「あ、Windows Phone 7じゃないんですね。勘違いしていた」──と発表会会場で多く語られた富士通製“Windows 7ケータイ”が「F-07C」だ。PCとして気になった部分をぷちチェックしてみよう。
本体サイズは125(幅)×61(高さ)×19.8(厚さ)ミリ、重量約218グラム。いわゆるケータイサイズ(……プラスアルファ)のボディに32ビット版のWindows 7 Home Premium(SP1)をプリインストールし、CPUにインテルのタブレット/モバイル機器向けプロセッサであるAtom Z600(1.2GHz/Hyper-Threading Technology対応)、1024×600ドット表示に対応する4型ワイドの静電タッチパネル付き液晶ディスプレイ、1Gバイトのメインメモリ、32Gバイトのフラッシュストレージを備える、いわゆるAtom搭載Netbookなみの性能は備えるポケットPCである。
ディスプレイをスライドして開くとトラックボールによるポインティングデバイス付きのQWERTYキーボードが表れ、本体単体でいわゆる普通のWindows 7搭載PCとして扱える。
別売りオプションとしてUSB 2.0×4、HDMI出力、DC入力を備えたクレードル(実売7000〜8000円前後とのこと)を用意し、それにUSBのマウス+キーボード、HDMI経由でテレビや液晶ディスプレイに接続すると、さらに普通のPCのスタイルで使えるようになる。Windows 7 Home Premium(Starterなどでもない)搭載PCなだけに、もちろんUSB接続の光学ドライブなどを用いてWindows用アプリケーションを自由にインストールできてしまう。
さらに独特なのは、“普通のケータイ”にも切り替えられる点だ。本体上面の切り替えキーにより、Windows動作モードとケータイモード(Symbian OS)に、ほぼ一瞬(……この手のモノとしては早い印象の2、3秒)で切り替わる。ケータイモードはよくある富士通東芝製のiモードケータイとして動作するモードで、iモードメールやiモードサイトの閲覧、iアプリのダウンロードや利用、おサイフケータイ、緊急速報のエリアメールなど、普通のiモードケータイとしてできることがとりあえず普通にできる(ワンセグを備えないが、この手の端末を望む人であれば、なければないでよいという人は多そうと思われる)。
つまり、2つのOSが同時に起動した状態で動いている。Windowsモード作業中に電話着信があればケータイモードに自動的に切り替わって“普通のケータイ”として通話可能、終話でWindowsモードに戻る。ケータイモード動作中のWindowsモードは、バッテリー消費を抑えるためにスリープ状態(休止状態かもしれません。追って再確認します)に移行する仕組みとなる。ちなみにドコモの音声対応端末は、“ドコモスマートフォン”、“PRIMEシリーズ”、“STYLEシリーズ”、“SMARTシリーズ”、“PROシリーズ”などに分類されるが、F-07Cはどれにも属さない「その他」扱いになってしまったのも、よい意味でその独特感が伺えてしまう。
また、ビジネス向けに──とスマートフォンで半ばむりやりPCのオフィスファイルを扱う事例や雑誌の企画をよく見かけるが、F-07Cはそんなことをしなくても普通のPCだ。一応、2年ライセンス版のOffice Personal 2010(Word 2010、Excel 2010、Outlook 2010を包括)もプリインストールする。
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