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» 2010年12月22日 21時07分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2010年の“注目ケータイ&トピック”(ライターmemn0ck編):「iPhoneじゃなくてもいい」と思わせたAndroidの躍進、生活を変えた「b-mobileSIM」

今年は日本での携帯電話市場の風向きが大きく変わった1年だと言えるだろう。最も大きいのは各通信事業者がスマートフォンへの移行をねらって新機種を投入してきたことだ。タブレットやモバイルWi-Fiルーターなどの非音声機種も登場した。そんな1年を振り返り、筆者が気に入った機種を紹介していこう。

[memn0ck,ITmedia]

「Nexus One」で幕を開けた2010年のAndroid

 まず一番に挙げておきたいのは、やはりAndroidの躍進だろう。国内でも、4月に「Xperia(SO-01B)」「HTC Desire X06HT」、7月に「IS01」「LYNX SH-10B」、9月に「HTC Desire X06HTII」、10月に「HTC Desire HD 001HT」「GALAXY S(SC-02B)」、11月に「IS03」「GALAXY Tab(SC-01C)」、12月に「LYNX SH-03C」「GALAPAGOS 003SH」「REGZA Phone T-01C」「HTC Aria(E31HT)」「DELL Streak 001DL」などが発売されている。「SIRIUSα IS06」(12月23日発売)と「Libero 003Z」(12月24日発売)を加えると、2010年は計16機種ものAndroid端末が日本で投入されたことになる。

 そんな中で最も注目したのは、年明け早々に発表、発売されたGoogleブランドの「Nexus One」だ。発売時から当時の最新プラットフォーム「Android 2.1(Eclair)」を搭載し、直後に「Android 2.2(Froyo)」へバージョンアップされた。国内の年末モデルもこれらの2.1もしくは2.2を採用していることもあり、2010年のAndroidの礎となったモデルといっても過言ではないだろう。

 一方、ソフトバンクモバイルは7月に「iPhone 4」を発売したが、1世代前の「iPhone 3GS」の完成度が高かっただけに、インパクトに欠けた印象を受けた。ホワイト狙いだった筆者はいまだにiPhone 4は購入していないこともあり、個人的には2010年のiPhoneの印象は薄かった。

 このiPhoneの代わりとして十分に使えるなと思わせたのが、Nexus Oneだ。国内モデルの中では、X06HTと言い換えてもいいだろう。まだiPhoneと比べてユーザーインタフェースが洗練されていない部分もあるが、機能的には十分に追いつき、個人的には一部追い越した感もある。Android 2.3 (Gingerbread)も発表され、来年もますますAndroidから目が離せない年になりそうだ。

photo 2010年1月に発売されたGoogleブランドのAndroidスマートフォン「Nexus One」(中央)と、今年発売されたAndroidスマートフォンやAndroidタブレットたち。個人的に端に写っている「HTC Desire Z」を勝手に「Nexus Two」だと思い込んでいる(笑)。Nexus Oneは、部品供給の問題で販売停止になりつつも、Googleブランド第2弾「Nexus S」も海外で発売された

これならいけると確信できた「F-01C」と「jigtwi」の組み合わせ

 スマートフォンが盛り上がる中で、“ガラケー”もとい“フィーチャーフォン”も魅力的な機種が多かった。中でも、ここ数年ずっと愛用している富士通製モデルは完成度がさらに高くなっている。

 最新モデルということで「F-01C」を挙げたが、筆者は「F-06B」を利用している。F-06Bは、MOAP(S)の共通プラットフォーム「FOMA端末用オペレータパック」第1弾モデルということで、いまひとつな部分もあったが、F-01Cではそういった部分がかなり解消され、使いやすくなっている。ただ、今年は機種そのものよりも、ドコモマーケット(iアプリ版)やiアプリなどにより、「ケータイでもここまでできる」と示してくれた「jigtwi」との組み合わせを選びたい。

 iPhoneの登場以来、スマートフォンの勢いが増しているが、国内のフィーチャーフォンの機能やサービスは、スマートフォンよりも優れている部分も多い。筆者は、これまでにもインタフェースの見せ方さえうまくまとめれば、スマートフォンよりも日本人にとって使いやすいデバイスになると思っているが、その1つが「jigtwi」で具現化されたといえる。

photophoto 富士通製「F-06B」(左)と「F-01C」(右)。ともにiアプリ用Twitterアプリ「jigtwi」を利用しているところ。jigtwiは、ソフトバンク版も公開され、iアプリ版はドコモマーケットで有料版も配信されている。スマートフォンユーザーに見せると驚かれるくらい、スムーズに動作する

ウィルコム復活なるか? 「HONEY BEE 4」と「だれとでも定額」の可能性

 今年の大きなトピックの1つは「ウィルコム倒産」も挙げられる。再建への道のりは省くとして、ようやく年末に再建方針が認められ、再出発のかじが切られた。その切り札が「だれとでも定額」と「HONEY BEE 4」だったわけだ。HONEY BEEシリーズは初代から注目している機種で、シリーズを重ねるごとに洗練され、開発リソースが苦しい中、さまざまな工夫が見られる。

 今回もアウトカメラだけでなくインカメラでもムービー撮影ができるようになっているなど、面白い試みがなされている。一瞬「あれ? ウィルコムの070定額や誰とでも定額でテレビ電話もできちゃうの?」と思ったが、それはなかったようだ……。

photophoto HONEY BEE 4は、他社ケータイと比較するとかなり性能が低いが、それでもおサイフケータイや外部メモリを搭載していない以外は、高い性能を誇る。透明感のあるフルーツをイメージしたデザインとカラーリングが所有欲をくすぐる。ソフトバンクグループとなったウィルコムの今後に期待したい(写真=左)。他にも、魅力的な機種が多く発表された1年だったように思う。ウィルコム向けには、エイビットが展示していた「リストフォン」をはじめ、参考展示製品、さらにau向けに発売された「X-RAY」、NTTドコモ向が発売した“セパレートケータイ”「F-04B」など、心を揺さぶられた機種が多かった(写真=右)

ライフスタイルを変えた日本通信「b-mobileSIM」

photo 日本通信「b-mobileSIM」のパッケージ。上下300Kbpsと低速な代わりに、月額利用料が約2000円強というリーズナブルな価格で利用できる。SIMロックフリー端末またはNTTドコモの機種で利用できる

 筆者が生活をする上で最も影響を受けたサービスは、日本通信「b-mobileSIM」だ。筆者は長らく日本通信のサービスを利用してきたが、同社がずっと提唱してきた“通信電池”が一般にも浸透した製品だったのではないだろうか。

 もちろん、iPhoneを広く安定したNTTドコモのネットワークで利用できる「b-microSIM プラチナサービス」も大きなトピックだったが、個人的にはその前に発売された、格安データ通信プリペイドサービスのb-mobileSIMの方が、生活意識を変えてくれるほどインパクトが大きかった。ちょうど今年は、SIMロック解除の議論も多数なされ、日本通信が大きくクローズアップされた形となった。


 このように、今年は携帯電話市場で非常に大きなターニングポイントがいくつもあった。フィーチャーフォンからスマートフォンへの流れ、スマートフォンへ対抗しようとするフィーチャーフォンの流れ、新生ウィルコムのリスタート、SIMロック解除論争……。

 ソフトバンクの孫社長がご執心な「竜馬伝」の坂本竜馬の言葉「人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある」を借りると、「デバイスの世に道は一つということはない。道は百も千も万もある」と言える。単一のプラットフォームや機種だけではつまらないので、2011年もさまざまな機種が発売されることを期待しているぜよ。

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