ユーザー目線で新時代を先取り auが目指す「スマートパスポート構想」の狙いとは?(3/3 ページ)

» 2012年03月13日 10時00分 公開
[神尾寿,PR/ITmedia]
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2012年、2013年に向けてどういう世界を作っていくか

―― では、今回打ち出した「スマートパスポート構想」で、KDDIは2012年、2013年にどういう世界を作っていくのでしょうか。

高橋氏 今回はやりたいことを最初から明確に打ち出しました。「3M戦略」で「au ID」を中心にマルチデバイスとマルチネットワーク、そしてマルチユースを実現していくこと、そしてその利用価値はこんな感じです、というのを打ち出せました。これからの2年間はそれを徹底的に進めていくことになります。

 マルチデバイスですから、対応デバイスも増やさないといけません。テレビなどにも対応していかないといけないでしょう。マルチネットワークは品質競争なので、ネットワーク品質にも徹底的にこだわります。マルチユースの面では、「auスマートパス」のような上位レイヤーサービスをお客様に分かりやすくご提供していきます。

 「auスマートパス」は、通信キャリアがお客様を囲い込むという発想ではなく、スマートフォンの上でコンテンツプロバイダー(CP)がうまく収益を上げていく仕組みを用意したかったという思いもあります。スマートフォンユーザーに対しては、アイテム課金などがうまくいったため、そこはビジネスとして成り立っていますが、ケータイのような月額課金は単純にはやりにくくなってしまった面があります。でもお客様は価値あるものにはお金を払っていただけますので、そのボリュームを、リスクを冒して取りにいけるのは当社しかないと考えたわけです。

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―― アプリをはじめとするコンテンツ市場の成熟は、スマートフォンをより楽しく便利に使うために必須のものですが、CPからするとリスクをどれだけ背負えるかという課題があった。そこで一定のリスクをKDDIが取り除く、というのは確かに重要ですね。

高橋氏 そうです。「auスマートパス」はコストを先にCPに配分するモデルなのです。こういうことは、通信キャリアにしかできない。最初は当然赤字ですが、ここでCPに頑張っていただきたいのです。ここで重要なのは、通信キャリアが“こんなものを作りたい”と思って無理やり作らせてもダメということ。モチベーション高く活躍してくれる人が出てくるような仕組みを作らないといけません。中身は今まさにブラッシュアップしているところですが、CPの努力と結果に応じてレベニューが入る仕組みにしていきます。

―― 今後のスマートフォンやタブレット、スマートテレビの普及には「利用環境をどのように整備していくか」が課題になっています。そこでKDDIの「スマートパスポート構想」の重要性は、さらに増していくことになりそうですね。

高橋氏 今回はまず第一弾ですから、ユーザーであるお客様、そしてステークホルダーの皆さんにも、期待して見ていていただければと思っています。



 KDDIが、競合他社に先駆けてさまざまなことに取り組み、“スマートパイプ”への成長を目指す「3M戦略」。その第1弾として発表された「スマートパスポート構想」は、KDDIが掲げるビジョンを、実際の製品やサービスとして、ユーザーに見える形で提供するものだ。

 この“他社に先駆けて”という点はKDDIが非常に重視しているポイントで、同社は今、新しい取り組みに積極的にチャレンジしている。そしてそのチャレンジの先にKDDIは「ゲームチェンジ」を見据える。今回のインタビューでも、KDDIがスピード感を持ってさまざまなサービスを企画・開発していることが如実に伝わってきた。

 特に「スマートパスポート構想」では、高橋氏が「お客様の目線で、心地よい存在になることを目指した」と話したとおり、しっかりとユーザーに分かりやすいメリットを提示している点に好感を持った。「auスマートパス」では、さまざまなコンテンツを、「au ID」を介して複数の環境(デバイス)で利用可能にし、ユーザーがその時に使いたい最適なデバイスを選べ、その上でいつもと同じ快適さ、便利さを担保する。「auスマートバリュー」では、自宅にいるときに、3Gのネットワークではなく、より高速で快適なケーブルテレビや光回線を活用してもらえるよう、料金を最適化した上でスマートデバイスからのインターネット利用をさらに楽しめるようにする。こうした1つ1つの積み重ねの上に、トータルでのユーザー体験の向上を実現している。

 余談だが、2011年10月に発売をしたiPhone 4Sでも一歩一歩ユーザーの利便性を向上させている。iMessage/FaceTimeの対応に加えて、国際ローミング事業者選択機能も既に提供を開始。さらにEメールのリアルタイム受信は3月13日より提供を開始し、ロック画面からでも「件名/差出人名」が確認できるようになったことに加え、ビジュアルボイスメールなども3月中には対応予定だ。基本性能部分では、ほどなくライバルとの差もなくなり、Eメール機能などはライバルよりも使い勝手が向上されている。地道な努力を重ね、Android™以外のプラットフォームにも“スマートパスポート”を横展開していきたいと高橋氏は話していたが、こうした進捗を見ると、大いに期待したくなる。

 「3M戦略」を分かりやすく具現化した「スマートパスポート構想」に続いて、第2弾、第3弾も、これから矢継ぎ早に投入していくというKDDI。ユーザーが複数のデバイスを手にするのが当たり前になる近未来で、どういう仕組みがあればコンテンツやサービスを楽しく便利に使いこなせるのか。実際に“スマートパスポート”を手にして、その目指す先を見守りたい。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年4月12日