イー・モバイルは5月25日、「Pocket WiFi」を含む同社のデータ通信端末の購入者を対象とした「新世代Wi-Fiキャンペーン」を5月26日から8月31日まで実施すると発表。
同キャンペーンでは、受付期間中にイー・モバイルのデータ通信端末を購入して「データプラン(にねんM)」または「データプラン21(にねんM)」に契約をすると、12カ月間にわたって基本使用料が1000円オフになる。データプラン(にねんM)は4980円から3980円に、データプラン21(にねんM)は5980円から4980円に割り引かれる。なお、新規契約をした場合は申し込み月を含む最大13カ月間が割引期間となる。
料金プラン(契約種別) | 通常料金 | キャンペーン値引き | キャンペーン適用後料金 |
---|---|---|---|
データプラン(にねんM) | 4980円 | 1000円 | 3980円 |
データプラン21(にねんM) | 5980円 | 4980円 | |
あわせて、同社は契約種別「ベーシック」向けの新たな割引サービス「にねん得割」も提供する(関連記事)。
イー・モバイル 執行役員副社長の阿部基成氏は、今回のキャンペーンを実施した背景として、同社のモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi」の利用シーンとユーザーが増加していることを挙げた。「これまでの無線LANは、自宅や駅、空港、カフェなど、利用できる場所が固定電話や公衆電話のように限られていたが、Pocket WiFiにより、Wi-Fi機器がどこでも使えるようになった」と同氏は利便性を強調する。
イー・モバイルの契約数は2009年3月の141万から2010年4月には241万に増加し、サービスエリアは、2010年3月に首都圏をはじめとする地下鉄をカバーした。阿部氏は「(地下鉄の対応は)データカードはあまり関係がなかったが、Pocket WiFiが地下鉄でもつながることで、モバイルブロードバンドの利用シーンが拡大した」とメリットを話した。
イー・モバイルの調査によると、Pocket WiFiは約6割のユーザーがPCと接続して利用しているが、iPod touchの利用も4割以上と大きい。その後に、iPhoneとポータブルゲームが続く。Pocket WiFiは最大5台の機器と接続できることから、1台よりも複数の機器と接続しているユーザーが多いのも特徴だ。
PCと接続するデータカードのユーザーは30〜40代のビジネス層が多いが、Pocket WiFiのユーザーは女性が31%、20代以下の男性が25%を占めている。阿部氏は「固定回線を持っていない人や、iPod touchなどPC以外の機器をメインで使っている人にも使われており、Pocket WiFiは新たな顧客へ訴求できる端末だ」とアピールした。
無線LANを搭載した機器は、これまではPCやケータイ、音楽プレーヤー、携帯ゲーム機が主流だった。今後はiPadやKindle、デジタルフォトフレームなど大型ディスプレイを搭載した機器や、カーナビなどにも広がっていくと阿部氏は見ている。このタイミングでキャンペーンを発表したのも、「(iPadが発売される)5月28日に向けて準備してきたというのもある」ことから、iPadがPocket WiFiの利用シーンをさらに広げることも期待される。なお、Pocket WiFiとiPadをセットで販売する施策は、イー・モバイル側では検討しておらず、「販売方法は店舗が決める」(阿部氏)考えだ。
イー・モバイル 代表取締役社長兼COOのエリック・ガン氏は、「Wi-Fiマーケットは思った以上に盛り上がっている」と話す。「データカードが使えるのは基本的にPCのみだが、モバイルルーターはさまざまな機器とつながる。iPadのような端末がこれからも出てくるのなら、データカードよりはモバイルルーターの方がニーズがある」と話し、端末次第ではデータカードと同等か、それ以上の市場になるとの考えを示した。
イー・モバイル 代表取締役会長兼 CEOの千本倖生氏は「iPadは革命を引き起こす端末。モバイルが電話端末から新世代型の端末に変わる、大きな過渡期を迎えている。Pocket WiFiは応用範囲が広く、iPadのような端末との親和性が高いので、想定以上のマーケットがある」と期待を込めた。
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