では特徴的なWバッテリーでの運用シーンはどうだろう。カタログ値では標準バッテリーが約3.5時間、大容量バッテリーが約7時間動作するという。容量はそれぞれ3.7ボルト/1350mAh、同/2700mAhだ。
とりあえず、初期設定のまま筆者のいつもの常用パターン──外出時に移動中もスマートフォンを常時2〜3台接続しっぱなしにし、立寄り先で不定期にPCでのインターネット接続でも利用する使い方を両方のバッテリーで3回ほど繰り返して計測してみると、標準バッテリーは約3時間20〜25分、大容量バッテリーは約6時間35〜50分程度の動作となり、カタログ値にはわずかに届かない結果になった。
ただし合計約10時間動作はほぼ達成されているし、そもそもにしてスマートフォン複数台を同時につなぎっぱなしするとなれば、事実上ずっとなんらかの通信が発生している状態。おそらく一般ユーザーよりハードに使い続けたシーンでの結果だ。それでカタログ値の9割ほどを満たしているなら及第点を与えていいと思う。省電力効果を期待して動作中に点滅するインジケータを無効にして再計測してみたが、バッテリー動作時間に関しては誤差程度の差しか出なかった。この点はあまり気にする必要はないのかもしれない。
もう1つ、本機はバッテリーが2つ付属するだけでなく「単体のバッテリー充電器が付属」する点を高く評価したい。本体を持ち出して利用しながら、もう1つのバッテリーをフル充電状態でスタンバイしておけるためだ。充電時間は標準バッテリーが約3時間、大容量バッテリーが約5時間となる。
三洋電機「エネループ モバイルブースター」や「同スティックブースター」での充電も行える(メーカー側動作確認済みにもなっている)。本体経由での充電はもちろん、バッテリー充電器単体も同様だ。WバッテリーとともにこのようなUSB出力型のモバイルバッテリーを併用すると、さらに動作時間を延ばせるうえ、外出中でも片方のバッテリーを単体で充電できたりする。このスタイルはモバイルユーザーにとって、これまで以上に理想的な利用環境を実現できるうえ、バッテリーを充電しながらの動作も避けられるため、バッテリーそのものにも優しいのが喜ばしい。
1点注意したいのは、充電に必要なACアダプタとUSB-MicorUSBケーブルは1つずつしか付属しないため、同梱品だけでは2つのバッテリーを同時には充電できない。ただ、あくまで自己責任になるが、市販のUSB出力型のACアダプタや手持ちのUSB−MicroUSBケーブルを使っても充電は可能だ。数百円程度のわずかな出費で、2つのバッテリーを同時に充電できる環境は整えられる。
(想定利用範囲外での使用なので、勧めるものではないが)バッテリーを外した状態で給電しながらでも動作した。こちらは、電源を確保できる場所での長時間運用も多いという場合にうれしい仕様だ。
電源供給の条件としては同じということで、5ボルト/2A出力が可能なUSB出力バッテリー「My Battery Dual USB」から電源供給を行ってみたところ、バッテリーを外した状態でも問題なく利用が可能だった。
バッテリー単体での動作時間は、単体8時間動作のWM3500R(や、9時間動作の新モデル URoad-8000)に一歩ゆずる。しかし充電方法が多彩で、ACアダプタのみでの動作も可能である点は、利用者の利用スタイル次第で大きな魅力に感じるのではないだろうか。
(後編に続く)
後編は、“意外に高機能”だったルータ機能や、同時にライバル機種と比較した通信速度の違いなどをチェックしていく予定です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.