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» 2010年09月27日 22時44分 UPDATE

端末とサービスが“進化”する――シャープが「GALAPAGOS」に込めた意味 (1/2)

インパクトのある名称で発表されたシャープのクラウドメディアサービス「GALAPAGOS」。その第1弾となるのが電子書籍事業だが、GALAPAGOSは電子書籍にとどまらない情報サービスを目指す。同社がGALAPAGOSに込めた意味とは。

[園部修,ITmedia]

 シャープが9月27日、同社としては新たな事業分野となるクラウドメディア事業を開始すると発表。サービスおよび端末のブランド名を「GALAPAGOS(ガラパゴス)」とすることを明らかにした。

 GALAPAGOSは、ネットワークサービスとそれに最適化した端末を用意し、バージョンアップを通してさまざまな形の情報を利用者に届けることを目指す事業。第1弾となる電子ブックストアサービスを12月から開始予定で、それに合わせて10.8インチの液晶パネルを搭載したタブレット型端末「ホームタイプ」と、5.5インチの液晶を採用したタブレット型端末「モバイルタイプ」を発売する。

PhotoPhoto シャープが発表したクラウドメディアサービス「GALAPAGOS」。第1弾は電子書籍サービスで、対応端末も2モデル3機種を発売する

“進化の象徴”としてのGALAPAGOS

Photo シャープ オンリーワン商品・デザイン本部長の岡田圭子氏

 発表会の冒頭で新ブランド「GALAPAGOS」を発表したオンリーワン商品・デザイン本部長の岡田圭子氏は「シャープはオンリーワン商品ではなく、次々と進化していくオンリーワン体験の創出を目指す。それを実現するために、お客さまと直接つながるクラウドメディアサービスを立ち上げ、使用環境に合わせたシャープらしい端末を準備していく」とそのブランドに込めた思いを語った。

 「ガラパゴス」という言葉は、世界標準からかけ離れた独自の進化を遂げた日本の製品を揶揄する言葉として用いられることも多く、最近では日本固有の携帯電話を指して「ガラパゴスケータイ」などと呼ぶこともある。こうした悪いイメージが少なからずある言葉をあえて採用したのには深い理由がある。

 「世界のデファクトスタンダードとなった技術をベースに、日本ならではのきめ細やかな製品作りのノウハウと高いテクノロジーを融合して世界に通用する製品を創出する。ダーウィンは、生き残る種は、最も強いものでも最も知的なものでもなく、最も変化に適応できる種である、と言った。ガラパゴス諸島で進化論のヒントを得たともいわれている。だからシャープは、“進化する”ものの象徴としてGALAPAGOSをアピールしたい」(岡田氏)

PhotoPhoto ブランド名「GALAPAGOS」は、今までいわれてきた“ガラパゴス”とは異なる意味を持つ。シャープは進化の象徴として英字表記のGALAPAGOSを採用した

 GALAPAGOSブランドのサービスでは、3つの進化を目指していく。それは、

  1. 商品・サービスの進化
  2. ビジネスモデルの進化
  3. 環境適合力の進化

の3つだ。

 商品・サービスの進化とは、サービスと一体化し、購入後も次々と進化する商品を指すこと。シャープの製品としては初めて、販売後もソフトウェアのアップデートにより機能を追加したり、サービスを増やしたりしていくサービス・デバイスとすることで、継続的に顧客満足度を高めていく。

 ビジネスモデルの進化は、他社との提携によって実現する。自社に閉じた取り組みでは顧客のニーズの変化に対応していけないため、異業種とアライアンスを組んで、どんどん進化するユーザーのニーズに、スピードを上げて対応していく考えだ。

 そして環境適合力の進化とは、世界各国各地のライフスタイルにフィットする製品になること。日本市場の中でユーザーの要望を聞きながら進化してきたきめ細やかなユーザーインタフェースなどを生かして、世界のユーザーのライフスタイルにあった商品を開発していく。

PhotoPhoto GALAPAGOSのサービスは、3つの進化を目指す。サービスの第1弾は、電子ブックストアサービスと専用端末メディアタブレットを利用した電子書籍サービスだ

電子書籍サービスはGALAPAGOSの第1弾

Photo GALAPAGOSの電子書籍サービスを解説するシャープ システムソリューション事業推進本部 商品企画担当チーフの松本融氏

 このGALAPAGOSのサービスと端末の第1弾が、電子書籍を核としたメディアサービスだ。端末の愛称も「GALAPAGOS」で、独自の特徴機能として、自動定期配信サービスとコンシェルジュサービスを用意した。

 自動定期配信サービスは、新聞や雑誌の定期購読を可能にするサービスだ。データは端末内に保存されるので、地下鉄など無線の環境が悪い場所でも快適に閲覧できるようになるという。また説明では、朝起きたら新聞の朝刊が手元に届いているようなイメージだと話していたので、現状ではWi-Fi通信機能を持った端末のみが発表されているが、快適なサービス利用イメージを考えると、3G通信に対応したモデルが用意されている可能性もありそうだ。

 電子書籍のコンシェルジュ機能は、GALAPAGOSを従来の自分で買ったものだけを読む電子書籍端末とは一線を画したサービスにすることを狙った機能だ。電源を入れた際に表示される画面に用意された本棚に、お気に入りの本が入る本棚や、定期購読の新聞や雑誌が入る棚とともに、新しい書籍との出会いを演出するコンシェルジュ機能を用意する。

 コンシェルジュ機能では、書店スタッフが書いた手書きのポップで新しい本と出会えるように、サービス側からのお勧めをユーザーに届ける。おすすめの書籍や雑誌のデータは購入履歴などを元にし、おすすめの書籍はサンプル版を端末に届ける仕組みだ。届いたデータは一部を立ち読みするような感覚で閲覧でき、気に入ったらその場で購入もできる。

PhotoPhoto シャープがGALAPAGOSで展開する電子書籍サービスには、自動定期配信サービスとコンシェルジュという2つの特長サービスがある
PhotoPhotoPhotoPhoto GALAPAGOSの電子書籍サービスでは、新聞や雑誌のような定期配信コンテンツが読みたいときに手元に届いているという大きな特徴を用意する
PhotoPhotoPhotoPhoto スタート時には約3万冊を用意する予定だが、具体的な出版社やタイトルは開始時期に別途案内する予定。今回は配信予定の一部のタイトルのみ例示された
PhotoPhoto 新聞や雑誌だけでなく、書籍も豊富に用意する。人気のタイトルなども発売後なるべく早いタイミングで提供できるようにしたいという
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