記事のネタがないかと、いつも通り量販店へ情報収集をしていたところ、「7月から割賦あっせん販売時のドコモポイントについて変更があった」という話を聞いた。この変更内容はドコモ総合カタログ7月〜8月版にも掲載されているほか、ドコモWebサイト(外部リンク)にも記載がある。
具体的に何が変わったのだろうか。まず、NTTドコモでの割賦あっせん販売時のポイント利用についておさらいしよう。NTTドコモでは、905i/705iシリーズの販売開始にあわせ、購入時の金額負担を減らすために、2007年11月26日から月々の基本料金が安価になるバリューコース選択時に限り、割賦あっせん販売を行っている。その際にドコモポイントも100ポイント単位(100ポイントあたり105円還元)で利用ができる。今回変更されたのは、そのドコモポイントを適用できるタイミングだ。
これまでは、本体代金を先に12回または24回に分割し、ポイントは現金相当として月々の割賦代金に対して利用されていた。例えば、5万9808円の端末を24回で分割購入を選択し、その際にドコモポイントを5000ポイント(5250円相当)を利用したとしよう。2011年6月30日までの方法では、本体代金にあたる5万9808円を24分割(5万9808円÷24回)すると、月々2492円となる。その際に5000ポイントを利用したとすると、これを現金相当に還元(100ポイント105円相当)し、5250円が最初の分割代金から引かれる。つまり、最初の2回の分割代金がポイントで相殺され、3回目は端数である266円が割り引かれる。
計算式としては、以下のようになる。
この場合、月々の分割回数が減るが、ポイントがどのように利用されているのかが分かりにくいという欠点があった。
では、7月1日以降はどうなったのだろうか。結果から言うと、ユーザーにとっては分かりやすくなるよう変更されている。先ほどと同じ例で、5万9808円の端末を24回に分割で購入し、同じように5000ポイント利用したとしよう。ここでの違いは、まず本体代金からポイント分が引かれることだ。なので、5万9808円(本体代金)−5250円(ドコモポイント5000ポイント)を引き、本体代金が5万4558円となる。この金額を分割すると、2273.25円となり、切り捨てた小数点は初回分割代金に上乗せされる。したがって分割代金の初回請求は2279円、2回目〜24回目が2273円となる。
計算式は以下のようになる。
今回の変更により、ユーザーがポイントがどのように利用されたかをイメージしやすくなるほか、月々の負担額をドコモポイントで“均等に軽減する”ことが可能になる。今回の例では24回支払いとしているが、もちろん12回支払でもポイントは適用できる。
端末購入時におけるドコモポイント利用が改定されたことでユーザーには分かりやすくなったが、注意したいこともある。まず、ドコモポイントは100ポイント単位でのみ利用ができる点。これは以前からそうだが、1ポイントや10ポイント単位では利用ができない。また、「ファミリー割引」に加入しており、毎月の支払いを一括で行っている場合、家族のドコモポイントを利用することもできるが、その際にはファミリー割引主回線契約者の同意が必要となる。
割賦購入で端末を購入する場合、現金支払で割賦代金の軽減に利用することもできない(店舗独自の頭金利用には現金支払いが可能)。割賦代金を軽減するには、基本的にドコモポイント利用することが前提となる。ただ、このほかにもNTTドコモ発行の各種クーポン券や、フィーチャーフォンへMNPする際の「チェンジ割」によっても割賦代金を軽減できる。
auでは2011年6月15日から「選択式割賦」という制度がスタートし、ドコモと同じく端末の割賦代金にポイントを充当できる。これは、ユーザーのポイントを5000ポイント(5250円)単位で割賦代金に利用し、残金を分割できるというもの。利用ポイントが5000ポイントに満たない場合は、従来通り初回または2回目の分割払いの代金に充当できる。選択式割賦により、auでも分割支払い時のポイント利用のイメージがつきやすくなったといえるだろう。
端末の割賦販売は、2007年ごろから各社でスタートしたが、ここにきてポイントの適用方法が変わってきた。ドコモやauのように、ユーザーがイメージしやすいポイントの利用法は歓迎したい。
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