インテル、「Atom Z600」搭載のAndroid端末やタブレット端末を披露速くて長持ちする

» 2010年06月08日 18時19分 公開
[田中聡,ITmedia]
photo インテルのスマートフォンやタブレット端末向けプロセッサ「Atom Z600」シリーズ

 インテルが6月8日、コンシューマー向けPC市場への取り組みに関する記者説明会で、同社が小型デバイス向けに発表したプロセッサ「Atom Z600」シリーズを搭載した携帯端末の技術デモを実施した。

 インテルのAtomは、スマートフォンやタブレットPC、Netbookなどに使われているプロセッサ。Atom Z600番台のプロセッサは、これまでのAtom Z500番台から50分の1の低消費電力を実現しているのが大きな特長。バッテリーの持続時間は、スタンバイ時で10日以上、音楽再生時で2日以上、インターネット/ビデオ再生時で最大5時間。

 動作周波数は、スマートフォン向け製品が最大1.5GHz。タブレット/モバイル機器向け製品が最大1.9GHz。搭載可能なOSはAndroid、Linuxをベースとした携帯端末向け「MeGoo」、同じくLinuxをベースとしたNetbookやタブレットPC向け「Moblin」。なお、Windows phoneはサポートしていない。

 Atom Z600シリーズを搭載したタブレット端末として、Moblinを採用したOPEN PEAK製の試作機を展示し、電子書籍や映像のデモを実施していた。同モデルは静電式のタッチパネルを備えており、HD動画(1080×720ピクセル)の撮影と再生が可能。通信はWi-Fiをサポートしているが、WiMAXや3G通信は利用できない。展示されていたのはプロトタイプで、具体的な商用化は未定。

photophotophoto OPEN PEAK製タブレット端末の試作機(写真=左)。1080×720ピクセルのHD動画を視聴できる(写真=中、右)
photophoto 裏面にアウトカメラを搭載している(写真=左)ほか、表面のディスプレイ上部にはインカメラがある。メニュー画面にはアイコンが並ぶ(写真=右)
photophoto 卓上ホルダも用意されている

 Aava Mobileが開発したAndroid端末も展示し、タッチで操作できる3Dコンテンツを披露したほか、ソフトウェア開発キットを用いたゲームや動画のデモも実施していた。3Dコンテンツ、ゲーム、動画はいずれも高速で動作するのが特長の1つ。また「2D表示も速く、ブラウジングではスムーズなレンダリングが可能になる」(説明員)など、リッチコンテンツ全般での高速な動作が期待される。

photophotophoto Atom Z600を搭載した、Aava MobileのAndroid端末(試作機)(写真=左)。3Dコンテンツを軽快に表示できる(写真=中)。側面に4つのキーがある(写真=右)
photophoto メインメニュー(写真=左)とホーム画面(写真=右)
photophotophoto 開発キットを用いたゲームや動画のデモも実施

 Atomプロセッサを搭載したスマートフォンは現在は発売されておらず、Atom Z600シリーズを採用した端末の商品化についても、具体的な採用メーカーやスケジュールは未定。とはいえ、「低消費電力」と「高速動作」は携帯電話(スマートフォン)の満足度を左右する要素なので、今後大きく普及する可能性を秘めていると言える。今回の試作機も含め、どのような製品が登場するのか注目したい。

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