料金プランは何を選ぶべき? 「だれ定」+ケータイはお得?――ウィルコムの料金を考察する(2/3 ページ)

» 2011年02月09日 12時05分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

「だれとでも定額」導入時の注意点

 新たにウィルコムと契約してだれとでも定額を利用する場合に注意したいのは、端末代と日割りの関係だ。ウィルコムでは「W-VALUE SELECT」が端末販売方法の主流になっており、ソフトバンクと同様に2年間の契約を前提に毎月の利用料金から端末代金が割り引かれる。端末代金は基本的に一括払いでも分割払い(24回)でも同額だ。

 2010年12月3日のだれとでも定額のサービス開始と同時に端末価格や割引額などが変更されたが(関連記事)、端末価格と2年間の端末価格割引が同額の“実質0円端末”は複数存在し、おサイフケータイ対応機種もある。どうしても折りたたみ端末が欲しければ、月額300円程度の端末代金で選べる機種もある。また、新ウィルコム定額プランと新ウィルコム定額プランSともに1年契約が前提となり、別途ウィルコムの音声端末(W-SIM機を除く)を入手すれば持込契約も可能なはずだ。

photophoto 「Premium Bar presented by BAUM」(左)と「HONEY BEE BOX」(右)
ウィルコム端末の比較
月額実質端末代金 形状 重さ Webブラウザ デコラティブメール カメラ(アウト/イン) イヤフォンマイク端子 FeliCa
HONEY BEE3 0円 ストレート 73グラム 31万画素/31万画素 ×
Premium Bar presented by BAUM 700円 ストレート 90グラム 197万画素/×
X PLATE 0円 ストレート 64グラム × × × × ×
HONEY BEE BOX 300円 折りたたみ 90グラム 31万画素/31万画素 ×
WX330K 400円 折りたたみ 112グラム 130万画素/× ×
※ウィルコムストアで販売されている安価な端末の簡単な比較。100グラム以下の軽量端末や、一時期と異なりイヤフォンマイク端子(平型)を装備する端末も多い。音声通話用に2台目に持つ端末としては利便性の高い製品が多い。

 新規契約ではすべての料金が日割りとなるが、だれとでも定額の無料発信回数が日割りになる点にも注意したい。ウィルコムの場合、原則として月初から19日までの新規契約は月末が料金締め日となり、20日から月末までの新規契約は15日が料金締め日となる。月あたりの発信回数が500回にはまず及ばないという場合でも、日によって偏りがある場合には十分注意がいる。

 すでにウィルコム回線を保有している場合に注意したいのは、そもそもだれとでも定額が利用できるかどうか。原則として2010年11月末日までに契約済みの回線は、料金プランを新ウィルコム定額や新ウィルコム定額プランSに変更すれば、W-SIM対応機を含めて2011年2月末日まではだれとでも定額を適用できる。また、同じく例外として「HYBRID W-ZERO3」専用の料金プラン「新ウィルコム定額プランG(GS)」は、料金プランを変更することなく2011年2月末日まではだれとでも定額の適用が可能。2011年3月以降はW-SIM機は例外なくだれとでも定額を新たに適用することはできなくなる。

 また、ウィルコム定額プランなど、現在利用中の料金プランが年間契約の場合、同じく年間契約の新ウィルコム定額プランや新ウィルコム定額プランSに移行する場合、解除料金は発生しない。

 料金プランとだれとでも定額の無料発信回数が日割りになる点は新規契約時と同様だが、もちろん現在契約中の料金プランやオプションサービスの料金も日割りになる。通話パックや新通話パックの無料通話分も日割りになるので、注意したい。

 だれとでも定額の適用タイミングも重要だ。現時点ではウィルコムプラザ・カウンターの店頭で申し込んだ場合でも、サポートセンター(116)に電話で申し込んだ場合でもだれとでも定額は翌日適用になり、適用日内に「My WILLCOM」で確認できる。余計なトラブルを防ぐには、My WILLCOMで確認してから無料通話を活用するといいだろう。

 なお、既存のウィルコム契約者向けに、だれとでも定額の申し込みと必要な料金プランの変更手続きが可能な専用ダイヤルと、ウィルコム端末から利用可能なモバイルサイト(http://mm.willcom-inc.com/info/daretei_index.asp)も2011年2月28日まで提供されている。

結局「だれとでも定額」はお得なのか

 だれとでも定額に対してちょっと辛めになってしまったが、もともと「月に500回まで」「1回10分」の制限付きなので、手放しでお得なサービスとはいえないのも事実。ドコモとauに関しては長期契約を前提に無料通話を含む基本料金を最大半額程度まで割り引きしており、月額7000円程度の基本料金に1万円以上の無料通話分が付き、基本料金だけで1日あたり20分以上の通話が可能で通話料金も1分16円程度と安い。ホワイトプランが目立つソフトバンクにも同様の料金プランはある。ここで述べることではないと思うが、ケータイの月々の通話料金が高いと感じている人は、まず料金プランを見直すことからお勧めしたい。

 それでも制限を守れば、だれとでも定額はかなりお得なサービスであることも事実だ。計算上は5000分の無料通話が可能で、これはドコモやauで一番通話料が安いプランを利用した場合でも7万8750円分の音声通話料に匹敵し(比較は無意味に近いが安いプランなら21万円分)、仮に制限の5分の1程度しか活用できなかったとしても、1000分で約1万6000円分、10分の1程度の場合でも500分で約8000円分の音声通話料になる。これが新ウィルコム定額プランS+だれとでも定額なら月額2430円なので、得でないわけがないし、有料通話が発生しない前提なら毎月の通話分数に応じた料金プランを選択する必要もない。このラクチンさも一種の得といえるだろう。

 また、だれとでも定額の意義は別のところにもある。筆者は決してケータイやスマートフォンでメールをすることは苦ではないし、通話とメールはそれぞれにメリット、デメリットがあることは理解している。しかしこれまではメールのコストメリットに縛られ、通話なら数分で的確に伝えられることを、メールを利用することで余計な手間や時間を増やしていた。時に音声で伝達できる情報密度は極めて高く感情も的確に伝わるし、ちょっとした用件を済ますのも早い。そんなことを発信先も時間も通話料も気にせずに音声通話ができるだれとでも定額を利用し始めて、あらためて理解した。もちろんメールでなければというシチェーションもたくさんあるが、だれとでも定額を利用することで通話とメールをより適切に使い分けるようになると思う。同じように思う人は決して少なくないと思うのだ。

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