コラム
» 2010年12月02日 12時15分 UPDATE

なぜW-SIM対応機は対象外?:ウィルコム「だれとでも定額」「新ウィルコム定額プランS」で変わること

ケータイや固定電話との通話料が無料になるウィルコムの新サービス「だれとでも定額」が12月3日から提供される。同サービスはどこまでお得でどんな注意点があるのか。加入制限のなくなった「新ウィルコム定額プランS」も含めて、詳細をまとめてみた。

[坪山博貴,ITmedia]

 ソフトバンクグループの4社目の通信事業社となり会社更生計画の認可も経た新生ウィルコム。これまで一部地域と別組織であるウィルコム沖縄で試験サービスしていた「だれとでも定額」を、12月3日から全国で利用できる割引サービスの1つとして正式に開始する。980円の月額料金で10分以内の他社への通話を500回/月まで無料とするオプションサービスで、1通話につき10分という制限を除けば、事実上どのキャリアの電話へもかけ放題に近いサービスになる。

photophoto 12月3日から提供される「だれとでも定額」

組み合わせ可能な料金プランは?

 一方、組み合わせが可能な料金プラン、オプションサービスなどは制限される。料金プランとして選択できるのは「新ウィルコム定額プラン」「新ウィルコム定額プランS」のみで、「新通話パック」とだれとでも定額は併用できない。ウィルコム定額プランを利用中の場合には新ウィルコム定額プランに移行すれば通話料金体系は変わらない。繰り越しが可能な「通話パック」は利用できなくなるが、だれとでも定額でカバーできる。

 ただしデータ通信のパケット単価は上がるので、ウィルコム定額プランの安価なパケット単価を活用(パケット定額の契約なしに限定した利用など)していた場合にはパケット通信料金が大幅に高くなる点に注意がいる。例えば「ウィルコム定額」でパケット通信料金が1000円/月程度の場合、「新ウィルコム定額」「新・ウィルコム定額S」では2800円/月の上限に達することになる。

 HYBRID W-ZERO3専用の「新ウィルコム定額プランG(GS含む)」とだれとでも定額も併用できないので、HYBRID W-ZERO3ユーザーは新ウィルコム定額プランG(GS)の解除料5775円/月の発生しない新ウィルコム定額プランSに料金プランを切り替えるのが現実的だ。しかしこの場合、PHSのパケット通信無料は適用されなくなるので、だれとでも定額とPHSパケット通信無料のどちらを選択するかということになる。ウィルコムEメール以外は3Gパケットを利用している人の場合は、新ウィルコム定額プランSに変更しても料金面への影響は少ないだろう。

photo 4つの音声定額対応料金プランの違い、「だれとでも定額」対応の2つのプランはパケット通信料金の上限が2800円/月とリーズナブルな代わりに、パケット単価が高い。いずれのプランも一長一短を持つ

※初出時にプラン名の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。(12/2 17:56)

「新ウィルコム定額プランG(GS含む)」契約時の条件が変更されました(12/3 17:35追記)

 HYBRID W-ZERO3専用の「新ウィルコム定額プランG(GS含む)」もだれとでも定額は適用外だが、W-SIM端末と同様、2010年11月末日までに契約している場合には2011年2月28日まではだれとでも定額の申し込みが可能。該当する場合には2380円/月(端末代金別)でPHSのパケット通信無料とだれとでも定額が利用できることになる。

 なお、2010年12月1日以降に契約したHYBRID W-ZERO3は、例外なくだれとでも契約は利用できない。新ウィルコム定額プランG(GS含む)から(だれとでも定額の対象である)「新ウィルコム定額プランS」には解除料なしで変更できるが、今度はW-SIM端末の条件が適用されてしまうからだ。

 W-SIM端末のだれとでも定額の申し込みはサービスセンター(ウィルコムカウンター、ウィルコムプラザ)での手続きが必要になる。これ以外にもサービスセンターでのみ受け付けとなるケースがあるので注意したい。


W-SIM機器がだれとでも定額を利用できない理由は?

 原則としてW-SIM機器ではだれとでも定額を利用できない点は注意が必要だ。発表会では技術的な問題としていたが、データ通信端末の「NS001U」や「WS008HA」などがW-VALUE SELECTでの毎月の割引額が大きな形で販売されていることも無関係ではなさそうだ。

 まずウィルコムの場合、W-SIMに音声通話向け、データ通信向けという区別はなく、料金プランも相互に変更ができる。新つなぎ放題ではW-VALUE SELECTで端末を購入した場合、料金プラン変更の解除料金も不要なので、W-SIM対応の音声端末を用意すれば、かなりリーズナブルにだれとでも定額を利用できてしまう。

 現在のウィルコムストアでの販売価格でNS001Uを新つなぎ放題、W-VALUE SELECTで新規契約して新ウィルコム定額プランS+だれとでも定額に契約変更したとする。新つなぎ放題で新規契約したNS001Uの利用料金からの割引額は3700円/月。NS001Uの端末代は、W-VALUE SELECTの分割払いが800円/月なので、残りの2900円を利用料金に充当できる。したがって新ウィルコム定額プランS+だれとでも定額の2430円/月を24カ月間丸々割り引けることになってしまう。さすがにこれは……ということになるだろう。

 なお、2010年11月末以前に契約されたW-SIM機器に関しては例外的に2011年2月末までだれとでも定額の契約が可能になっており、W-ZERO3シリーズのユーザーなどは早めの決断が必要となる。

ウィルコム以外の転送は無料にはならない

 通話料金についても注意点は多い。国内通話は月あたり500回、1回あたり10分まで通話料金は無料で、10分以内で1度切断すれば同じ通話先でも回数制限内で無料通話は可能だ。ただし転送サービスで着信をウィルコム以外に転送する場合には無料通話にはならず、料金プラン通りの通話料金が発生する。つまりケータイと2台持ちでウィルコムが圏外の場合には着信をケータイに転送、という使い方では転送料金まで無料になるわけではない。この点はウィルコム間の無料通話やケータイ各社の家族間無料通話などとは異なる。

 また利用頻度の高そうな部分では、留守番電話サービスの録音・再生料金にも通話料金が発生する。行動範囲にウィルコムの圏外エリアが多く留守番電話サービスを頻繁に利用するという場合には、相応の再生料金(1回あたり10.5円+10.5円/30秒)が必要となる。

 細かいところでは、発信が500回/月を超えた有料となる通話のうち、10分以内は新ウィルコム定額プランでも新ウィルコム定額プランSと同じ21円/30秒となり、どちらの料金プランもW-VALUE SELECTの割引対象には含まれない。500回以上の発信に関してはほとんどの人が気にする必要はないとは思うが、500回以上の発信を前提のヘビーユースを見越して通話料金の安い新ウィルコム定額プランを選択しても、10分以内の有料通話では意味がない点は注意したい。

12月2日までに機種変更するとお得?

 だれとでも定額のサービス開始は12月3日。加入条件がなくなった新ウィルコム定額プランSには12月1日から適用できる。筆者がこの2つのサービス開始の発表を受け、真っ先に感じたことは、W-VALUE SELECTでの少々強引ともいえる割引条件を、ウィルコムが適正化してくるだろうということだ。今までウィルコムは2900円/月の新ウィルコム定額プランがケータイ各社のローコールプランと実質の月額利用料金で対抗できるよう、特に新規契約ではW-VALUE SELECTでの毎月の割引額が端末代金を超えるほど大きくして販売することも定常化していた。

 新ウィルコム定額プランSの加入条件が特別でなくなったことで、端末代金を超えるような毎月の割引額を設定する必要はないだろうし、だれとでも定額でサービス面での競争力も高くなる。つまり12月1日付けて端末価格やW-VALUE SELECTの割引条件が変更されていてもおかしくない。

 筆者はちょうど2011年1月に新規契約から2年目を迎えるウィルコム回線を所持していたので、解約するか機種変更するか迷っていた。この回線は2900円/月のウィルコム定額プランが、端末代込みで980円/月で利用できるW-VALUE SELECTでの割引が大きいパターン。11月までは新ウィルコム定額プランSへの加入条件を満たしていないが、12月1日からは新ウィルコム定額プランSへ加入できる。このタイミングならだれとでも定額の予約もできそうなので、機種変更をすることにし、販売店に出向いて窓口で確認してみた。

 端末価格やW-VALUE SELECTでの割引条件は11月までと同じで、12月1日から頭金相殺の条件が11月までの「新通話パック」+「安心サポート」から「だれとでも定額」+「安心サポート」の加入に変更されたとのことだった。実はこの点はウィルコムストアも12月1日から同様になっている。

 W-VALUE SELECTの割引は24カ月フルに利用した方が得であることには間違いない。その点も含めて窓口で相談してみると、12月3日からは端末価格とW-VALUE SELECTでの割引条件が変更され、すでに販売店にも情報が届いているという。そこで具体的な機種名を挙げて相談してみると、「その端末なら12月1日か2日に機種変更した方がお得ですよ」と教えてもらった。そこで現時点では機種変更の方がW-VALUE SELECTの割引条件が優遇されている「Premium Bar」に機種変更した。

 12月3日以降の端末価格やW-VALUE SELECTでの割引条件がどうなるかは筆者も完全な情報を得ていない。そこで知人である販売店関係者に尋ねてみると、「詳細は教えられないが端末の価格自体は値上げはほとんどなく、W-VALUE SELECTでの販売条件に関しては、だれとでも定額のサービス開始と同時に発売となる『HONEY BEE 4』を参考にするといい」とのことだった。

 HONEY BEE 4のウィルコムストアでの販売条件を確認すると、特徴的なのは新規加入、機種変更(現端末を6カ月以上の利用)ともに端末価格、月々の割引額は同額となっており、加入する定額プランによる割引額の違いもなくなっている。ほかの端末の販売条件と何が違うのかざっくりいうと、料金プランは新ウィルコム定額プランSを前提として、新規加入の優遇を止めた形となっている。

photo 12月2日時点での非W-SIM端末の販売条

※初出時に「HONEY BEE 4」の「新ウィルコム定額プランS」契約時の最低料金を3200円と記載していましたが、正しくは1750円です。お詫びして訂正いたします。(12/2 22:27)

 「HONEY BEE 4」を除くと端末ごとに販売条件が異なり、新規契約より機種変更の方がお得な端末もある。12月3日以降はもっとシンプルになることが予想されるが、12月2日時点で例外的にお得な販売条件がなくなる可能性も高い。

 だれとでも定額に加入できないW-SIM端末や旧機種のディスカウント販売は別だろうが、12月3日以降はほかの端末も、HONEY BEE 4と同様の販売条件になる可能性が高そうだ。どの端末なら得なのかは筆者も現状では判断できないが、「この販売条件は得なはず」と思う端末に覚えがあるなら12月2日に契約した方がいいかもしれない。12月2日午前5時の段階でもウィルコムストアの販売条件は変わっていない。少なくとも現時点では機種変更で実質端末代金が0円のPremiumBarについては、12月2日に機種変更した方がお得だと思う。

photo 12月1日付で機種変更で入手した「Premium Bar」のゴールド。おサイフケータイにもデコメ(デコラティブメール)にも対応し、一昔前のウィルコム端末と異なりイヤフォンマイク端子もちゃんと備える。実質0円で機種変更できるのは、もしかしたら12月2日だけかもしれない

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