マルチタスクにセンサーAPIの統合――Mango for WP7の新機能やパフォーマンスを動画でチェックMIX11(1/2 ページ)

» 2011年04月15日 20時48分 公開
[柚木十三,ITmedia]

 米ラスベガスで開催されているMicrosoftのWeb開発者カンファレンス「MIX11」。2日目キーノートの速報リポートでは、Windows Phone 7(WP7)に開発コード「Mango」(マンゴー)というメジャーアップデートが2011年内に提供されること、そしてMangoにおいて初めて日本語を含む多言語サポートの拡大が行われることを報告した。

 本稿では、このMangoアップデートに関する補足として、マルチタスクなど主要機能についてのほか、その基盤技術であるSilverlightのアップデート情報について紹介する。

photophoto MangoアップデートでWindows Phone 7に新たに追加または強化される機能の数々

Windows Phone 7のマルチタスク機能

photo 開発者視点からみたMangoアップデートの主な強化点

 WP7のMangoアップデートにおける機能の強化点は多岐にわたるが、まずは開発者視点に立って見てみよう。何よりパフォーマンスが大幅に強化されていることが挙げられるが、そのほかの新機能については、アプリ開発者があらかじめ考慮して開発しなければならない。大きな機能変更であればあるほど、開発者はその扱いに注意しなければならないからだ。

 MicrosoftによればMangoでは1500以上の新API追加が行われているというが、中でもユーザーにとって大きく実感できる新機能は、「マルチタスク」「端末機能とのさらなる統合」「XNAとSilverlightとの連携」の部分だろう。

 新機能のマルチタスクについてMicrosoftでは、「皆が想像するマルチタスクとは異なる」と念を押している。スマートフォンではバッテリやUIの制限により、より省電力で実行し、かつ簡単にマルチタスクを管理できるフレームワークが必要になる。具体的には、サードパーティの開発したアプリを“マルチタスク”で同時にバックグラウンド処理させることはできず、いくつかの条件内で一部機能のバックグラウンド動作を認めるという形態だ。iPhoneやiPadなどのiOSデバイスユーザーにはお馴染みだが、そこでいう“マルチタスク”の挙動と、ほぼ同じだと考えれば分かりやすいだろう。

 その前提として、すべてのアプリは「Fast Application Resume」に対応する必要がある。これは、OSがアプリの切り替えを指示した場合に、一時終了するアプリが現在の状態を記録しておくことで、次回呼び出された時にすぐ復帰させる仕組みのこと。iOSでは「FastAppSwitching」などと呼ばれる機能だ。

photophoto マルチタスク対応ではLive Tilesとの連携やバッテリにやさしいバックグラウンド駆動、そしてそれをつかさどるエージェントの存在がポイントとなる(左)。マルチタスクにおける4つの動作(右)

 これに対応していれば、アプリがたとえバックグラウンド動作に対応していなくても、OSのタスク切り替えで呼び出された際に高速復帰が可能となる。このほか、「Background Agents」「Background Transfer Service」という2つのマルチタスクモードがある。前者は「バックグラウンドで音楽を鳴らす」といった特定の動作のみを許可するもので、後者は「スリープ状態になってもダウンロードを継続する」といったデータ転送に特化した機能だ。さらに、お知らせやカレンダーのアラームなど特定の条件を満たした場合にプッシュ通知を行う「Notifications」も用意された。いずれの動作も、iOSのそれを想像すれば分かりやすいだろう。

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