カーナビゲーションに通信機能が融合されると、これまでとはまったく異なる新たな世界が広がる。クラウドサービスと連携する「CAR NAVITIME」は、NAVITIMEユーザーに大きな恩恵をもたらすナビなのだ。
インターネットの“向こう側”にあるコンテンツやサービスを、通信経由で受け取り利用する。この「クラウドサービス」の登場と普及は、さまざまなIT機器の使い方を一変させた。クラウドの世界観では、利用するコンテンツやサービスは常に最新のものが利用できる。ハードウェア(端末)ありきの考え方とは異なり、ユーザーが得られるメリットや製品の価値が、時間の経過とともに増えていくのだ。クラウドに対応するメリットは、PCやスマートフォンを日常的に使っている人ならば実感しているだろう。
この“クラウド型”の強みを、カーナビゲーションで実現しているのが、ナビタイムジャパンが販売する「CAR NAVITIME」である。これは一見すると、最近はやりのPND(Portable Navigation Device)のようだが、携帯電話の3Gネットワークを利用する通信機能を内蔵しており、ナビゲーションサービスから各種コンテンツまで、すべてナビタイムのクラウドサービスで提供されている本格的な“クラウドナビ”である。2010年8月の発売以降、着実にソフトウェアやサービスの向上を重ねており、今年5月には大規模なバージョンアップも実施した。6月30日にも、操作性の向上や機能の追加を行うアップデートを配信している。
CAR NAVITIMEによって実現する“クラウドカーナビ”の世界は、どれだけスマートで便利なのか。プライベートでも同機を愛用しているITジャーナリストの神尾寿がリポートする。
まずはじめにCAR NAVITIMEについて改めて見てみよう。
CAR NAVITIMEは本体内にKDDIの3G通信モジュールを搭載する通信ナビであり、ルート検索機能やスポット情報などをすべてナビタイムのクラウドサービスが担うことが大きな特長だ。基本的な地図データは端末内にあるが、コンテンツの大半がクラウドにあるため、小型・コンパクトながら従来のHDD型ナビを凌駕する情報量を扱うことができる。またスポット情報は常に更新されており、渋滞情報や駐車場の満空情報など、リアルタイム性の高いコンテンツも多数用意されている。この“情報力の高さ”こそが、CAR NAVITIMEの強みである。
CAR NAVITIMEでは、これら最新の地図情報やコンテンツの利用料はあらかじめ本体価格に含まれている。唯一、継続的に必要なのは通信料だが、こちらもKDDIの「Link→au」という仕組みを使い、月額525円の定額制と安価に設定されている(KDDIとの通信契約が必要)。毎月の通信料がかかるというのは今までのカーナビにはない要素だが、それだけで最新の地図データや豊富なリアルタイムコンテンツが利用できることを鑑みれば、割高な価格設定とは言えないだろう。
ハードウェア側にも少し目を向けてみよう。
CAR NAVITIMEの本体は5インチのタッチパネル式ディスプレイ(480×272ピクセル)を搭載しており、本体サイズは149×28.5×92.5ミリ(幅×奥行き×高さ)とかなりコンパクトだ。DC12V〜24VのシガーソケットアダプターとACアダプターの両方に対応しており(どちらも本体に同梱)、本体内蔵バッテリーで約4時間の利用もできる。クルマとの取り付けは付属のクレードルを用いて行うのだが、こちらもワンタッチで簡単にできるようになっている。
では、実際にCAR NAVITIMEの4つの“スマート”なポイントを見ていこう。
まず、最初のスマートさは「検索」の部分である。
カーナビゲーションの検索機能というと、どれも代わり映えしないように思うだろうが、CAR NAVITIMEのそれは一般的なカーナビとはかなり違う。ケータイやスマートフォンのNAVITIMEと同じく、フリーワード検索を基本としており、地名や施設名、住所、電話番号、施設ジャンルなどを自由に入力することができるのだ。またナビタイム側の検索機能は、キーワードの部分一致や曖昧な表現にも対応しているため、GoogleなどWebの検索サービスに近い使い勝手で目的地を探すことができる。
さらにフリーワード検索では、異なる複数のキーワードを設定した検索も可能だ。しかも、この場合のキーワードは施設名称だけでなく地名や施設ジャンルとしても自動認識されるため、かなり柔軟な検索ができる。例えば、「銀座 餃子」と入力すれば、施設名に「銀座」「餃子」が入っているお店だけでなく、地名認識で「銀座」にある「餃子を出すお店」がリストアップされるのだ。
情報量の多さ・フレッシュさも、CAR NAVITIMEの検索機能の特長である。クラウド上にあるCAR NAVITIME用の検索データは日々更新されており、最新のスポット情報にもいち早く対応。「ぐるなび」や「食べログ」などの店舗データベースや、テレビで紹介されたお店情報などが盛り込まれているため、最近話題になった店舗・施設でもかなりの確率で見つけることができる。クラウドを使わない従来型カーナビのように“地図更新”を待つ必要がない。さらに飲食店を探す「グルメ検索」では、エリアやジャンルだけでなく、個室や禁煙席の有無、デートや子連れ向けかどうかなど、非常に細かい条件を設定してお店を探すことができる。口コミ情報のチェックや割引クーポンの取得も可能だ。ドライブの楽しみの1つは何といっても食事だが、この検索機能がとても優れているのである。
一方、「ナビゲーション」の部分も、CAR NAVITIMEはスマートである。とりわけスマートさを感じるのは、高度な渋滞情報の取得と回避機能の部分だろう。
CAR NAVITIMEでは通信機能内蔵の特長を生かし、クラウドサーバから広範囲の渋滞情報を受信する「オンデマンドVICS」に対応。また、CAR NAVITIMEやケータイ/スマートフォン向けの助手席ナビユーザーと実際の渋滞情報を共有する「プローブ渋滞情報」(※1)に対応している。プローブ渋滞情報はこれまで大手自動車メーカーの一部の純正カーナビや、市販カーナビでも高額なハイエンドモデルしか対応していなかった機能だ。CAR NAVITIMEを使えば、これが輸入車も含めて多くのクルマで安価に利用できることは嬉しいところだ。
実際に試乗してみると、CAR NAVITIMEのプローブ渋滞情報の効果はすぐに分かる。とりわけ効果を感じやすいのが都市部での走行で、CAR NAVITIMEでは都市高速道と一般道を巧みに使い分けて渋滞を回避していく。さらに前述のオンデマンドVICSの効果もあり、都道府県をまたぐようなロングドライブでも行き先の渋滞をあらかじめ避けてルート設定してくれる。CAR NAVITIMEのスマートなナビゲーション機能の快適さ・安心感は、一度体験したら元に戻れないはずだ。
実際にユーザーが走行した時の渋滞情報を通信経由で収集し、そのデータを分析・共有する仕組み。一般的なVICSが道路上に設置されたセンサー網を用いて渋滞情報を収集・分析するのに対して、プローブ渋滞情報では、より広範囲かつリアルタイムな渋滞状況の把握ができることが特長。VICSと組み合わせることで、高度な渋滞の把握・回避が可能になる。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年8月28日