では1310万画素裏面照射型CMOSセンサーの威力をチェックしていく。最初にあずまやから。これが実にきれい。青空も緑も出てるし松の枝もシャープでクオリティはかなり高い。周辺部に画質劣化が見られるが、まあある程度はしょうがないところだ。
で、今回あずまやから掲載したのには理由がある。象の滑り台の写真で、今まで他のケータイカメラやスマホカメラには見られなかった現象が出てるのだ。画面左右の下にある光の円弧である。強い光源が構図のちょっと外にあるとき(陽射しが斜めから当たるとき)に起きる。完全な逆光だとあまり目立たない。
こちらが象の滑り台。太陽は右上の画面の外にある、逆光といえるほどの逆光でもない状態だ。この作例は基本的に撮影時間帯もできる限り統一してる(冬は日が短いので13時半〜14時、春〜秋はもうちょっとアバウトに13時半〜14時半ごろ)ので、今までの作例と比べてもらってもいい。
これはなんだろうとカメラ部をよく見ると、レンズの周りについてるリングの内側に当たった光が反射してレンズに入り、それをカットしきれなかったように思える。でもKDDIから出ているレンズ周りのデザインがやや異なる「ARROWS Z ISW11F」でも同じ症状が出ているので、主因はレンズ側だろう。
実際、スマホやケータイのカメラはレンズにあまりコストをかけらられないため、強い光源が近くにあるときに、レンズモジュール内部で反射した光がセンサーに届いてゴースト(本来写らないはずの光が幽霊のように写ってしまうこと)が出てしまうことがある、というか、ほとんどの機種がそうだ。コンデジでも廉価モデルではそういうことが起きる。
ただ、ここまで派手に円弧状のゴーストが出るモデルは初めて見た。その現象が出るハードルが低すぎる。NTTドコモと富士通によると、これはソニー製カメラモジュールの仕様であるという。ソフトウェアで改善できるものではないとのことで、残念である。
以下4枚の写真は、斜めから太陽光が当たる同じ場所でARROWS X LTE、ARROWS Z、iPhone 4S、Xperia arc SO-01Cで撮影したもの(撮影は編集部によるもの)。ARROWS X LTEとARROWS Zでは同じようにゴーストが大きく出ているが、iPhone 4SとXperia arcではうっすらと出るのみで、ほとんど目立たない。
ただ、ゴーストが出る状況を除けば、極めてよく写る。青空もきれいだし、最大3倍のデジタルズームでも画質の劣化はさほどひどくない。
屋外でのちょっとしたスナップも写りはいい。特にニワトリの写真は日陰でけっこう暗かったにもかかわらず、しっかり撮れてるし、雪だるまのイルミネーション(昼間なので光ってないけど)もしっかりタッチAFした鼻の頭にピントが合ってる。
日陰の暗い場所で撮った猫。本体を逆さにしてレンズの位置を低くすると、簡単にこういう写真が撮れる。
さらに室内での写真も。
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