Samsung電子はスペインのバルセロナで開催される「Mobile World Congress 2011」の前日となる2月13日(現地時間)に、新製品発表発表会「Samsung Mobile Unpacked」を開催した。今回発表された新製品2機種は、いずれもデュアルコアプロセッサを搭載し、最新のAndroid OSを搭載したSamsung電子の戦略的な製品である。
Samsung電子のHead of Mobile Communications Business President、JK Shin氏は「2010年は業界全体でスマートフォンの販売台数が前年比で60%以上伸び、同社が販売したGALAXY Sシリーズも全世界で1000万台を超えるヒット商品になった」と語った。また2010年後半に販売を開始した「GALAXY Tab」は7インチ画面の小型サイズで使いやすく、いつでも手軽に動画や書籍を楽しめる“スマートメディアデバイス”として人気商品になったという。
だが、これらの製品は同社のスマートフォン戦略の序章にすぎず、2011年はさらに革新的な製品を投入していく。同氏は2011年を「スマート・モバイル・デバイスの年」とし、「2010年よりも多数のスマートフォンやタブレット端末が市場に登場し、世界への普及がさらに進むだろう」と話した。その中で同社は業界のリーダーシップを目指し、スクリーン、スピード、コンテンツの3機能を強化した製品を2011年に投入する。GALAXY S IIはその第1弾モデルとなる。
GALAXY S IIは現行の「GALAXY S」をさらに高速化し、機能をブラッシュアップしたモデル。ディスプレイはスーパー有機EL Plus、CPUはデュアルコアプロセッサを搭載するほか、音楽やソーシャルネットワークサービスへのアクセスを容易にする4つのハブ機能も備えている。OSはAndroid 2.3で、ユーザーインタフェースは自社開発の「TouchWiZ UI 4.0」。裏面にLEDフラッシュ内蔵の8メガピクセル、正面に2メガピクセルカメラを搭載。近距離無線通信規格のNFCも内蔵しており、アプリケーションの追加で非接触決済や情報交換などに利用できる。
音声認識機能にも注力し、車の運転中にハンズフリーで電話の送受信やメッセージの送信ができる。PCとの連携ソフト「Kies 2.0」やWebベースのサービス「Kies air」など、データの転送やシンクロ機能が強化されている。さらに、端末紛失時の管理機能も標準搭載しており、遠隔操作による端末ロックや追跡などにも対応する。
GALAXY S IIはコンシューマー向けの機能だけではなく、ビジネスソリューションもCISCOやSYBASEと協業し、セキュリティ管理やリモートアクセスなども強化されている。これにより、企業でも安心してGALAXY S IIを導入することが可能になる。
JK Shin氏は「これだけの機能を詰め込みながら(More)、8.49ミリ/116グラムという、業界で最もスリムなスマートフォン(Less)であるGALAXY S IIは“モア&レス”を兼ね備えた製品だ」と期待を込めた。
発表会の最後には「まだ新しい製品が残っている」とJK Shin氏からのサプライズが用意されており、GALAXY Tab 10.1も披露された。GALAXY Tab 10.1はディスプレイサイズを10.1インチに大型化し、OSにAndroid 3.0を搭載したモデルである。
同社Head of Portfolio Management Samsung Telecommunications Europe、Thomas Richter氏は「この画面サイズにより、よりリッチな体験を消費者に提供できる」と特徴を述べ、また同社Head of Account Samsung Telecommunications EuropeのAndrew Coughlin氏は「Samsung電子は常に消費者が求めているタブレットを開発している」と話し、今後も積極的にタブレットの新製品を市場に投入していく姿勢を強調した。
新製品のプレゼンテーション終了後は、会場内でGALAXY S II、GALAXY Tab 10.1のタッチ&トライが行われ、多くの来場者が両機種の機能の体験や現行モデルのGALAXY S、GALAXY Tabとの比較などを行っていた。
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