裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」を用いたカメラは、Xperia arc/acroの810万画素から1210万画素に向上したほか、arc/acroでは4枚構成だったレンズがNX/acro HDでは5枚に増えており、より歪みの少ない写真を撮れる。130万画素CMOSのインカメラではHDサイズの動画も撮れる。
カメラのUIもシンプルなものに改善されている。初期状態の撮影画面に表示される機能アイコンが減り、左端に空いているアイコン3つ分のスペースに、任意の撮影機能(サイズ変更やセルフタイマーなど)を設置できる。新たに用意された「クイック起動」では、スリープ時にカメラキーを長押しすると、約1.5秒で「カメラ起動→撮影」ができる。iPhone 4Sをはじめ、ロック解除せずにカメラを起動できるスマートフォンは多いが、撮影まで完了できるのは珍しい。シャッターチャンスを逃さない便利機能といえる。なお、クイック起動では「カメラ起動のみ」「オフ」の設定も可能だ。静止画の撮影間隔は0.5秒なので、素早く撮影を続けられるのもうれしい。
ミュージックプレーヤーも進化し、再生中にジャケット写真を左右にフリックすると曲送りができる。また、ジャケット写真の色と同じテイストの背景色に自動で変わる仕掛けも用意した。音質にもこだわり、Walkmanにも採用されているサラウンドオーディオやクリアオーディオを搭載し、イヤフォン装着時の有効となる。サラウンドオーディオではソニーのバーチャルサラウンド技術を用い、スタジオ、クラブ、コンサートホールを設定できる。こちらもWalkmanでおなじみ、イコライザーのマニュアル設定も追加された。
日本語入力システムは「POBox Touch 5.0」に進化し、手書き入力、よく使う記号や文字をテンキーに登録できるカスタマイズ機能、オンライン辞書連携が追加された。手書き入力はひらがなと英数字のみ可能で漢字入力には対応していないが、認識速度が速く、素早く手書きしても問題なく変換できた。オンライン辞書は、ユーザー参加型の「Social IME」(外部リンク)を使用している。Social IMEは、顔文字、芸能人名やマンガ作品名など、一般の入力システムでは変換しにくい単語や固有名詞を容易に変換できるのが特徴。例えば「かお」と入力してオンライン辞書を呼び出すと、より多くの顔文字が変換候補に現れる。入力後に「候補」ボタンを長押しすることで、オンライン辞書から変換候補を呼び出せる。
Xperia arc/acroからハードウェア、ソフトウェアともに着実に進化したXperia NX/acro HD。acro HDのデザインは少し大人しい印象を受けるが、NXのFloating Prismは、ソニエリのスマートフォンらしい斬新さが注入されている。従来のXperiaシリーズの弱点でもあったメモリ(ROM)の少なさも解消されたほか、acro HDは国内のXperiaでは初の防水性能も備え、隙のないスペックに仕上がっている。Xi(LTE)に対応せず、次世代の高速通信を利用できないのは残念だが、現状のLTEスマートフォンのバッテリー持ちを考えると、通信は3G+無線LANが最も実用的なのかもしれない。発表済みのドコモ冬春モデルにこれら2機種が加わることで、さらにユーザーを悩ませることになりそうだ。
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