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» 2010年10月21日 08時30分 UPDATE

モバイルWi-Fiルーター徹底比較:第1回 サイズ、スタミナ、通信速度の違いは?――基本性能を横並び比較 (1/2)

スマートフォンの普及で注目を集めているモバイルWi-Fiルータ。本コーナーでは、ドコモの「BF-01B」、日本通信の「BM-MF30」、イー・モバイルの「Pocket WiFi」、UQ WiMAXの「URoad-7000」の4機種をレビューする。第1回は基本スペックを比べた。

[小林誠(ゴーズ),ITmedia]

 スマートフォンやiPadが普及したことで、モバイルWi-Fiルーターが注目を集めている。これらのWi-Fiルーターは、通信可能なエリアが違うだけでなく、通信速度やバッテリーの駆動時間、同時接続台数、さらには海外ローミングへの対応、使い勝手など、比較してみると違いが多いことが分かる。

 とはいえ、何台も購入するわけにもいかないし、最善の1台を選ぶのに迷っている人は多いだろう。そこで代表的な4台のモバイルWi-Fiルーターを用意してテーマごとに比較していくので、購入の参考になれば幸いだ。第1回は基本的なスペックを調べた。

基本スペックを比較

 今回用意した製品は、以下の4台。

  • BF-01B」/NTTドコモ
  • BM-MF30」(SIMは BM-U300-1MSを使用)/日本通信(b-mobile)
  • Pocket WiFi(D25HW)」/イー・モバイル
  • URoad-7000」/UQ WiMAX

 これら4台の基本スペックを以下の表にまとめたので、参考にしてほしい。

基本スペック
BF-01B/NTTドコモ BM-MF30/日本通信 Pocket WiFi/イー・モバイル URoad-7000/UQ WiMAX
メーカー バッファロー ZTE Huawei シンセイコーポレーション
サイズ(幅×高さ×厚さ) 約64.4×95×17.4ミリ 約54×99×14ミリ 約48.6×95.5×14.1ミリ 約62×104×14.8ミリ
重さ 約105グラム 約75グラム 約80グラム 約117グラム
連続待受時間 約30時間 非公表 約100時間 約5時間
連続通信時間 約6時間 約4時間 約4時間 約3.5時間
充電時間 4時間 約3時間 約4時間(ACアダプタ)、約6時間(USB) 約3時間(ACアダプタ)
バッテリー容量 1880mAh 1500mAh 1500mAh 2300mAh
最大通信速度:下り 7.2Mbps 7.2Mbps 7.2Mbps 40Mbps
最大通信速度:上り 5.7Mbps 5.8Mbps 5.8Mbps 10Mbps
公衆無線LAN
最大同時接続台数 6台 5台 5台 10台
海外ローミング ○(別途SIMが必要) ○(申し込みが必要)
IEEE802.11 b/g(端末)、a/b/g(ネットワーク) b/g b/g n/g/b
インターフェース microSDHC(最大32Gバイト)、miniUSB(1.1/2.0) miniUSB-B(2.0) miniUSB(1.1、2.0)、microSDHC(最大16Gバイト) miniUSB
コグニティブ無線

photo iPhone 4と4台のルーターを比較。左上から「iPhone 4」「BM-MF30」「Pocket WiFi」「URoad-7000」「BF-01B」。どれも小さくポケットに入れる分には問題ない。ただしドコモのBF-01Bは少々厚さが気になる

 特にほかの製品よりも有利な部分は太字にしている。右の写真からも分かるとおり、BM-MF30とPocket WiFiが、ほかの2製品よりひと回り小さい印象だ。両機種のスペックは似ているが、BM-MF30はb-mobileのBM-U300-1MSを使った際の通信速度は300Kbps超と比較的遅いので、その点は考慮に入れておきたい。逆にSIMカードを入れ替えて海外でも利用できるのはメリットだ。

 そしてもう1つ重要なのがスタミナ。ここでは通信時間もさることながら、使っていないときのバッテリーの持ちも重要だ。連続待受時間はBM-MF30とURoad-7000は不明だが、BM-MF30は通信していない場合は、約5時間半程度でランプがバッテリー残量が20%以下を示す「赤」となっていた。一方のURoad-7000は電源を入れている間はバッテリーランプは赤になっていたが、4時間半ほど起動しており、5時間経つと完全にバッテリーが切れていた。

 通信時間以上はもつものの、スマートフォンやPCなどとの接続の有無に関係なく、バッテリーはそれなりに消費することが分かる。使わないときはこまめに電源をオフにしたい。

 BF-01BとPocket WiFiは、電源をオフにしなくても、通信をしなければスペック上は丸1日以上持つ。いちいちルーターを操作しなくても電源入れっぱなしで使えるのは手間が少なくていいだろう。

 それでは、各ルーターの特徴をチェックしていこう。

3GとWi-Fiの自動切り替えが可能――「BF-01B」

photo バッファロー製のBF-01B

 ドコモのBF-01Bは連続通信時間が約6時間あるため、1日充電切れを心配せずに仕事で使えると考えてよい。弱点は端末のサイズが少々大きく、ほかの機器と比べると、特に厚さが目立つこと。ポケットに入れることはできるが、ほかのケータイやスマートフォンと一緒に入れるのは少々無理がある。

 一方、公衆無線LANと接続できる点は大きいメリットだ。ルーターを使わずに直接スマートフォンやPCで接続すればいいと思うかもしれないが、ルーターを使っている途中で接続を切り替えるのは面倒だし、公衆無線LANのエリアと気付くとも限らない。BF-01Bはコグニティブ無線に対応しているため、例えば3Gと公衆無線LANのエリアが重なっているときに、スムーズに通信できるネットワークを自動で選択する。 

 ドコモのFOMAエリアは広く、基地局が充実していることには定評がある。今回も通信速度が遅いと思うことはなく快適に使えた。

SIMフリーの利点を生かした使い方も――「BM-MF30」

photo ZTE製のBM-MF30

 SIMロックフリーのルーターであるBM-MF30は単体でも購入できるが、b-mobileのSIMと一緒に購入するのが一般的だろう。今回試したSIMは、1カ月間使えるBM-U300-1MS。ほかに6カ月と12カ月版もあり、利用期間が長い方が割安になる。これは料金についての回でまた詳しく述べる。

 BM-MF30は初心者が初めてルーターを購入するにはハードルが高いように感じるかもしれないが、SIMの回線開通手続きはケータイから専用電話番号にかけて1分ほど。後はSIMをBM-MF30に装着するだけなので、初めての利用でも大きな問題はないだろう。

 通信エリアはドコモのFOMAエリアを利用するので広いが、問題は通信速度が300Kbps超であること。ルーター自体はハイスピードで通信ができる仕様だが、SIMに制限がかけられている。ストリーミング動画を再生したり、画像の多いWebページを閲覧したりすると、再生や表示に時間がかかってしまう。テキストのメールを送受信する程度なら問題ない。

 そのため、ルーターと接続する機器も重要になる。スマートフォンと組み合わせて使うなら問題ないが、iPadやPCで容量の大きいデータをやり取りする、といった使い方は厳しいだろう。

 BM-MF30はSIMロックフリーなので、ドコモのSIMを使ってAPNの設定などを変更してパケット定額の範囲内で通信したり、現地で契約したSIMを海外で使ったりといったことも可能だ。

 「最初の1カ月使ってみたが、実はあまり利用しない」というときは、SIMロックフリーの利点を生かし、BM-MF30を中古で売るという手もある。端末単体では1万9800円だが、ネットオークションでは1万5000円前後で売買されているので、手放してもある程度元は取れるだろう。

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