2010年4月には日本に端末のR&D(研究開発)センターを設立したこともあり、「端末の事業規模は2010年には2009年の1.5倍伸び、2011年は(2010年から)さらに50%増を目指している」とチン氏は話す。現在日本で発売されているHuawei製品のほとんどはグローバルモデルがベースになっているが、これからは日本発のHuawei端末の登場も期待される。こうした開発の手法は「スマートフォンにも応用されるのでは」と同氏はみる。さらに、ワンセグやFeliCaをはじめとした日本の独自機能への対応も検討しているとのこと。「2011年の後半から2012年に向けて、こうした(日本向けに本格的にローカライズした)端末が登場するのを楽しみにしてほしい」(チン氏)
日本ではハイスペックなスマートフォンが多いが、Huaweiはやみくもにスペックを求めるのではなく、ローカライズを重視する。また、今後スマートフォンが本格的に普及する際、Huaweiが得意とするミドルレンジや低価格帯のモデルへの需要が増すことも予想される。
これまで、Huaweiはブランドを全面には出さず、黒子のような存在に徹してきたが、今後は日本でもイベントや販売促進などのブランディングを実施していく。Huaweiの製品やキャンペーンなどの情報を掲載した日本向けのWebサイトも開設したほか、Twitter(@HUAWEI_Japan_PR)やFacebook(端末事業の専用ページを近日開設予定)を通じて情報発信をしてユーザーとの距離を縮めていく。端末のブランディングといえば、Samsung電子は「GALAXY」、HTCは「Desire」といったサブブランドを訴求しているが、Huaweiでは「そうしたサブブランドは、Huaweiが作っていくものというよりは、ユーザーが作っていくもの」と考える。
「シンプルなユーザー体験を日本の皆さんに提供したい」と話すチン氏。黒子から表舞台へ――新たな一歩を歩み始めたHuaweiが、日本でどのような端末やサービスを見せてくれるのか。その取り組みに注目したい。
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