NECカシオモバイルコミュニケーションズは2月22日、NTTドコモから発売されるAndroidスマートフォン「MEDIAS ES N-05D」と、高速通信サービス「Xi(クロッシィ)」や携帯端末向けマルチメディア放送局「NOTTV」に対応したタブレット端末「MEDIAS TAB N-06D」の製品説明会を開催した。
24日から事前予約が始まるMEDIAS ES N-05Dは、ボディの厚さが6.7ミリと極めてスリムなスマートフォン。ESとはExtra Slimの略で、製品名でもその薄さを強調している。NECカシオモバイルコミュニケーションズ代表取締役社長の田村義春氏は、「MEDIASシリーズの最も基本的なバリューである、薄さを追求した製品。従来よりも薄い6.7ミリのボディを実現しただけでなく、重さも約110グラムと軽量化を果たした」と胸を張る。
単に薄く・軽くするだけでなく、“強さ”にも配慮している。ボディにはステンレスと樹脂を組み合わせたハイブリッド構造を採用し、タッチパネル表面にはゴリラガラスを搭載。田村氏は、「ややもすれば『ただ薄いだけで壊れやすいのではないか』という声が寄せられていたが、MEDIAS ESはさらに薄さを追求したうえでタフネスさも増した。薄いから不安――ということもなくなる」と説明した。
処理能力とディスプレイのスペック向上も見逃せない。プロセッサは1.5GHzのデュアルコアプロセッサである米Qualcomm製の「MSM8260」で、「処理速度は(従来のMEDIASから)3倍になった」(田村氏)という。また、4.3インチのタッチパネルはHD(720×1280ピクセル)表示と高解像度なもので、乾燥した指先でも繊細な操作が可能な高感度タッチパネルや、振動で操作時の反応が分かるタッチフィードバックを盛り込んだ。カメラには810万画素の裏面照射型CMOSセンサーで、暗いシーンでも美しく撮影できる。また、約0.7秒の瞬速起動と瞬速撮影にも対応し、シャッターチャンスを逃さず撮影できる。
また、ドコモのオペレーターから遠隔操作で操作方法などの案内が受けられる「スマートフォンあんしん遠隔サポート」にも対応する。このサポートサービスは、この春以降に発売されるドコモのAndroidスマートフォンやタブレットにも対応する予定だが、MEDIAS ESが先行で対応している。
田村氏によると、2011年2月に発表された「MEDIAS N-04C」のユーザー比率は、男性が68%で女性が32%。防水仕様になった「MEDIAS WP N-06C」では男性が51%、女性が49%とバランスが拮抗している。MEDIAS ESでも、アプリやアクセサリーなどを充実させ、女性層の拡大を狙う方針だ。
一方のMEDIAS TAB N-06Dは、7インチのWXGA(800×1280ピクセル)液晶を備えたAndroidタブレット。こちらは、Androidタブレットの「LifeTouch」を手がけるNECのパーソナルソリューション事業本部が開発を主導したもので、メーカーはNECカシオではなくNECになる。
一番の特徴は、なんといってもNOTTVが見られる点。NECパーソナルソリューション事業本部の西大和男氏は、「NOTTVは、同じモバイル向け放送のワンセグよりも10倍高品質。NOTTVとSNSの画面を同時に表示し、番組を見ながらコメントを投稿する――といった楽しみ方もできる。これがタブレットの良さ」と話す。映像コンテンツを一層楽しめるよう、音響技術「Audyssey(オーディシー)」や「SRSサラウンド」など、サウンド面の機能も付加された。
ボディは防水(IPX5/IPX7)・防塵(IP5X)仕様ながら、厚さが9.9ミリとスリムでフラットな仕上がり。片手での操作や持ち歩きも可能だ。「うちの妻は、PCで印刷したレシピをキッチンに貼ったりしているが、防水仕様のMEDIAS TABを1台持ち込めば、ブラウザからレシピを見ることができる。まさにキッチン革命だ」(西大氏)
OSにはAndroid 2.3を採用し、プロセッサには1.2GHzのデュアルコアCPU(米Qualcomm APQ8060)を搭載。ボディの内側/外側双方に、有効約200万画素のCMOSカメラを搭載している。Xiで高速通信が可能なほか、ほかのWi-Fi機器向けにテザリング機能も提供できる。さらに、おサイフケータイや赤外線通信、エリアメール、そして通話機能にも対応。西大氏が「製品コンセプトは『すべてを持って、でかけよう』だ」と話す通り、ヘビーユーザーからの期待が大きいフルスペックモデルと呼んでいいだろう。
だが、西大氏は一部のユーザーだけの製品ではないことも強調する。製品ラインアップ上の位置付けは実に先鋭的だが、フル機能を備えるのは「ユーザーの裾野を広げたい」(西大氏)からだ。例えばMEDIAS TABの日本語入力システムは、ソフトキーが左右に分かれるセパレートキーを採用した。左右のキーを入れ替えたりサイズを小さくすることもでき、ユーザーの好みに合わせた文字入力が行える。またスマートフォンあんしん遠隔サポートにも対応した。
西大氏は、「使う人の工夫によって、もっと便利に使うことができる。それもタブレットの利点」と話す。MEDIAS TABが多機能なのは、どんなユーザーのどんな使い方にも対応するため、と言えるだろう。
今回の説明会には、NTTドコモプロダクト部第一商品企画担当部長の藤間良樹氏も登場した。藤間氏は2月15日に発売された「MEDIAS LTE N-04D」に触れ、「N-04Dは好調なスタートを切っている。MEDIASファンが定着している証だろう」と、続くN-05DとN-06Dへの期待も寄せた。
「N-05Dは薄型モデルの正常進化版。エントリー層へのリーチも期待できるモデルだ。裾野の広がりに合わせて、スマートフォンあんしん遠隔サポートに先行して対応させた」と明かす。
またN-06Dについては、「NECとmmbi、NTTドコモの取り組みにより、『NOTTV』の魅力を最大限引き出せるモデル。NOTTVはNTTドコモとしても重要な取り組みであり、NOTTVの高画質コンテンツを楽しめる7インチと高音質スピーカーを持つN-06Dへの期待は大きい。また、Xiと防水、そして通話と、まさに全部入りと言って良いフラッグシップモデルでもある」(藤間氏)と、高く評価した。
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