電子書籍への活用にも期待――ACCESSが高圧縮画像形式「hipix」のAndroidアプリを披露Mobile World Congress 2011

» 2011年02月17日 17時09分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo ACCESSブース

 Mobile World Congress 2011でACCESSは、同社のAndroid向けアプリ群「NetFront Life」の紹介や、ブラジル向け双方向機能付きワンセグブラウザ、Android向けテレビ電話ソリューションの展示などを行っている。また、画像内にさまざまなコンテンツを付加できる高圧縮ピクチャーフォーマット「hipix」に対応したAndroidアプリも披露されている。


photophoto 2月下旬発売予定のAndroid向けDLNAアプリ「NetFront Life Connect」も展示されていた。音楽や写真、映像といったコンテンツをデジタル機器と共有できる
photophoto 同社がブラジル向けに開発した、双方向機能対応ワンセグブラウザ(写真=左)や、OKI ACCESSテクノロジーズが開発したAndroid向けテレビ電話ソリューション「NetFront VideoTalk」(写真=右)の展示。NetFront VideoTalkは、基本的にキャリアや端末メーカーに提供するものだが、企業内でのテレビ通話ソリューションとして導入するなどのニーズにも対応する

 hipixは、イスラエルの画像処理ソフトウェア企業であるHuman-Monitoringが開発した画像フォーマット。ACCESSは2010年12月にHuman-Monitoringとの提携を発表し、hipix技術を同社の携帯電話向けブラウザ「NetFront Browser」でhipix対応を行う方針を示した。また、電子書籍事業などへの応用も視野に入れているという。

 hipixの特徴は、H.264のアルゴリズムを使い画像のデータサイズをJPEGの2〜10分の1にまで圧縮できることだ。さらに、画像上に音声や位置情報、プロフィール、ハイパーリンクなど、さまざまなコンテンツを付加できる。


photo 左がhipix、右がJPEG。この写真では、hipixはJPEGの27%ほどのサイズに収まっている

 昨今のモバイル市場では、端末の高性能化やカメラの高画素化、タブレット端末などの登場によって、高解像度コンテンツに対する需要は高まっているが、一方でそうしたコンテンツのダウンロードやアップロードに多くの時間がかかることが課題となっている。そこで、高圧縮かつ複数のメディア形式をカプセル化できるhipixを活用し、モバイル環境でもストレスなくリッチコンテンツを利用できるようにしたいと両社は考えている。

 MWCの会場では、Android端末向けに開発されたhipixの再生アプリケーションを実際に体験できた。人物の集合写真にいくつかのアイコンが配置されており、アイコンをタップすると、その人物の声が再生されたり、プロフィールが表示されたりする。こうした付加コンテンツも含め、1080×720ピクセルの画像が109Kバイトに収まっていた。音声データはAMRファイルを利用することで、1分あたり45Kバイト程度となるという。また、ユーザーが画像の任意の場所に音声を吹き込むことも可能。「絵本や漫画などに、オリジナルの声を吹き込むといったことも簡単にできるようになる」(説明員)

photophoto 写真上にあるアイコンをタップすると、音声が流れたり、連絡先がポップアップしたりする
photophoto 音声などのコンテンツも含め、1080×720ピクセルの画像は109Kバイト(写真=左)。漫画の吹き出しに声を吹き込むといったことも簡単にできる(写真=右)

 今回公開したアプリは試作段階であり、「デザイン面など、まだまだ改善すべき場所がある」(説明員)とのことで、両社で協力しながらソリューションの完成度を高めていく考えだ。

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