ニュース
» 2011年09月30日 17時33分 UPDATE

「W52CA」「W53CA」「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」が対象:auケータイ3機種のバッテリーパックで発煙や溶解の恐れ――約201万個を交換

auケータイ「W52CA」「W53CA」「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」のバッテリーパックに発煙や溶解の恐れがあることが判明した。KDDIはこれら3機種のバッテリーパック約201万個を回収し、交換する。

[田中聡,ITmedia]

 KDDIは9月30日、auケータイ「W52CA」「EXILIMケータイ W53CA」(カシオ計算機製)と「Mobile Hi-Vision CAM Wooo(HIY01)」(日立コンシューマーエレクトロニクス製)のバッテリーパックの交換を実施することを発表した。

 これら3機種のバッテリーパックに外部からバッテリー内セパレータに損傷を受ける力が加わった場合、使用中のバッテリーパック内部でショートが発生することで発熱・膨張し、発煙や溶解する恐れがあるという。同日に開催された会見で、KDDI 執行役員 商品統括本部長の牧俊夫氏は「事故の再発拡大を防止するためにリコールを実施した」と説明する。

photo 左から「W52CA」「EXILIMケータイ W53CA」「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」
photophoto 左からKDDI 商品統括本部 プロダクト企画本部 プロダクト品質管理部長 中村公彦氏、KDDI 執行役員 商品統括本部長 牧俊夫氏、NECカシオモバイルコミュニケーションズ 代表取締役執行役員社長 田村義晴氏、NECカシオモバイルコミュニケーションズ CS品質統括本部 本部長 菅谷直樹氏
photo KDDI 牧俊夫氏

 対象機種は、W52CA(2007年6月発売、出荷台数約54万台、稼働台数約14万台)、EXILIMケータイ W53CA(2007年8月発売、出荷台数約80万台、稼働台数約26万台)、Mobile Hi-Vision CAM Wooo(2009年7月発売、出荷台数約15万台、稼働台数約10万台)。交換対象となるバッテリーパックはW52CAとW53CA用が「52CAUAA」、Mobile Hi-Vision CAM Wooo用が「HIY01UAA」。バッテリーはソニーエナジー製。交換対象の数は52CAUAAの約179万個、HIY01UAA用の約22万個を合わせた計約201万個。W52CAとW53CAの充電中に、バッテリーパックが発熱・膨張し、発煙や溶解したという事故がユーザーから8件申告された(うちW52CAで2件、W53CAで6件)。

 8件のうち、2010年に2件、2011年に6件の申告があった。2010年1月に1件目が申告された時点では、バッテリーパックにキズやへこみがあったので、回収を要する問題としなかったが、「2011年4、5、6月にそれぞれ1件、7月に2件、8月に1件の計6件の申告を受けて事態を重視し、8月上旬からあらためて調査を開始した。9月上旬までの調査結果をもとに、複合要因によって今回の事故につながる恐れがあることを特定できた」(牧氏)という。8件のうち具体的な被害があったのは2件。うち1件はユーザーが指に火傷を負い、もう1件は発煙により寝具が焦げたとのこと。いずれも火災認定を受けている。

 事故の発生原因は以下の3点。

  1. バッテリーパックが外部からの強い力を受け、キズやへこみが付き、内部のセパレータ(絶縁シート)に損傷が発生する。
  2. その後、充放電を繰り返すことで内部ショートに至る
  3. 長期使用により、バッテリー内部の化合物が相当量析出する(結晶が生じる)

 これらの複合要因によってバッテリーパックが発熱・膨張する場合があることが確認された。バッテリーパックにキズやヘコミがなければ発熱・膨張する恐れはない。

 発熱・膨張のきっかけとなる「外部からの強い力」とはどの程度のものなのか。牧氏は「キズやへこみ、落下、ポケットから落としてバッテリーパックが外れて飛び出すときったときに起こりうる。力の特定はできない」と説明する。化合物の析出量については他機種と比べて基準値が低かったわけでなく、あくまで複合要因によって発生する「特性」だという。「析出自体は不具合でない」(牧氏)。したがって、今回は製品の欠陥によるリコールではなく、「人気のカシオ製機種ということで大きな台数になっているため」と、KDDIが判断してリコールした。また、他のバッテリーパックでは同様の事故が起きる心配はないとのこと。

 auケータイでは、2008年に京セラ製「W42K」のバッテリーパックでも発煙や破損するケースが確認されているが、「W42Kのときは、明らかに(外部からの力に対する)耐性が足りないなど、バッテリーパックの欠陥だった」(牧氏)ため、今回のケースとは事情が異なるという。W42Kの事故が起きてからは「バッテリーパックの耐性強度を上げ、セパレータ全体が破れないようにするなど基準値を上げ、落下衝撃や押圧に対して安全性が確保できるかどうかの試験を追加した」(KDDI 商品統括本部 プロダクト企画本部 プロダクト品質管理部長 中村公彦氏)とのこと。

 KDDIは今後、「バッテリーパックの耐性を増やす」「バッテリーパックの構造を変えることで析出量を抑える」ことで対策を行う。また、バッテリーパックにキズが付く原因として、バッテリーパックを取り出す際にドライバーを使うといったことも考えられるので、「バッテリーを取り出しやすいように構造を変える必要があるとも考えている」(牧氏)とした。キズの痕跡については「申告した人がどうやってキズを付けたか覚えていない場合がある」ため、詳細は把握していない。

 ユーザー対応として、KDDIはW52CA、W53CA、Mobile Hi-Vision CAM Woooの全利用者に書面で通知し、交換用のバッテリーパックを順次送付する。交換用のバッテリーは、化合物析出の基準値を上げてあるという。利用中のバッテリーパックは、届いた梱包箱に入れて返却する必要がある。すでに解約または機種変更をしたユーザーに対しても同様の通知を行う。なお、W52CA、W53CA、Mobile Hi-Vision CAM Woooのバッテリーパック表面にキズやへこみが見られる場合、速やかに利用を中止してお客様窓口に連絡をするようKDDIは呼びかけている。

 バッテリーパックについての問い合わせ先は以下のとおり。

「W52CA」「EXILIMケータイ W53CA」「Mobile Hi-Vision CAM Wooo」お客様窓口

電話番号……0120-963-052(通話料無料)

受付時間……9時〜19時(土、日、祝日を含む)

photophoto キズやへこみが見られるバッテリーパックの事例(写真=左)。左からW52CA、W53CA、Mobile Hi-Vision CAM Woooのバッテリーパック。3機種とも、特にバッテリーパックを取り出しにくいとは感じなかった(写真=右)

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.