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» 2011年12月21日 17時55分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2011年の“注目ケータイ&トピック”(ライター山根編):Samsung、ZTE、Nokia――メーカー勢力図が激変した2011年の海外市場

2011年はメーカー間のパワーバランスが大きく変わった年であった。Samsung電子はほぼ毎月スマートフォンを発表しており、新しい概念のデバイスも投入。ZTEは気がつけばシェア4位にまで上がってきた。そして巨人、Nokiaは最後の賭けとも言える「Lumia 800」を年末に販売開始した。

[山根康宏,ITmedia]

 Nokiaのシェアが大きく落ち込み、Samsung電子やAppleの存在感が一段と増した2011年の海外市場。特にスマートフォンはユーザー層の拡大から製品のバリエーションが大きく広がっている。もはや最初の1台目がスマートフォン、という若年層も多いほどであり、各メーカーの主力製品はエントリークラスやミッドレンジまでもがスマートフォンで占められている。その中から2011年に目立った製品を紹介しよう。

タブレットとスマートフォンの間を埋める「GALAXY Note」

photo Samsung電子の「GALAXY Note」

 5.3インチの大型ディスプレイを搭載したSamsung電子の「GALAXY Note」は、同社が設けた「Note」という新しいカテゴリに属する製品だ。使ってみると、なるほど、スマートフォンとタブレットのいいところを兼ね備えたバランスのいい製品であることに気付く。特に付属のスタイラスペンで自在に手書き入力できる点は、これまでのスマートフォンにはない特徴だ。5インチ台のサイズは紙の手帳とほぼ同じ大きさなので、ペンを使った書き込みや操作もスマートフォンより行いやすい。

 このディスプレイサイズは電子書籍などを読むのにも適している。Kindleなど7インチクラスのタブレットが、電子書籍端末としてはメジャーな大きさだが、ジャケットの内ポケットなどに入れておき、すぐに取り出せるサイズとしては、GALAXY Noteの5.3インチの方が使いやすい。電話機としてもギリギリ許容できる大きさだ。1.4GHzのデュアルコアCPU、8メガピクセルカメラ、国によってはLTEバージョンも存在するなどスペックも十分高い。

 GALAXY Noteは2011年秋の発売以来、各国で順調に売れ行きを伸ばしている。ライバルとなる製品がこのクラスにほとんどないことも、人気を後押ししているのだろう。Android OS 4.0へのバージョンアップが予定されているのも安心できるところだ。スマートフォンとタブレットの長所を兼ね備えたGALAXY Noteは、2011年のベスト・バイ製品と言えそうである。

隠れた世界のベストセラー「ZTE V880」

 携帯電話総販売台数の中でスマートフォンが占める割合が年々増加している。今やスマートフォンは毎週のように各社からさまざまな製品が発売されており、製品のレンジも広がっている。2011年は特にミッドレンジクラスの製品が一気に増加した年だった。

photo 「ZTE V880」。Orangeの「San Francisco」など、欧州では事業者ブランドでも販売されている

 その中でZTEが発売した「ZTE V880」は、手ごろな価格と機能バランスに優れたコストパフォーマンスの良い製品で、世界中で販売されるほどのヒット商品になっている。中国市場では1万円台のスマートフォン入門機として、販売から3カ月で100万台を販売、また欧州などでは通信事業者向けのOEM品として各国で販売されている。インドではPCメーカーのDELLブランドでもこのV880が発売されるなど、どの国に行ってもその姿を見かけるほどだ。日本でも同系モデルがソフトバンクモバイルから「Libero 003Z」として販売された。

 ABI Research、IDC、Strategy Analyticsなどの調査によれば、ZTEは2011年の携帯電話販売台数で世界シェア4位に上昇した。MotorolaやSony Ericssonなどの老舗メーカーだけではなく、勢いのあるAppleまでもを追い抜き、すぐ上のLG電子の3位の座を脅かす存在にまで急成長したのだ。スマートフォンブームが続く中で、一般消費者でも手軽に購入できる価格と、日常的に使うには十分なスペックを備えたV880が、ZTEの快進撃を支えた功労者といえそうだ。

Windows Phoneが最後の勝負――「Nokia Lumia 800」

 2011年はNokiaの悪いニュースばかりが目立つ1年だった。Gartnerの調査によると、2009年に36.4%あったシェアも2011年第3四半期には23.9%にまで落ち込んだ。Nokiaはフィーチャーフォンとスマートフォンの両方で販売数の下落が続いており、製品ポートフォリオの抜本的な改革に迫られている。その回答が、2011年2月に発表されたMicrosoftとの電撃的な提携である。従来から採用していたスマートフォンのメインOSであるSymbianの採用を取りやめ、今後はWindows Phoneに注力していくというものである。スマートフォン市場で劣勢が続くMicrosoftとしても、この提携は最後の勝負ともいえるほど切羽詰ったものだろう。

photo 北欧らしいデザインの「Nokia Lumia 800」

 そのNokiaの最初のWindows Phone端末が「Lumia 800」だ。2011年内の販売開始が危ぶまれたが、どうにかクリスマスシーズンに間に合い、欧州やアジアで販売が始まっている。スマートフォンは同じOSを採用していることもあり、各社の製品は類似したデザインになりがちだが、Lumia 800は北欧らしいビビッドなカラーを採用し、ディスプレイや本体側面に曲面を多く採用した独特のフォルムになっている。OSの動きも軽快で、日本語を含むマルチランゲージに対応しており、利用するユーザー層を選ばないのも特徴だ。さらに、microSIMを採用したことで、iPhoneからの乗り替えも期待される。

 スマートフォン市場ですっかりプレゼンスを失ってしまったNokiaにとって、Lumia 800は巻き返しを図る最初の製品となる。それだけに製品はしっかり作り込まれており、また販売プロモーションも各国で大々的に行われている。Nokiaのこれまでの知力の集大成ともいえるLumia 800は、同社の携帯電話事業そのものの存続の鍵を握るほど重要な製品なのである。Lumia 800の動向には業界全体が注目しているのだ。

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