―― では次に、「簡単ケータイ K005」についてお聞きします。K005はK003、K004から続く簡単ケータイシリーズですが、コンセプトや進化のポイントを教えてください。
大西氏 これまでの簡単ケータイは初めてケータイを持つ方に向けた製品でしたが、ターゲットである60代の方々はすでにケータイをお持ちの方がほとんどで、機種変更が中心です。ですので、初めて持つ方にも使いやすさを押さえながら、機種変更する方にも満足していただける製品作りを心がけました。
K005の進化ポイントは3点です。1つ目が、auの簡単ケータイ初となる防水(IPX5/IPX7相当)、防塵(IPX5相当)対応で、auケータイの中でも防塵対応は初めてです。防水・防塵についてはエルダー層の方々のニーズも高いのですが、その機能で何かをするというよりは、防水・防塵で安心、壊れにくいと感じる方が多いという調査結果が出ています。
2つ目が、使いやすさのバージョンアップです。ディスプレイサイズを従来の2.8インチから3インチに向上させました。これまでもデカ文字やデカ時計といった文字の大きさの配慮で見やすさを追求してきましたが、今回はディスプレイそのものを大きくして、さらに見やすく分かりやすく表示できるようにしてました。
キーの押しやすさでは、ソフトガイドキーと連動するキーが同じ色で光る「光で操作ナビ」の対応キーを拡張し、新たにEZwebでも使えるようにしました。ワンタッチキーは、これまでは通話用だったのですが、K005ではEメール、Cメールも使えます。また、ワンタッチキーに登録している人物を、待受画面上で文字や写真などで確認できるようにしました。キーそのものは、凸量を従来より大きくし、押した触感がはっきり分かるようにしています。
3点目として、従来機種でも搭載してきた歩数計をバージョンアップさせました。健康と結びつけ、エンターテインメント性も盛り込みました。
―― 防水、防塵の対応で一番苦労したところはどこでしょうか。
大西氏 やはりサイズです。従来のサイズはキープしたかったので、設計側に頑張ってもらいました。簡単ケータイは持ちやすさも重視したので、SA002と同様に、角を落として持ちやすいフォルムにするのが大変でした。
―― 十字キー周りは、K005は決定キーがザラッとしていて、十字キーがツルッとしているんですね。
大西氏 そうですね。十字キーには光沢をつけ、決定キーにはシボ加工を施し、触って識別できます。
大西氏 K005では、健康に配慮した「健康歩数計」アプリを搭載しています。K003、K004にも歩数計アプリはありましたが、K005はもう少し力を入れて、エンターテインメントの要素を入れています。
「肥満の解消」「脳活性化」「美肌効果」など、ウォーキングの目的のメニューを13種類用意し、メニューに応じた歩き方、効果的な回数、歩くスピードや時間などをガイドする機能を搭載しています。さらに、この健康歩数計に連動する待受Flashを搭載しています。アプリの起動画面と同じテイストの画面になっていて、設定されているメニューやウォーキングの達成度が分かります。
―― 「肩こり腰痛改善」や「疲労の回復」などは、幅広い人が使えそうですね。
大西氏 そうですね。「肥満の解消」はかなりハードなペースで歩くことを求められます。エルダー向けのケータイは機能を削っているものが多いですが、歩数計に関しては楽しめるものにしています。
和田氏 弊社はK003で初めて歩数計を搭載しましたが、その際、歩いてもらうためのきっかけを作るようにしました。ドコモのらくらくホンなど、他機種にも歩数計が搭載されていましたし、その中でグラフィックでどういう差別化ができるかを考えました。K005では、端末と健康歩数計の連動を重視し、アプリと歩数計デバイス、端末の一体感を出すことを重視しています。
エルダー向けの機種ですので、分かりやすさも重視しました。K005には歩数計に連動した待受Flashがプリセットされていますが、歩数計がオンになると自動的に待受Flashの表示もオンになるようにしています。なお、K003やK004で搭載した歩数計連動の待受Flashは、K005にも用意しています。
―― 小出(義雄)監督も登場するんですね。
大西 小出さんは歩数計を起動したときのトップ画面と、ウォーキングの準備からクールダウンまでを解説する「歩き方ガイド」で主に活躍されています。このアプリは、小出監督の監修されている書籍をベースにしていますので。
―― 若い人でもウォーキングをする人は多いですし、歩数計は一般の端末にも搭載してほしいですね。
―― 京セラケータイの今後の展開はどのように考えてらっしゃいますか。SAシリーズは薄型、Kシリーズは簡単ケータイ、というような棲み分けにするのでしょうか。また、しばらくご無沙汰しているハイスペック路線についてはいかがでしょうか。
黒木氏 今後の展開は、シリーズの方向性なども含め検討中です。ただ、スライドや薄型化は我々が築いてきた技術なので、今後も継承していきたいと思います。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.