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» 2010年09月21日 22時31分 UPDATE

9月26日まで900円:初めて“UI”を持ったATOK――メモアプリ「ATOK Pad for iPhone」 (1/3)

ジャストシステムが満を持して投入した、ATOKが利用できるメモアプリ「ATOK Pad for iPhone」。その機能と使い勝手を、公式動画を交えて紹介しよう。

[園部修,ITmedia]

 ジャストシステムが9月21日、日本語入力システム「ATOK」を組み込んだメモアプリ「ATOK Pad for iPhone」を発表した。9月22日からApp Storeで販売を開始する。価格は1200円だが、26日までの5日間は、発売記念価格900円で購入できる。

Photo ジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏

 ATOK Pad for iPhoneは、日本語入力システム「ATOK」のエンジンで日本語変換が利用できるiPhoneアプリ。現状では、iOS向けにインプットメソッド(IM)単体を供給するのは難しいことから、メモアプリとして提供することになったが、その分専用のユーザーインタフェース(UI)を用意することができたという。文字入力にはQWERTYキーやテンキーのフリック入力に加え、リボルバータッチ入力やダブルトリガーキーボードといった独自の入力インタフェースを用意し、iPhoneらしい操作感を持ちながら、これまで以上に快適な日本語入力を実現している。

 新製品発表会であいさつに立った代表取締役社長の福良伴昭氏は「2009年12月にWindows版ATOK 2010を発表した際、iPhone版の開発意向表明をして、予想以上の大きな反響をいただいた。その後少し期間が空いてしまったが、早く出してくれ、いつ出るんだ、まだ出ないのか、ちゃんと開発しているのか、とたくさんの方々から熱い声をいただいた。この日(発表の日)がくるのが待ち遠しくてたまらなかった」と感慨深げに語った。

「インプットメソッドとしてのATOKもあきらめたわけではない」

Photo ジャストシステム コンシューマ事業部 企画部長の佐藤洋之氏

 「iPhoneにおける文書入力のあり方を見直す」と意気込むジャストシステムでは、iPhoneでの文字入力の主体がテキストコミュニケーションであることを踏まえ、タッチパネルを使って快適に文書入力ができる仕組みを提案すべく、メモアプリに対してさまざまな作り込みを行った。

 具体的には、ATOKの名を持つアプリだけに、変換精度の高さや予測候補の豊富さはもちろんのこと、軽快な動作と簡便な入力操作、そして充実した学習機能などを継承。一方で新型キーボードを搭載して、iPhoneでより快適に日本語が入力できるような独自の工夫も凝らした。iPhoneならではのUI、iPhoneで使うアプリだからこその操作感を持たせている。

 また外部アプリや外部サービスとの連携機能を備え、快適な日本語入力を他のアプリやサービスでも利用できるよう配慮した。リリース当初はメールやSMSに文字を渡して送る機能のほかに、Twitterへの投稿やEvernoteにメール経由でポストする機能を標準装備。連携機能はアクションボタンを押すか、端末をシェイクすることで呼び出せる。さらに今後のバージョンアップで、他のアプリとの連携も増やしていきたい考えだ。

 こうした理由から、文字入力時に利用するテキストエディタは、入力済みの文字数が画面右上で確認可能。Twitterなどに投稿する際に重宝するだろう。またユーザー辞書はPC版やMac版のATOKからエクスポートしたものを取り込んだり、逆にiPhone版のユーザー辞書をエクスポートしてPCやMacのATOKにインポートしたりすることができるので、使い込んだユーザー辞書をiPhoneでも使えるのがうれしい。

PhotoPhoto ATOK Pad for iPhoneは、IMのリプレースではない、快適に文章を書けるツールを目指した
PhotoPhoto 一覧表示から入力履歴を選ぶか、新規作成を選んで文字を入力し、文章を作成してメールやSMS、Twitter、Evernoteなどに送ることができる

 ATOK Pad for iPhoneには、外部のアプリから呼び出す機能も用意されている。詳しい方法はジャストシステムの開発者向けページに書かれているが、カスタムURLスキームを利用することで、ATOK Pad for iPhoneを利用した文字入力を利用できる。サンプルプログラムも用意されているので、アプリ開発者の方はぜひ参考にしてほしい。

 ITmediaアプリも近日のアップデートでTwitter投稿機能やEvernote投稿機能でATOKによる文字入力が利用可能になる。

 このほか、ATOKの本体をアプリに組み込むOEM販売も行う予定だ。電子カルテにATOKを組み込む、といった用途などを想定しており、案件ごとに個別に対応していく。

PhotoPhoto 外部連携機能は、ATOK Pad for iPhoneから他のアプリやサービスを呼び出すだけでなく、外部のアプリからATOK Padを呼び出す機能も用意している。ITmediaアプリはいち早くATOKとの連携機能を実装する

 なお、2009年12月の段階では、ジャストシステムとしてもインプットメソッドとしてATOKをiOSに組み込む方法を模索していたという。しかし、iOS 4の発表後もアプリ以外の方法で提供するのは難しいことが分かり、まずはATOKが使えるメモアプリという形でリリースすることを決めた。ATOKがアプリでの提供になった点について福良社長は、「インプットメソッドとしてAppleさんに採用してもらう方法も、まだ完全にあきらめたわけではない。Appleの情報開示が進むことと、多くのユーザーの意見が広くAppleに届くことで、チャンスが開けることを期待している」と、iOS向けインプットメソッドの開発にも意欲を示した。

iPadには別途対応予定、Android版は11月からTrial版を無償提供

 なおATOK Pad for iPhoneは、今のところiPhoneとiPod touchのみの対応で、iPadでは動作しないという。iPad版は後日別途上位版として提供予定だ。上位版と位置づけるだけに、機能面でiPadに必要なものを追加する計画で、iPhoneと両方で使えるユニバーサルアプリにするかどうかは現在検討しているところだという。

 Android版は、ATOK Pad for iPhoneと同じ変換エンジンと同じ辞書を採用し、インプットメソッドとして販売する。製品版の発売時期は未定だが、まずは11月からTrial版を無償で配布する計画だ。

 Android版は、ATOK Pad for iPhoneで採用したリボルバータッチ(後述)と似た、フラワータッチという入力方式が利用できる。フラワータッチ入力は、リボルバータッチ入力よりもやや大きく文字が表示されるのが特長で、“iPhoneらしさ”が不要なぶん、入力のしやすさを最優先して設計したという。Android版はspモードアプリと組み合わせて利用することなどを想定してすでに開発が進んでいる。

PhotoPhoto Android版は、変換エンジンや辞書はiPhoneと共通だが、UIはAndroid向けに最適化する。右がフラワータッチ入力の参考画面

 そのほかのプラットフォームにも、2011年以降に順次対応していく。現在提供しているATOK Syncのような辞書の共有機能を拡充するほか、ATOK PadのメモをPCやMac、iPhone、そして他のプラットフォームで同期できるサービスも検討中だ。Windows向けのATOK Padは、すでに新バージョンにアップデートされている。

PhotoPhotoPhoto ATOK Pad for iPhoneは今後も継続的にアップデートを予定。iPad版は上位版として提供する。Mac版のATOK Padも2010年後半に配信し、ATOK Padのデータを複数のプラットフォームで共有する仕組みなども検討している
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