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» 2012年03月14日 00時00分 UPDATE

Mobile World Congress 2012:タッチ+QWERTYキーで差別化――RIM ウェイド氏が語るBlackBerry Bold 9900の魅力

Android、iOS、Windows Phoneと並んで独自にOSを提供しているRIMの「BlackBerry」。ドコモからは「BlackBerry Bold 9900」が発売予定だが、どんな特長を持つのか。RIMのウェイド氏に話を聞きながら実機に触れた。

[田中聡,ITmedia]

 BlackBerryシリーズでおなじみのRIM(Research In Motion)は、Mobile World Congress 2012で新モデルは発表せず、発売済みの端末、BlackBerryを用いた新サービス、NFCサービスのデモなどを披露していた。日本ではドコモから3月に「BlackBerry Bold 9900」が発売される予定だ。Mobile World Congress 2012でRegional Managing Director East Asiaのグレゴリー・ウェイド(Gregory Wade)氏に話を聞きながら実機に触れる機会を得たので、簡単にリポートしたい。

photo RIMのグレゴリー・ウェイド氏

 日本のスマートフォンは現在のところiPhoneとAndroidが大きなシェアを占めているが、BlackBerryならではの特長はどこにあるのか。ウェイド氏は「日本のユーザーがタッチ好きであることも知っているが、キーボードを好んで使う人も多い。BlackBerry Bold 9900はタッチパネルとキーボードを搭載していることで、素晴らしいユーザー体験を提供できる。メニューのインタフェースやパフォーマンスも優れている」と話す。現在日本で売られている多くのスマートフォンがフルタッチ型のモデル。タッチパネル+テンキー型のモデルはあるが、“タッチパネル+QWERTYキーボード付きのストレート型スマートフォン”は、BlackBerry Bold 9900を除くと他社製品では少ない。

 BlackBerry Bold 9900のタッチパネルは静電式で、画像やブラウザをダブルタップやピンチイン/アウトで縮小/拡大といった操作も可能。動作は現行のAndroidやiPhoneと比べても遜色ないと感じた。BlackBerryシリーズではおなじみのトラックパッドも健在で、指を滑らせるだけで上下左右へスムーズにスクロールする。QWERTYキーボードなので両手での操作が基本となり、キーは決して大きいとは言えないが、左半分のキーには右上に、右半分のキーには左上に窪みがあるので、各キーを判別しながら入力しやすく、押下感も良好だ。UIもシンプルだ。ホーム画面には全アプリが一覧表示され、左右に移動するとお気に入り、メディア、ダウンロード、よく使う項目へ切り替わる。メニューキーや戻るキーも用意されており、アプリ使用中に電源キーを押せばホーム画面に戻る。ホーム画面上で数字を入力して電話を発信でき、自局番号を含む通話関連のメニューをワンタッチで呼び出せるなど、電話機としても使いやすい。ロック解除ボタンを押せば即座にロックが解除されるのもユーザーに優しいと思う。

photophotophoto ドコモからも発売予定の「BlackBerry Bold 9900」(写真=左)。側面にメタルパーツがあしらわれている(写真=中)。QWERTYキーボードも押しやすい(写真=右)

 BlackBerryというとビジネスパーソン向けというイメージが大きいが、ウェイド氏はむしろ「ビジネスパーソンとコンシューマーの境界線がなくなりつつある」と感じているようだ。「日本のユーザーは友達や家族とのプライベートな時間を重んじる人が多く、電車の中で携帯電話を使う頻度も高い。TwitterやFacebook好きな人も多く、近況を素早くアップデートして友達や家族といろいろなものを共有している。BlackBerryがこうしたコミュニケーションをするきっかけになる」。実際、BlackBerry Bold 9900はTwitterやFacebookアプリをプリセットしており、手軽にSNSを利用できる。

 ウェイド氏は日本市場を「いろいろなトレンドが日本から生まれ、他の市場がキャッチアップしている」とみる。入力デバイスについては「日本でも物理キーボードに満足しているユーザーが多いので、(タッチ+物理キーの)ハイブリッドタイプのBlackBerryを出せることに興奮している」と話していた。メタルフレームを採用して高級感を演出したデザインについても「いかに美しく、洗練されているかを重視する日本ユーザーにとっても質の高い魅力的なものに仕上がった」と自信を見せる。

 BlackBerry Bold 9900は最新OSである「BlackBerry 7.1」を採用しているのも特長の1つ。ドコモが2011年10月に発表した際は7.0となっていたが、日本では1つ上の7.1が搭載された状態で発売されることになる。7.0からの差分として、後述するNFCを用いた「BlackBerry Tag」、テザリング、緊急地震速報の対応などが挙げられる。7.0についてはウェイド氏はブラウザ速度が向上した点を強調していた。同社のベンチマークテストによると、BlackBerry 6.0と比べてレンダリング速度が40%向上しているという。

 日本ではまだ対応サービスが登場していないが、NFCもサポートしており、BlackBerry Tagを利用することで、画像、アドレス帳、URLなどのデータをNFC端末と交換できる。技術的な仕組みは同じなので、「NFC対応のAndroidスマートフォンなどとも情報の交換はできるのでは」(ウェイド氏)とのこと。また、BlackBerry Bold 9900(とBlackBerry Curve 9360)は、MasterCardが運営する非接触型ポストペイサービス「PayPass」を利用できるNFCスマートフォンとして正式に認定されており、すでに海外ではこのNFCサービスが提供されている。「ユーザーからも信頼を得ている」とウェイド氏は胸を張る。「NTTドコモをはじめとする通信事業者がNFCのエコシステムをけん引している。RIMはNFCサービスの基盤を築きたい」(ウェイド氏)

photophoto MWCのブースでは、NFC端末をかざしてURLを読み込むデモを実施していた

 ウェイド氏は「BlackBerry Bold 9900はタッチパネルとキーボードが差別化要因になる」と繰り返し話していたが、タッチパネルとキーボード、そしてトラックパッドを加えた操作性には、iPhoneやAndroidとは異なる快適さを感じた。画面サイズが小さい、BlackBerry向けアプリが少ないなどのデメリットや課題はあるが、タッチ対応とBlackBerry 7.1への進化により、ハードウェアとしてはiPhone 4Sや現行Androidに肩を並べられる存在だと感じさせられた。「長い将来にわたって日本市場で存在感を示せると信じている」とウェイド氏が話すBlackBerryの今後に注目したい。

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