iOS 5+iCloudで大きな変貌を遂げるiPad、iPhone、iPod touchiOS 5は2011年秋リリース(2/3 ページ)

» 2011年06月07日 07時30分 公開
[園部修,ITmedia]
  • メール機能の強化

 メール機能はこれまで以上に多彩な表現が可能になる。文字をボールドやイタリックに装飾したり、下線付きにしたりといった装飾を加えるリッチテキストをサポート。本文の一部をインデントするようなこともできる。

 またメールには個別にフラグを指定したり、アドレスのToとCcをドラッグして入れ替えたりといった便利な機能も提供。メール本文の検索機能も利用可能になる。S/MIMEもサポートした。me.comのドメインのiCloudサービス用メールアドレスも無料で取得できる。

 また文字入力中などに便利な辞書も、iOS 5でOSの機能として搭載されている。分からない単語があった場合などに、範囲選択をしてその場で辞書を調べられる。この機能はメール以外にもiOS対応アプリから利用できるという。

 iPadのような大型のデバイスを両手で持った場合に打ちやすい、親指打ち用のコンパクトなソフトウェアキーボードが新たに搭載されたこともポイントだ。

  • MacやPCが不要に

 iOS搭載デバイスは、購入後まず最初にMacやPCと接続してアクティベーションを行う必要があったが、iOS 5からはこうした“MacやPcとの接続”が不要になる。箱を開けたらデバイス単体で初期設定とアクティベーションが行えるのだ。

 OSのアップデートも、OTA(Over the Air)で行えるようになる。つまりMacやPCに接続することなく、iOSデバイスの機能を最新にできる。OSは差分アップデートで更新するため、これまでのように100Mバイト超のファイルをダウンロードする必要もなくなるという。

 これに合わせて、カレンダーの作成と削除もiOSから可能になる。MacやPCのiTunesと同期する必要がある場合でも、Wi-Fi経由での同期をサポートするため、Dockケーブルがなくても必要なデータのやりとりができる。

PhotoPhoto ついにiPadやiPhone、iPod touchがMacやPCに接続せずともアクティべーション可能になる。Appleは「PC Free」と表現した
PhotoPhoto ソフトウェアアップデートはケーブル接続をせずに実行可能に。OSのアップデートは差分アップデートになるため、ダウンロードしなくてはならないファイルのサイズも小さくなるという

  • Game Centerの拡張

 ネットワークを介してさまざまなユーザーと交流したり、対戦したりできるGame Centerは、iOS 5でさらにその機能が拡張される。現状5000万人以上いるというGame Centerユーザー同士の交流を促進すべく、友達だけでなく友達の友達のスコアが見られるようになったり、友達のレコメンドする機能を備えたりする。Game Center内で、App Storeに移行することなくゲームタイトルがダウンロードできる機能も提供する。

  • iOSデバイス間の新たなコミュニケーション手段「iMessage」

 iPhoneのSMS/MMS機能で実現している吹き出しのグラフィックが特徴的なメッセージングサービスを、iPadやiPod touchでも実現するのが「iMessage」だ。3G回線がなくても簡単なメッセージのやりとりや写真・動画の送受信など、MMSサービスのように利用できる。

 配達確認や開封確認の機能もあり、Eメールのように使えるのかと思いきや、相手が文字入力中には画面にその旨が表示されるなど、インスタントメッセンジャー的な使い方も想定しているようだ。

  • そのほかにも機能が盛りだくさん

 以上10個の項目をざっと紹介したが、そのほかにもいくつかiOS 5の新機能が紹介されている。1つはiPadでのマルチタスク時の新たなジェスチャーだ。4本か5本の指で画面を下から上にスワイプするとマルチタスクのバーが呼び出せ、同様に4〜5本の指で画面を左右にスワイプするとタスクの切り替えが行える。また画面をピンチするとホーム画面に戻る機能も搭載する。

 もう1つはiPadの画面をHDMIではなくAirPlay経由でiPad 2の画面をテレビに出力できる「AirPlay Mirroring for iPad 2」。専用ケーブルなしで、AppleTVがあればiPad 2の画面をテレビ出力できるので、プレゼンテーションや家族で写真や映画などを楽しむ際に重宝しそうだ。


 単体でさまざまな機能が利用可能になり、Android搭載スマートフォンをにらんだ使い勝手や利便性の向上が図られるiOS 5。このバージョンアップにともなって、iPhoneやiPadのようなデバイスは、さらにユーザーのすそ野を広げることになりそうだ。

 この“脱Mac”“脱PC”の流れの中で、iOSデバイスの使い勝手をさらに快適にしていくのが、Appleの提供するクラウドサービス「iCloud」だ。iOS 5の新機能の多くはiCloudとの連携により利便性が向上する仕組みになっている。

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