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» 2012年02月29日 06時57分 UPDATE

Mobile World Congress 2012:ナンバーワンにこだわり――Ascendシリーズで“上昇”を狙うHuawei (1/2)

MWCのHuaweiブースでは、新シリーズ「Ascend」に属するスマートフォンを中心に展示していた。中でも注目を集めていたのが、独自開発したクアッドコアCPUを備える「Ascend D quad」だ。

[田中聡,ITmedia]
photo Huaweiブース

 Mobile World Congress 2012で存在感を高めたメーカーの1つがHuaweiだろう。同社はこれまでローエンド〜ミドルクラスの端末を主に開発してきたが、2012年に新ブランド「Ascend」を立ち上げ、手薄だったハイエンドなスマートフォンも積極的に投入していく。同社ブースでファーウェイ・ジャパン 端末本部 プロダクトセンター 商品企画担当部長の伊藤正史氏に話を聞きながら見どころをチェックした。

 Huaweiが新しく立ち上げたAscendブランドでは4つのシリーズに分類。この中で最もスペックが高いのがAscend D(Diamond)で、その頂点に位置付けられる製品がMWCで発表された「Ascend D quad」だ。商品名にも使われているクアッドコアCPU(1.2GHz/1.5GHz)に加え、Android 4.0、4.5インチHD液晶、約800万画素の裏面照射型CMOSセンサー搭載カメラなど、最先端の機能が凝縮されている。64(幅)×129(高さ)×8.9(厚さ)ミリのボディには1800mAhのバッテリーを搭載し、最大30%の省電力を実現するなどバッテリー性能にもこだわった。省電力化を実現できたのは「使用するアプリの負荷を見ながら、2コアで動くか4コアで動くかを判断している」(伊藤氏)ことが大きいようだ。さらに、2500mAhの大容量バッテリーを備える「Ascend D quad XL」や、1.5GHzデュアルコアCPUを搭載する「Ascend D1」、LTE通信をサポートする「Ascend D lte」などもラインアップする。いずれもOSはAndroid 4.0だ。

photophoto 「Ascend D quad」
photophotophoto 戻る/ホーム/MENUのセンサーキーを搭載(写真=左)。上端部(写真=中)と左側面(写真=右)

 Ascend D quadには中国のHiSilicon Technologies(ハイシリコン)製プロセッサー「K3V2」を採用している。ハイシリコンはもともとHuaweiのASIC設計センターとして1991年に設立されたが、2004年10月に独立し、現在は中国深センに本社を構える。このプロセッサーではCPU、GPUともに最速というベンチマークテストの結果も出ているといい、同社はAscend D quadを「世界最速スマートフォン」とアピールしている。ブースの説明員によると、同じくクアッドコアCPUを持つ「Tegra 3」と比べ、「ベンチマークではCPUが35%、GPUが約2倍高いスコアを出した」(説明員)という。またデュアルコアと比べると、「操作レスポンスは約20%向上している」(伊藤氏)。

 UI(ユーザーインタフェース)にもHuawei独自のカスタマイズを施し、左右にフリックをするとページが球体状になって回転するほか、カレンダー、Eメール、時計、天気予報などの3Dウィジェットも用意した。ただ、発売時期が遅いためか、Ascend D quad(展示機)のホームUIはAndroid 4.0標準のままだった。また、展示機には最大160Gバイトのストレージを利用できるHuaweiの「Cloud+」がプリセットされていたが、現在Cloud+を利用できる地域は中国のみ。日本での提供も「検討はしているが、同様のサービスをキャリアさんが行う場合があるので、すぐに提供するのは難しい」(伊藤氏)とのこと。

photophotophoto こちらは「Ascend D1」。基本的な外観はAscend D quadと似ている
photophotophoto 設定画面(写真=左)。OSバージョンは「Android 4.0.3」(写真=中)。ステータスバーにはWi-Fiや画面回転などの設定パネルが並ぶ(写真=右)
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photophotophotophoto ホーム画面には独自の3Dウィジェットを設置できるほか、ページが球体状になって回転して切り替わるグラフィックも用意した
photophotophotophoto アプリ一覧(写真=左端、左中)。最大16Gバイトのストレージを利用できる「Cloud+」(写真=右中、右端)
photophoto LTE通信をサポートする「Ascend D lte」(写真=左)。Ascend DシリーズはMHL-HDMIによるテレビ出力が可能だ(写真=右)

 Dの次のクラスに位置付けられるのがP(Platinum)で、世界最薄の6.68ミリを実現した「Ascend P1 S」や、LTEに対応する薄型スマートフォン「Ascend P1 lte」が発表されている。続いて、ミドルクラスのG(Gold)、低価格帯のY(Youth)をラインアップ。「従来のHuaweiはGとYのゾーン、つまりミドル/ローエンド端末の開発が中心だったが、技術革新を行い、新しいユーザー体験を提供したい。世界最薄や世界最速など“ナンバーワン”にこだわりを持っている」と伊藤氏。Ascend D/Pシリーズともに発表後に「完成度が高いという反応を多くいただいている」と同氏も手応えを感じている様子。さらに、Ascend Dシリーズなどのハイエンド端末の価格は競合他社の同スペック製品よりも安く設定するという。「コストパフォーマンスの高さも目指す。アーリーアダプターというよりは普及層に向けて投入したい」(伊藤氏)。また「(Ascend D/Pシリーズは)日本市場への投入も視野に入れている」とのことなので期待したい。「上昇」を意味するAscendシリーズで、Huaweiのブランド価値がどこまで“上昇”するか注目したい。

 余談だが、Ascendシリーズを象徴するキャラクターのペガサスを模した像が、MWC会場の敷地内に展示されている。この象をよく見ると、Huaweiのスマートフォン「Honor」が外側に覆われており、物珍しげに写真を撮る人が多かった。

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photophotophoto 会場に設置されていた“Honor製”のペガサス像。このペガサスも「上昇」をイメージするものとして使われている
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