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» 2011年08月10日 09時30分 UPDATE

たまねぎIT戦士のEVO体験記:第2回 EVO WiMAXは二刀流、速さだけがウリじゃない (1/2)

せっかく「EVO WiMAX」を買ったのだから、WiMAXを使わない手はない。WiMAXって通信速度の速さばかりに注目が集まっているけれど、ユーザーの立場からすれば、一番のメリットはそこじゃないんです。

[池田憲弘,ITmedia]

 「『WiMAX』って、とりあえず通信速度が速いんだよな。今のところ、この機種しか対応していないみたいだし、買ったら自慢できそうだな」……あの頃は、WiMAXについてはその程度しか意識していませんでした。

photo 今回はEVO WiMAXのウリでもある、WiMAXについての話をします

 こんにちは。前回の記事では思った以上の反響があり、とても驚いています。読者の皆様の期待に応えられるよう、読み応えのある記事を書いていきたいと思います。これからも(生)温かい目で見守っていただけますと幸いです。今回は「HTC EVO WiMAX ISW11HT」の大きな“ウリ”の1つであるWiMAXについて、特徴や使用感についてお話ししようと思います。

そもそもWiMAXとは?

photo EVO WiMAXは“お得”な端末だと思っています

 WiMAXの使用感について書く前に、まずはWiMAXについておさらいをしようと思います。WiMAXとは、無線通信技術の規格の1つで、Worldwide Interoperability for Microwave Accessの略語です。通信の速さが特徴で、規格上は下り最大40Mbps、上り最大10Mbpsの速度が出ます(下りは最大5Mバイト/秒、上りは最大1.25Mバイト/秒)。WiMAXのサービスを提供しているUQコミュニケーションズのWebサイトによれば、全国の政令指定都市や県庁所在地にてWiMAXが使用可能だとしており、会社や自宅を含めた私の生活圏では問題なく接続できます。

 WiMAXを使うときに必要となる費用は、完全定額の「UQ Flat」を利用した場合は月額4480円。ただし、WiMAXは屋内だと通信速度が下がったり、接続が途切れたりすることがあるので、3G回線を全く使わないのは難しいと思われます。3G回線とWiMAXの両方の費用を2回線で個別に負担すると、1回線よりも当然利用料は跳ね上がりますが、EVO WiMAXの場合はどうでしょう。

 EVO WiMAXの場合は、通常の3Gネットワークの定額プランに加えWiMAXを使用した月のみ利用料に525円が加算されるというシステムで、スマートフォン向けの定額制プラン「ISフラット」でWiMAXを利用した場合、パケット通信料の合計額は5985円(IS NET利用料を含めると6300円)になるケースがほとんどだと思います。この6300円という価格は他キャリア向け高速データ通信サービスの料金とほぼ同等。これでWiMAXも使えるのだから、明らかにお得です。

 私がEVO WiMAXを購入する際に値段を重視したことは前回の記事でも触れました。WiMAXに関しては、はっきり言えば「3G回線だけでも問題はないという状況で、WiMAXを使うためだけに、いくら追加で払えるか」という話です。月々4000円や5000円追加で払えと言われれば、その金額を払うだけのメリットがあるかどうかを考え、ためらってしまったかもしれません。しかし実際は、

池田「WiMAXの使用料はどのようになっているのでしょうか」

店員「WiMAXを使う月だけ525円が加算される仕組みです」

池田「なら使います」

 と即決でした。WiMAXは毎月使うことを前提として、525円の追加で済むというのは「試しに使ってみよう」という気持ちにさせてくれます。ハードルが下がるという意味でも月額525円でWiMAXが使えるというのは大きな魅力だと思います。

 EVO WiMAXでは、ウィジェットのボタンを押せばWiMAXアンテナのスイッチを簡単に切り替えられます。WiMAXのスイッチの切り替えには約15秒かかりますが、オフからオンにするときはWiMAXのアンテナが有効になり、WiMAXを使用できる状態になるまでに、さらに15秒ほどかかり、合計30秒ほどになるので、頻繁に切り替えるという使い方には向いていません。私の場合、WiMAXアンテナは常時オンにしています。

photophotophoto EVO WiMAXでは、ウィジェットのボタンを押せばWiMAXアンテナのスイッチを簡単に切り替えられる。右上のWiMAXボタンを押すと約15秒でWiMAXアンテナはオフになった

通信速度を測ってみた

 それでは、実際に3G回線とWiMAXで何が違うのかを検証していきます。回線速度測定アプリ「BenchBee」を使って、普段自分がスマートフォンを使う場所でWiMAXと3Gそれぞれの回線速度を測定してみました。それぞれ安定して測定できた3回の平均を取り、下り回線と上り回線の速度をまとめたのが下の表です。

photophotophoto 回線速度測定には「BenchBee」を用いた。測定アプリは「Speedtest.net Speed Test」などが有名だが、今回は電車の中など通信環境が悪い場面での測定をメインにしたかったため、接続が不安定だった「Speedtest.net Speed Test」は使用を見送った
WiMAXと3G回線の通信速度
  3G回線 WiMAX
場所 測定時刻(24h) 下り 上り 下り 上り
横浜市の筆者自宅 5時頃 0.74Mbps 0.77Mbps 3.76Mbps 0.31Mbps
家の近くのバス停 18時頃 1.87Mbps 0.66Mbps 4.27Mbps 2.61Mbps
バス内 12時頃 0.97Mbps 0.86Mbps 4.24Mbps 1.07Mbps
鶴見駅ホーム 12時15分頃 1.52Mbps 0.78Mbps 7.60Mbps 2.86Mbps
京浜東北線電車内 12時半頃 0.36Mbps 0.59Mbps 3.8Mbps 1.15Mbps
東京駅丸の内地下中央改札 13時頃 0.87Mbps 0.77Mbps 6.14Mbps 3.65Mbps
大手町のオフィス自席 14時頃 1.95Mbps 0.82Mbps 3.71Mbps 1.01Mbps

 注目のWiMAXの通信速度ですが、筆者の自宅や、オフィスの自席は窓から遠い、などの理由から通信速度が落ちていますが、屋外だと通信速度は上がります。WiMAXの電波は利用周波数帯の性質上、障害物の多い場所では速度が落ちやすく、バスの中で速度を測ったときも、市街地に近づけば速度は上がりますが、周囲にビルなどの障害物が多くなると速度は一気に下がりました。ただ、WiMAXの電波が入りやすい環境にいれば、3Gよりも通信が速いのはほぼ間違いありません。

 電車内については、駅から駅までの移動中に速度を測定しています。駅で測定するとホームで測定した結果とあまり変わらないほか、電車内でスマートフォンを使うのは移動時がメインだと思ったからです。ちなみに移動中は通信速度が静止時よりも極端に低下する傾向がありました。

 WiMAXの電波は安定して入るのかが気になり、通勤経路でずっとEVO WiMAXのホーム画面を見張っていましたが、家から会社までの通勤経路においては、ほぼ電波が入ります。唯一電波が全く入らなかったのは地下鉄の駅のホーム(丸の内線東京駅)のみでした。EVO WiMAXではWiMAXが使用できないときは、3G回線へとスムーズに切り替わるので、インターネットに接続中にストレスを感じることはほとんどありません。

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