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» 2011年12月22日 10時30分 UPDATE

ITmediaスタッフが選ぶ、2011年の“注目ケータイ&トピック”(ライターせう編):進むスマホシフト――“ケータイ派”はこれからどうすればいいの?

日本の携帯電話市場において、予想以上にスマートフォンへのシフトが進んだ2011年。無類のフィーチャーフォン好きの筆者にとって、これほどさみしい思いをしたのは初めて、と言っても過言ではない。世の流れに従うべきか、信念を貫き通すべきか――そんな筆者の今年の”お気に入り”を振り返りつつ、来年はどうなるかなー……と考えてみる。

[Sho INOUE(K-MAX),ITmedia]

 2011年の携帯電話市場は、2010年以上にスマートフォンへのシフトが進んだ。特に、2011年度の冬春モデルはその傾向が顕著で、ドコモは29機種中15機種、auは10機種中8機種、ソフトバンクモバイルも12機種中9機種がスマートフォンとなった。当初、誰もここまで「スマホシフト」が進むとは思っていなかっただろう。

 自他ともに認める重度なフィーチャーフォン(ケータイ)派である筆者も、仕事と趣味柄、スマートフォンを買わざるを得ないのは当然。財力が許す限り、気に入ったスマートフォンを購入した。

買って良かった「ARROWS X LTE F-05D」

photo 「ARROWS X LTE F-05D」

 その中でも特に気に入っているのが、先日発売となったNTTドコモの富士通製Androidスマートフォン「ARROWS X LTE F-05D」である。国内メーカーとして初めてLTE(Xi)に対応したスマートフォンであり、これでもかというぐらいの“全部入り”っぷりである。発表会当日に購入を決心していたのだが、試作機のソフトウェアの出来、兄弟機とも言える「REGZA Phone T-01D」で発生した通信できなくなる不具合、そして噂通りの品薄さなど、率直に言うといろいろな意味で不安だった。

 しかし、苦労して何とか手に入れた製品版は、事前の不安を良い意味で吹き飛ばすような出来の良さ。タッチパネルの感度も良いし、特にLTEエリアでの通信レスポンスは思わず笑ってしまうほど良好であり、心の底から「買って良かった」と思えるものだ。ただし、LTEを搭載したスマートフォン共通の課題ではあるが、電池の消費が非常に激しい。“人力ecoモード”といえるほど省電力について注意を払ったつもりでも、半日でバッテリーが底をつくということも――来年は、是非LTEスマートフォンの更なる省電力化に期待したい。

4Sまで我慢できずに「iPhone 4」を購入

photo 「iPhone 4」

 「iPhone 4」もとても気に入ったスマートフォンだ。iPhone 3G/iPhone 3GSと発売日に購入してきた筆者であったが、iPhone 4は自分が好きなホワイトがなかなか出ず、お預けを食らっていた。いざホワイトが発売されたころには、もうiPhone 4Sのウワサが飛び交っており買うのを諦めようと自己暗示をかけていたが、結局、4S発売まで我慢できずに3GSからの機種変更で購入に至った。

 Appleが織りなす垂直統合の世界観は、ケータイのそれと似通っている部分も多く、多くのユーザーにとって取っ付きやい。何より端末の“所有感”が半端なくある。そして、4Sが出たからといって“時代遅れ”になることもなく、新たに登場したiOS 5によって、更にその魅力を増した。古い端末でもより魅力的に“よみがえる”という感覚はiPhoneならではだろう。しかし、“無線機”としての性能はどうか、といわれると、同じソフトバンクモバイルから出ている国内メーカーの端末と比べても劣る面がある。4Sでは改善はされているものの、まだまだな面があると筆者は思っている。来年出るであろう新型iPhoneには、“無線機”としての性能向上も期待したい。

それでもケータイは進化している

photo 「F-09C」

 先述のとおり、スマートフォンシフトがものすごく進んでいる昨今。おサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信が付いたAndroidはもう珍しいモノではなく、スペック・使い勝手の面での進化もめざましい。

 一方、“成熟”したと言われているケータイは、スマートフォンの陰に隠れて目立たないものの、進歩の歩みを止めてはいない。特に、ドコモのiモードケータイは、夏モデル、冬モデルと新機軸を積極的に組み入れている。やはり、こちらも仕事と趣味柄、気に入った機種を購入してきた。

 富士通製の「F-09C」は、iモードケータイに視差バリアの3D表示液晶を搭載した面でインパクトが強かった。iアプリも3D表示に対応し、今までとは違う方向でゲームを楽しむことができた。また、Androidスマートフォンの便利な面も貪欲に取り入れ、ステータス(アンテナピクト)部をスクロールすることで出てくる“ステータスメニュー”は、メニュー画面の階層をたどらなくてもさまざまな設定画面にアクセスでき、大変重宝した。

 同じく富士通製の「F-02D」は、CPUを「SH-Mobile G4」から「SH-Mobile AG5」、しかも1.2GHz駆動のものに変更し、処理速度を改善。今季モデル共通でiモードケータイ用の「docomo Pallet UI」と、それに付随する新サービス「My Face」が搭載された。iモードメールの宛先も従来比10倍の最大50件までに拡張され、iモーションも従来比5倍の50Mバイトまで対応するようになった。すごく地味ではあるが、iアプリの機能バージョンも上がっていて、アプリでできることがさらに広がっている。購入当初、電池残量表示の不具合にものすごく翻弄されたが、それもソフトウェアアップデートで解消し、今までで一番“快適”なケータイとして重宝している。

 このように進化の歩みを止めないケータイではあるが、スマートフォンと比較すると端末を買い換えないとソフトウェア的な機能を追加できない、という問題点も浮き彫りになってくる。iモードケータイは、ケータイの中でも多機能なアプリ環境であるiアプリが使える。個人提供のものを含めるとかなり便利に使えるだけマシではあるが、スマートフォンのアプリラインアップに慣れると物足りない、という気持ちも分からないでもない。

来年、ケータイはどうなるか?

 個人的には、まだ“ケータイの方がよっぽど「スマート」”と思っているが、来年はスマートフォンもケータイの“スマートさ”をより高度に身につけるのではないか、と期待している。つまり、ケータイとスマートフォンがより統合される、という方向性だ。

 しかし、そのハードルは案外高いのかな、とも感じている。国産ケータイのスマートさは、端末とサービスの高度な結び付きから生まれるある種の“束縛”の恩恵であることも事実。スマートフォン、特にオープンプラットフォームが持つ“自由”というイメージとどう折り合いを付けるか、という点においてさらに難しい舵取りを迫られるだろう。

 束縛された世界はリスクが少ないが、広がりに限界がある。これは、前述の通りケータイのアプリ面で特に顕著に現れている現象だ。一方、自由な世界には広がりがあるが、リスクが大きくなる。現にAndroidスマートフォンでは、ユーザーの個人情報を勝手に送信するマルウェアの存在が問題視されるようになっている。

 “自由と束縛”はトレードオフの関係であることは間違いなく、ケータイ/スマートフォンともに両方を高度に満たせているとは思えない。来年は“自由と束縛”へのチャレンジの年である、とさまざまな端末の登場を勝手に期待して、本稿を締めたいと思う。

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