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» 2010年11月16日 09時00分 UPDATE

モバイルWi-Fiルーター徹底比較:第2回 最速のモデルはどれ?――速度テストとYouTube再生で比較

モバイルWi-Fiルーターを使う上で気になるのが通信速度。地域や時間帯によって大きく異なることがあるので、今回は3つの地域で速度テストを実施。さらに、Netbook、iPad、Xperiaを用意してYouTubeで1分の動画をスムーズに再生できるかをチェックをした。

[小林誠(ゴーズ),ITmedia]
photophotophotophoto 左からNTTドコモの「BF-01B」、日本通信の「BM-MF30」、イー・モバイルの「Pocket WiFi」、UQ WiMAXの「URoad-7000」

テスト環境は3カ所

 今回使用した速度テストのサイトは「Radish Network Speed Testing」(外部リンク)。設定は以下の通り。

  • 測定サーバ……東京
  • 利用回線(ドコモ)……無線、DoCoMo FOMA 定額データプラン HIGH-SPEED 3.6Mbps
  • 利用回線(日本通信)……無線、日本通信bモバイル
  • 利用回線(イー・モバイル)……無線、EMOBILE 下り7.2Mbps、上り5.8Mbps
  • 利用回線(UQ WiMAX)……無線、UQ WiMAX

 測定は以下の3つの場所と、時間帯で実施した。

  1. 東京都世田谷区奥沢(〒158-0083)で15〜17時
  2. 神奈川県横浜市西区平沼(〒220-0023)で8時30分〜10時30分
  3. 東京都千代田区有楽町(〒100-0061)で17〜18時

 各場所の周辺環境は、1が「ビル2階、通りに面している」、2は「マンション10階、周囲にもマンション多い」、3は「マクドナルド、ビル1階の奥まった場所」だ。

photo 普段使っているNetbook、iPad、Xperiaを使ってテスト。特別にアプリやソフトを削除したりして軽くする、といったことせず、Wi-Fiの接続先だけを変更して使ってみた
photophoto Netbookを使って「Radish Network Speed Testing」に接続。測定場所が変わったら郵便番号の変更も必要になる(写真=左)。測定自体はそれほど時間がかからない。今回テストではいまひとつの結果だった日本通信のBM-MF30を使ったときも、測定自体はスムーズだった(写真=右)

WiMAXが最速を記録、YouTube再生は?

 テスト結果は下の表の通り。都内と横浜で実施したこともあり、「URoad-7000」の測定値がこの中では高く、最速の「下り8.563Mbps」「上り2.622Mbps」を出した。下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsというだけはある。ドコモの「BF-01B」も健闘しており、6回のテスト中3回は1Mbps強の速度が出た。一方、日本通信の「BM-MF30」は300Kbps超えも難しく、100Kbps台が4回となった。通信ができる「つながる」エリアについては問題ないが、大容量の通信をしたときに不安定な速度だった。

下りの速度
世田谷区 横浜市 千代田区
BF-01B(ドコモ) 1.561Mbps 912.6kbps 1.814Mbps
BM-MF30(日本通信) 175.1kbps 154.9kbps 274.0kbps
Pocket WiFi(イー・モバイル) 306.9kbps 1.421Mbps 816.9kbps
URoad-7000(UQ WiMAX) 8.563Mbps 1.773Mbps 8.238Mbps
※太字は各地域で出た最速の数値

上りの速度
世田谷区 横浜市 千代田区
BF-01B(ドコモ) 365.3kbps 365.2kbps 1.907Mbps
BM-MF30(日本通信) 305.9kbps 183.1kbps 105.7kbps
Pocket WiFi(イー・モバイル) 432.4kbps 906.0kbps 934.0kbps
URoad-7000(UQ WiMAX) 2.622Mbps 466.1kbps 2.05Mbps
※太字は各地域で出た最速の数値

photophotophoto こちらは1分の動画(正確には1分1秒)をNetbookのYouTubeで再生している画面(写真=左)。同じくXperiaで再生中の画面(写真=中)。これはiPadで再生(写真=右)。いずれも全画面で表示した

 以下の表にYouTube動画の再生結果をまとめた。「×」は再生できないか、再生がいくら待っても始まらないことを示している。測定した通信速度はYouTubeの再生結果にも直結しており、BM-MF30では再生できないことが何度かあった。PCでは再生できたが、(端末側の問題もあるのだろうが)Xperiaでは再生できなかった。iPadの再生も途切れることが多く、1分の動画を見終わるのに3分以上かかってしまった。ほかのルーターでは問題なく再生できた。

YouTubeの再生結果
世田谷区 横浜市 千代田区
BF-01B PC
BF-01B iPad
BF-01B Xperia
BM-MF30 PC
BM-MF30 iPad × △3分31秒 △再生中断
BM-MF30 Xperia × × ×
Pocket WiFi PC
Pocket WiFi iPad
Pocket WiFi Xperia
URoad-7000 PC
URoad-7000 iPad
URoad-7000 Xperia

 それでは、テスト中の各ルーターについて印象を述べていきたい。

常に安定した使い心地――「BF-01B」

 上りの通信速度については場所も影響しそうだが、Web閲覧なら画像がたくさんある重いサイトでも快適に見られた。Radish Network Speed Testingでは測定結果が出た後に測定品質を見られるが、品質が悪い場合もあったので実際の上りの通信速度も良かった可能性はある。WiMAXと違い、つながるエリアが広いのも魅力だ。ただ、YouTubeで動画を見る場合、1回目はあまりスムーズではなく、2回目以降から快適に見られた。これはWiMAXも同様だった。

photophoto 世田谷区で測定したドコモのBF-01Bの数値。測定品質がいまひとつ(写真=左)。測定状況を見ると、上りが安定していなかった(写真=右)

メールや文字情報のチェックに留めたい――「BM-MF30」

 今回はMVNOでFOMAエリアが使えるSIMカード「BM-U300」を使っている。BM-U300の通信速度は最大300Kbps超なので、表を見れば十分速度は出ていることが分かるが、他社のルーターと比べると、やはり差が出ている。BM-U300との組み合わせではメールチェックが中心といった人にお勧め。Web閲覧もできるが、画像が多いとすべて表示できないことがある(文字情報さえ読めればいいというなら問題はない)。

 YouTubeの視聴では、最初の読み込みに時間がかかり、例えば再生ボタンを押してから実際に再生が始まるまで30秒近くかかることがあった。再生自体ができないこともあり、Xperiaでは「再生できない」という表示が出たので諦めている。また利用者が多いためか、「Radish Network Speed Testing」のテストの際「現在○人待ち」の表示が2回ほど出た。

photophoto Xperiaでは再生できなかった(写真=左)。読み込み中にXperiaが固まってしまうことも(写真=右)
photophotophoto 千代田区での測定値。このときも上りの測定は安定していなかったようだ(写真=左)。測定するまで待たされることも多かった(写真=中)。このように再生は始まっているものの、その後長く固まってしまった場合は「中断」とした(写真=右)

YouTubeもスムーズに再生――「Pocket WiFi」

 「Pocket WiFi」については「一時期ほどつながらない」という話をよく聞くが、YouTubeの再生自体は比較的スムーズだった。iPadとの組み合わせで途切れることや、最初の再生で5分以上かかったときもあるが、一度再生できれば次からは問題ない。測定数値を見るとドコモより速いときもあり、健闘している。ただしアンテナの表示を見ていると1本、2本になっていることもあるので、エリアはドコモほど万全ではなさそうだ。

photo Pocket WiFiの最高値は横浜市で計測。横浜駅から徒歩圏内の場所なので利用者も多いと思われたが、混雑の気配はなし。午前中に計測したのがよかったのかもしれない

速度は問題なし、エリアは?――「URoad-7000」

 YouTubeの再生時にストレスを感じることはほとんどなかったが、最初からスムーズではなく、多少途切れたりすることもあった。だがそれも2回目以降なら問題なし。つながっていれば最も快適にブラウジングできるといえる。気になったのはアンテナのランプだ。バリ3状態では「グリーン」だが、ほかのルーターよりも点灯ランプがオレンジの状態が多かった。もちろんそれでもつながってはいるし、上記の表の結果が出ているので実用上は問題ないだろうが、都市部から離れるとつながりにくい場所、つながらない場所が出てくる可能性は高そうだ。

photo 世田谷区での計測では今回最高の数値。WiMAXは常にほかのルーターよりも頭1つ抜けた速度を出していた。

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