「AQUOS PHONE SH-01D」で特に注目したい機能の1つが「エコ技」だ。簡単な設定で効率よく消費電力を抑えられるこの新機能を活用することで、どこまでバッテリーが長持ちするのだろうか。実際の利用シーンを想定して検証した。
スマートフォンの弱点としてよく挙げられるのが、バッテリー消費の大きさだ。理由はケータイよりも大画面であること、通信を頻繁に行うアプリやウィジェットがあることなどいろいろあるが、これらはスマートフォンのメリットでもあり、一長一短といえる。バッテリーが持たずにストレスを感じている人は多いだろう。そんなユーザーの不満に応えるべく、「AQUOS PHONE SH-01D」ではシャープが独自に開発した省エネ「エコ技」機能を採用した。このエコ技機能を活用することで、操作性を大きく損なわずに消費電力を上手に抑えられる。
SH-01Dのバッテリー容量は3.7V 1520mAhで、「AQUOS PHONE SH-12C」の1240mAhよりも容量が増している。一方で、ディスプレイは4.5インチ/HDに画面サイズと解像度が増しており、より多くの電力を消費することが懸念される。
そこで役立つのが「エコ技」機能だ。「エコ技」機能は高画質を保ちながらバックライトを制御し、かつディスプレイ消灯時に複数アプリがバックグラウンドで起動する際の電力を抑えてくれる、新しい省エネ設定だ。SH-12Cをはじめとする従来のシャープ製スマートフォンにも、Wi-FiやBluetoothをオフにしたり画面の輝度を下げたりできる設定を一括で行える「とにかく省エネ」と、指定した時間に省エネ機能を有効にする「おやすみ省エネ」があったが、これらの設定とは何が違うのか。進化したポイントを見ていこう。
「エコ技」機能の設定には3つのモードと2つの設定がある。「通常モード」「技ありモード」「お助けモード」、そして「残量で切替」と「タイマー設定」だ。3つのモードはワンタッチで切り替えられる。SH-12Cのとにかく省エネの場合、有効にしてから通常に戻す場合は、Wi-FiやBluetoothを個別にオンにする、画面の輝度を元に戻すといった操作が必要だったが、「エコ技」機能はワンタッチで切り替えられるので手間が少ない。
「エコ技」機能には“オフ”という概念がなく、初期状態から“通常モード”となっている。通常モードは出荷時の設定そのままのモードだが、ある程度の省エネ効果が得られる。もちろんスマートフォンとしての使い勝手はこのモードが一番高い。1日1回は自宅や会社で充電ができる環境なら、通常モードで問題ない。
技ありモードは、Android のパフォーマンスをなるべく落とさずに消費電力を抑えるモードだ。注目は「省エネ待受」。これは待受状態で画面を消灯した際にバックグラウンドでの通信を防ぐもの。すべてのバックグラウンド通信を防ぐのではなく、アプリの動きを判断して防ぐというのがポイントだ。使っているユーザーが気付かないうちに通信をしているアプリは意外と多いので、それらの通信を止めてくれる。
とにかく省エネでは有効にしていても設定画面を開かないと分からないが、技ありモードに設定すると、通知バーにアイコンが表示されるのも分かりやすい。技ありモードはいつものサクサクした動作を維持したまま「無駄をなくす」「省エネ設定を見える」ようにするモードといってよいだろう。例えば1日中外出して充電する機会がない、充電器を持たずにホテルに1泊する――そんな1日程度の出張や旅行のときに使うのに向いている。
お助けモードは、電力消費の多い機能を一括でオフ、または省エネに最適な状態にするモードで、技ありモードよりもさらに省エネ効果が高い。一方でスマートフォンとしてのパフォーマンスは制限される。例えば画面の輝度が最も低くなり、点灯後も15秒後に消灯する。お助けモードを常時設定しておく必要はなく、「充電環境がない、とにかく1分1秒でもバッテリーを持たせたい」といったシーンでオススメしたい。例えば災害時は電気が止まるなどして、充電ができないこともある。そんなときにこのモードに切り替えておけば、電源を入れておきながら、バッテリー消費を極力抑えられる。もちろん通信や通話自体は可能で、緊急地震速報も受信できる。
通常/技ありモードには「編集」設定もあり、16項目を自分の使い方に合わせて決めることもできる。その中身は「省エネ待受」「Wi-Fi」「Bluetooth」「GPS」「画面の明るさ」「画面の自動回転」など(詳細は下記の表を参照)。タッチ操作や画面ロックの音をオフにする設定や、タッチ操作を滑らかにする「なめらかスクロール」の機能をオフにする設定も用意されている。例えば技ありでは、最初はWi-FiとBluetoothはオンになっているが、「通信は3GのみでBluetoothは滅多に使わない」のなら、Wi-FiとBluetoothはオフにしておいた方がいいだろう。なお、お助けモードの項目は編集はできない。
「通常モードから技ありモードに切り替えるのが面倒」という人は、通常モードを自分好みの設定に変更しておけば、設定する手間をかけずに常に節電できる。
項目 | 通常モード | 技ありモード | お助けモード |
---|---|---|---|
項目の編集 | ○ | ○ | × |
省エネ待受 | OFF(固定) | ON | ON |
Wi-Fi | OFF | KEEP | OFF |
Bluetooth | OFF | KEEP | OFF |
GPS | OFF | KEEP | OFF |
画面の明るさ | 自動調整ノーマル | 自動調整ノーマル | 最小 |
画面の自動回転 | ON | KEEP | OFF |
アニメーションの表示 | すべてのアニメーション | アニメーションなし | アニメーションなし |
バックライト点灯時間 | 30秒 | 15秒 | 15秒 |
光る点滅させて通知 | ON | KEEP | OFF |
タッチ操作音 | OFF | OFF | OFF |
選択時の操作音 | OFF | OFF | OFF |
画面ロックの音 | OFF | OFF | OFF |
入力時バイブ | ON | OFF | OFF |
バックグラウンドデータ | ON | KEEP | OFF |
自動同期 | ON | OFF | OFF |
なめらかスクロール | ON(固定) | OFF | OFF |
上述した3つのモードをホーム画面上から切り替えられる「ウィジェット」も用意されている。エコ技設定を呼び出さずに切り替えられるので便利だ。このウィジェットには現在設定しているモードと、葉の数で示される省エネレベル(20段階)が表示される。「エコ技」アイコンをタップしてエコ技設定を呼び出すことも可能だ。
ここまでは3つのモードを手動で切り替える説明をしてきたが、「残量で切替」と「タイマー設定」の2つの設定を使えば、自動的にモードの切り替えができる。
「残量で切替」は、バッテリー残量が設定した量まで達すると、モードが自動的に切り替わる。便利なのは「消耗時切替」と「充電時切替」の2つの設定に分けられている点。バッテリーが消耗してモードが切り替わるのに加え、この設定では充電して一定の残量まで回復したときにもモードが切り替わる。仕事中に通常モードだったのが、バッテリーが減ってから技ありモードに切り替わり、自宅で充電をしたら通常モードに戻る、翌朝はそのまま仕事に出る、といったことも可能になるわけだ。一度設定をすれば、手動で切り替える必要がないので親切だ。
「タイマー設定」は時間によってモードの切り替えができる。SH-12Cのおやすみ省エネでは、睡眠時などスマートフォンを使わない時間帯は自動で省エネ設定にできる。一方、SH-01Dのタイマー設定は切替時刻を「4件」まで設定できる。例えば睡眠時の23時以降は「お助けモード」、朝の6時からは頻繁に使うので「通常モード」、12時からは昼食などは比較的使わないので「技ありモード」、14時からはまた仕事で激しく使うから「通常モード」に、という具合に、指定した時間ごとに自動で切り替えられる。従来のおやすみ省エネを発展させた機能といえるだろう。
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提供:シャープ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年12月22日