従来から大幅に高速化されている。これまでの端末ではスクロール時にレンダリングが省略されたり、画像の再表示に待ち時間が発生することも珍しくなかったが、S004では目で追えないほどの高速スクロールが可能になった。これだけの処理能力があれば、Wi-Fi接続で利用するメリットがさらに生きるだろう。
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