小さくて軽い――。ありきたりな表現だが、「Xperia ray SO-03C」に初めて触れたときに感じたことだ。「Xperia arc」に初めて触れたときはその薄さが印象に残っているが、Xperia rayは薄くてさらに小さい。この“小ささ”は日本国内のAndroid端末では突出している。しかも、小型化を実現しながら、ディスプレイ解像度、カメラ、バッテリーなどのハードウェアスペックはXperia arcと同等を維持しているのも特筆すべき点だ。
Xperia rayの価格は、月々サポートを適用した場合、実質負担額は新規契約が1万円台後半、機種変更が2万円台後半の見込みで、Xperia arcの発売時の価格よりも1万円ほど安い。
Xperia rayのボディサイズは約53(幅)×111(高さ)×9.4(厚さ、最厚部約9.6)ミリ、重さは約100グラム。サイズ約63(幅)×125(高さ)×10.9(厚さ、最薄部約8.7)ミリ/重さ約118グラムの「Xperia arc SO-01C」と比べると、最薄部以外のすべての数値が減っており、小型・軽量化に成功している。注目は“幅”だ。Xperia arcの約63ミリから10ミリ細くなっており、50ミリ前後が多いフィーチャーフォン(従来のケータイ)とほぼ同じ数値を実現した。説明員によると、Xperia rayは「幅53ミリ」という数値を最初に設定した上で開発したという。ここまで細くしたのは、Xperia rayのメインターゲットである女性がフィーチャーフォンから乗り換えたときに違和感なく使ってもらうため。Walkmanの上位モデルと比べても一回り大きいほどで、ミュージックプレーヤーとして活用するのもアリだと思える。
カラーはPink、White、Goldの3色をラインアップ。グローバルモデルではBlackも提供するが、日本向けには外されている。プロモーションカラーはPinkだが、男性を狙った色としてWhiteも用意。このWhiteは初代Xperia(SO-01B)の「Luster White」にも採用された色だ。PinkとGoldには粒子が散りばめられており、さりげなく高級感を演出している。ソニー・エリクソンのスマートフォンではおなじみの、丸みを帯びた側面も健在で、小さいボディと相まって手にフィットしやすい。
小型化した分、ディスプレイサイズは3.3インチでスマートフォンとしては小さいが、解像度はarc/acroと同じフルワイドVGA(480×854ピクセル)を維持している。高コントラスト、高輝度な表示が可能な「Reality Display」、液晶とガラス面の空気層をなくす「クリアブラックパネル」、映像や写真を鮮やかに表現する「モバイルブラビアエンジン」も継承した。
Xperia arc SO-01C | Xperia acro SO-02C | Xperia ray SO-03C | |
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OS | Android 2.3 | ||
チップセット | MSM8255(1GHz) | ||
メモリ | RAM:512Mバイト、ROM:1Gバイト | ||
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約63×125×10.9(最薄部約8.7)ミリ | 約63×127×11.8ミリ | 約53×111×9.4(最厚部約9.6)ミリ |
重さ | 約118グラム | 約135グラム | 約100グラム |
連続通話時間 | W-CDMA:約340分、GSM:約390分 | W-CDMA:約350分、GSM:約390分 | W-CDMA:約360分、GSM:約380分 |
連続待受時間 | W-CDMA:約400時間、GSM:約270時間 | W-CDMA:約400時間、GSM:約260時間 | W-CDMA:約400時間、GSM:約290時間 |
ディスプレイ | 約4.2インチフルワイドVGA(480×854ピクセル)TFT液晶、1677万7216色 | 約3.3インチフルワイドVGA(480×854ピクセル)TFT液晶、1677万7216色 | |
アウトカメラ | 有効約810万画素CMOS AF/顔認識、手ブレ補正対応 | ||
インカメラ | − | 有効約32万画素CMOS | |
バッテリー容量 | 1500mAh | ||
ディスプレイ下部のキーは、中央のホームキーが物理キー、その左右にあるクリア/MENUきーがセンサーキーとなっている。arc/acroはディスプレイが大きいため、下の端に3つのキーが集中しており、キーを押す際の指の移動距離が長かったが、Xperia rayの方が少ない移動量でキーを押せる。ホームキーが物理キーなので、ディスプレイ消灯時に押すと復帰(画面が点灯)する。3つともセンサーキーを採用する機種もあるが、その場合は復帰するのに電源キーを押す必要があるので、Xperia rayの方が理にかなった仕様といえる。
ホームキーは三日月型の“クレッセントライン”を形成しており、キーを押したときや着信時などに、このライン上に白色のLEDランプが点灯する。このラインの色は本体色によって異なる。これまでのXperiaシリーズのLEDランプは、ディスプレイの上に小さな丸型スペースの中に点灯するのみでやや味気なかったので、うれしい改善点といえる。ただし、点灯色やパターンなどを変更することはできない。点灯カラーも白色のみ。ケータイではイルミの設定は当たり前なので、ここもカスタマイズできるようにしてほしかった。
その他のキーは、上端部にある電源キーと、右側面にある音量調節キーのみ。これまでのXperiaシリーズで搭載されていたシャッターキーは省かれている。arc/acroが備えていたMicro HDMI端子もXperia rayにはない。また、一見すると分からないが、裏面のフォトライトはarc/acroより小さいデバイスを採用し、輝度はXperia SO-01Bと同等に下がっている。このあたりは小型化とのトレードオフだろう。ただ、説明員は「フォトライトの輝度は下がったが、暗い場所での撮影は裏面照射型CMOSセンサーでカバーできる」と話していた。
小型化を図りながら、arc/acroと同等の1500mAh(3.7V)のバッテリーを採用し、スマートフォンユーザーに心配されがちなバッテリーの持ちにもこだわった。ただしバッテリーはarc/acroと同じものではなく、使い回しはできない。バッテリーの型番はarc/acroの「BA750」に対し、rayは「BA700」。BA750よりもやや厚いが、全体的に小さくなっている。SIMカードは「AQUOS PHONE f SH-13C」でドコモ初のmicroSIM「ドコモminiUIMカード」が採用されたが、Xperia rayではこれまでと同じUIMカードが使われる。
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