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» 2010年08月10日 20時23分 UPDATE

“ケータイを身につけるだけ”で健康管理――富士通、健康サービスに参入

飽きて続かない、忙しくて続かない――。こうしたダイエットや健康管理の課題を、携帯電話に搭載されたセンサーや通信機能を活用して“続けられるサービス”にしようというのが富士通の「深体創工房」だ。

[後藤祥子,ITmedia]

 ケータイとPCを組み合わせて、“続けられる”健康管理を――。8月10日、富士通が健康管理サービス「深体創工房」(しんたいそうこうぼう)の提供を開始した。携帯電話の加速度センサーで計測した歩数や活動量をサーバに自動送信することで、記録の手間を軽減。活動量に応じたアドバイスメールを送信するなど、モチベーションを保つための工夫もこらしている。

Photo サービス提供に向け、サービスプラットフォームを構築。他業種との連携によるサービス拡大を目指す

ケータイできっかけづくり、PCで詳細を確認

 ダイエットや健康管理は、継続するのが難しい。それをIT技術やレコメンド、専門家のアドバイスなどで補い、“続けられるサービス”として提供しようというのが富士通の狙いだ。

 深体創工房は、場所や時間を選ばず健康管理を行えるようにするサービス。出先ではケータイ、家ではPCのWebを通じて日々の活動情報や身体データの推移、健康を維持するためのアドバイスなどをチェックできる。

 特徴の1つは、面倒で手間がかかるデータの記録をケータイと通信でサポートする点だ。富士通の携帯電話は、加速度センサーを使って歩数や運動強度を計測する機能を備えており、このデータをiアプリを通じてサーバに自動送信する機能を用意。利用者は携帯電話を身につけているだけで、日々の活動による歩数や消費カロリー、脂肪燃焼量などのデータを記録できる。

 ほかにも、タニタの体組成計や血圧計で計測したデータを赤外線経由で携帯電話に送信できるようにするなど、「手間をかけずに、情報を(サーバに)吸い上げる自動記録にこだわった」(富士通 ユビキタスプロダクトビジネスグループの木戸利治氏)という。

 もう1つの特徴は、モチベーションを維持するための機能を用意した点だ。サービスに加入すると週に1回、記録された活動量や身体データにもとづく1週間の振り返りと目標達成に向けたアドバイスを記載したメールが配信される。「脱メタボ」「背中すっきり」など、より具体的な目標を設定できる「からだデザインコース」に登録すると、日々の測定結果に対する応援メールが毎日届くようになる。こうしたメールによるレコメンドが記録の確認を習慣化させ、健康管理の継続につながるというわけだ。

 富士通は当初、3軸加速度センサーを搭載した富士通ケータイ9機種向けにサービスを提供し、順次、iPhoneなどの他社製端末も視野に対応機種を拡大する計画。サービス開始時は無料でサービスを提供し、2011年1月をめどに有料のプレミアサービスの提供や、広告ビジネスの展開を目指す。その次のフェーズでは、病院や健康保険組合、食品関連企業、フィットネスクラブなどとのサービス連携によるビジネスの拡大を図る考えで、2012年度末には100万人規模の会員獲得を目指すとしている。

sa_f11.jpgPhoto 歩数や活動量をベースとした消費カロリーや脂肪燃焼量などのデータを自動で記録。履歴はPCのWeb画面でも確認できる

sa_f13.jpgPhoto 個人の性格や行動パターンに合った目標を設定可能(左)。選んだキャラクターから応援メールが届く(右)

sa_f17.jpgPhoto 富士通グループの顧客にサービスを訴求(左)。当初は無料サービスとして提供し、第2フェーズで有料サービスを提供。第3フェーズで他社サービスとの連携によるサービス拡大を目指す(右)

Photo 「からだデザインコース」の設計は関西医科大学の木村穣氏が担当。生活習慣病外来のプロセスをサービスに組み込んだ

富士通が健康サービスを提供する背景

Photo 富士通 パーソナルビジネス本部の三竹氏

 富士通が健康管理サービスを提供する背景には、人々の健康意識の高まりがあると富士通 パーソナルビジネス本部で副本部長を務める三竹兼司氏は説明。2006年以降、健康増進に関する法制度化が進んだことから健康管理への関心が高まり、健康関連の市場が拡大しているという。

 こうした中、富士通は医療分野のIT化や電子カルテの普及に取り組むなど、この市場をけん引してきた実績があり、携帯電話向け機能についても、端末にいち早く歩数や活動量を計測する機能を取り入れ、それを活用したサービスを提供してきたことから、サービスへの参入を決めたという。

sa_f04.jpgPhoto 医療、健康分野における富士通の取り組み

 携帯電話は今や、人が肌身離さず持ち歩くようになり、端末に搭載されたセンサーを活用することで、利用者の行動や環境がある程度分かるようになってきている。同社はその解析に必要なセンサー技術を持っており、それを活用した利便性の高いサービスの提供を目指す。

 同社はまた、今後の事業戦略としてセンサー技術やユビキタス端末、高速な無線データ通信を活用して人の生活をサポートする「ヒューマンセントリック」を掲げており、今回のコンシューマー向けサービスも、その一環として提供する。「これまであまり経験がない」(三竹氏)というBtoCサービスを提供することで、ビジネスの幅も広げたい考えだ。

sa_f06.jpgPhoto 携帯電話のセンサーを活用した富士通のサービス。ワイヤレスジャパンでは、ランニング時のフォーム診断やゴルフのスイング診断のデモを行っていた

sa_f19.jpgPhoto 富士通が行った実証実験の結果。アドバイスメールを出すだけでも、一定の効果がみられたという(左)。保健指導サービス推進プロジェクトが実施した実験では、データの自動登録とフィードバックを提供した場合(P+FULL)に3カ月で−2.7キロの減量効果がみられたという(右)

Photo センサーで取得できる生活情報の一例

 携帯電話を活用した健康管理サービスは、NTTドコモが「i Bodymo(アイ ボディモ)」、auが「Karada Manager」を提供するなど、通信キャリアが自社のユーザー向けに提供しているが、別のキャリアに移ったときにサービスを継続して利用できないなど、不便な点もある。

 富士通が提供するサービスは、当初は富士通端末のみの対応となるが、今後はiPhoneや他メーカー、他キャリア端末への対応も視野に入れるとしており、キャリアを変えても継続して使えるようになる見込みだ。端末メーカーが提供するコンシューマー向けサービスの、今後の進化と成長に注目したい。

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