東芝の液晶テレビブランド「REGZA」の名前を冠しているだけあり、映像機能が充実しているのも特徴の1つだ。
ワンセグは320×240または320×180ピクセル/毎秒15フレームで、2006年に開始された当時の携帯電話で表示できるものと同じ仕様だ。T-01Cのディスプレイは480×854ピクセルあるので、そのまま表示すると粗い映像になってしまう。そこで、「モバイルレグザエンジン3.0」を使い、解像度とフレーム数を、16:9映像の場合は854×480ピクセル/毎秒30フレーム、4:3映像の場合は640×480ピクセル/毎秒30フレームに向上させている。
このモバイルレグザエンジンは、液晶テレビREGZAに使われている高解像度技術「レグザエンジン」のノウハウが生かされている。デジタル放送は毎秒60フレームの画像で放送されているが、前後のフレームから動きを予測して、その間のフレームを生成している。これで毎秒120フレームや240フレームまで向上させてちらつきをなくしている。また、DVDや地上デジタル放送など低い解像度の映像を、液晶テレビの1920×1080ピクセルまでアップコンバートしている。このノウハウが盛り込まれているのだ。
実際に映像を見ると、粗さがあまり気にならず、T-01Cの画面解像度を生かした映像となっていると感じた。ワンセグは録画も可能。さらに、YouTubeを高画質に再生することもできる。DLNA対応機器との間で、無線LAN経由で写真や動画が転送できる「DiXiMサーバー」「DiXiM Player」機能も持っている。
パナソニック モバイルコミュニケーションズやソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ、カシオ計算機などからは、デジタルカメラのブランド名を冠した携帯電話が登場している。東芝は、シャープ同様、デジタルカメラを発売しておらず、実質的に携帯電話がデジタルカメラとなっているが、T-01Cは他メーカーのコンパクトデジタルカメラに迫る性能を発揮している。約1220万画素という高い解像度を持つだけでなく、顔検出フォーカス、自動追跡フォーカス、手ブレ補正など、通常のデジタルカメラでもおなじみの機能を搭載している。
実際に撮影してみると、4000×3000ピクセルの解像度では保存に多少時間がかかるものの、画質は十分。ただし、ケータイのカメラに多いが、ダイナミックレンジが通常のデジタルカメラほど広くない感じだ。これは、撮像素子のサイズが影響しているのだろう。また、ビルを撮っている写真を見るとゆがみも少ないことが分かる。小さなレンズで高解像度の写真を撮影しているが、精度は高い。さすが約1200万画素の写真だけのことはあり、単なるスナップ写真以上の撮影にも十分といえる。
Android 2.1を備えているので、Google マップやGmailといったGoogleの主要なサービスはもちろん利用できる。T-01Cには、この他にも小技の効いた便利機能が多く搭載されている。
ちょっとしたメモ書きに便利なのが「スターメモ」だ。手書きでメモを残せるだけでなく、気になったサイト画面を記録しておいたり、声を記録しておいたりと、付せんのように扱える。
変換精度が高い日本語入力システム「ATOK」を搭載。同音異義語が多い日本語でも、例えば「夏は暑い」「本が厚い」「お茶が熱い」という具合に、「あつい」を内容に応じて正しく変換してくれるので入力がスムーズだ。
文字入力ではQWERTY方式のほか、従来のケータイと同じテンキー方式に対応しているのはもちろん、フリック入力、ジェスチャー入力(フラワー入力)も可能だ。フリック入力やジェスチャー入力は慣れると早く打てる。
訪れた場所の情報を地図に貼り付けて他のユーザーと共有できる「UkiUkiView」。表情のあるアイコンが貼り付けられていて、現在地の近くでお勧めのスポットがすぐに分かる。ホットペッパーのクーポンとも連動しているので、食事前に使ってみるといいだろう。
T-01CはOSがAndroid 2.1であるのが気になるが、今春にAndroid 2.2へバージョンアップされる予定で、さらに高速に動作することが期待される。おサイフケータイや赤外線通信を利用できるのはもちろん、美しい映像を見られるモバイルレグザエンジンと防水性能は、T-01Cならではの魅力。サービスと機能のどちらも重視する人にお勧めできる1台だ。
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