ニュース
» 2012年03月19日 09時30分 UPDATE

Mobile World Congress 2012:実はこんなにあった! MWC2012に出展されていたWindows Phone (1/2)

3月1日に閉幕した、通信業界最大の展示会「Mobile World Congress 2012」。今年展示された端末の多くはAndroidスマートフォンだったが、Windows Phoneへの注目も高まっている。「ななふぉ」でWindows Phone関連情報を発信している山口健太氏が状況をまとめた。

[山口健太,ITmedia]
Photo Mobile World Congress 2012の会場

 2月27日から3月1日まで、スペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congress 2012(MWC)では、数え切れないほどのスマートフォンが各社のブースで展示された。昨今の市場シェアを反映して、Android搭載端末が多数を占めていたものの、Windows Phoneについても注目すべき展示があった。

 Windows Phoneはバージョン7で全く新しいプラットフォームに生まれ変わり、アプリの互換性も失われたため、苦戦しているのが現状だ。しかし独自のユーザーインタフェース(UI)“Metro”のインパクトやNokiaの本格採用、さらにはWindows 8との相乗効果により、期待感は大きく高まっている。

 今年のモバイル業界の動向を占う上で重要なMWCで、Windows Phoneはどのような存在感を示したのか、まとめて紹介しよう。

Microsoftブースは寂しい印象

 Windows Phoneの展示として真っ先に思い浮かぶのはMicrosoftのブースだろう。MWCにおいてMicrosoftはWindows Phoneを大きくフィーチャーしたブースを構え、Windows Phoneの実機展示や、他のプラットフォームとの対決企画「Smoked by Windows Phone」を行った。

PhotoPhoto Microsoftブースの様子。数台のWindows Phone端末が展示されている。右は「Smoked by Windows Phone」のステージ

 「Smoked by Windows Phone」は、展示スタッフとスマートフォンで「対決」し、勝てば100ユーロがもらえるという企画。対決とは、例えばどちらが早くスマートフォンで写真を撮影し、Facebookにアップロードできるかを競う。ガンマンの早撃ち対決をモチーフにした企画だ。

 だが、会場全体の雰囲気からするとMicrosoftのブースは若干「浮いて」いたという印象だ。特にGoogleの、Android陣営を手厚く応援する趣向を凝らしたブースと比較すると、なおさらだ。また、MWC会場近くで報道関係者向けに発表された「Windows 8 Consumer Preview」の展示も期待されていたが、ブースへの出展は見送られた。

Nokiaブースは大いに賑わう

 しかし会場全体でWindows Phoneが低調だったのかというと、決してそうではない。というのも、Nokiaのブースが大いに賑わっていたからだ。

 Nokiaはイベント初日の朝にプレスカンファレンスを開催し、新しいWindows Phone端末を発表。ここには多くの報道関係者が詰めかけた。また、NokiaブースにはWindows Phoneだけでなく、41メガピクセルという高性能カメラを搭載するSymbian端末や、現在でも世界で高いブランド力を誇るフィーチャーフォンの新モデルを展示。ブースは来場者でごった返していた。

 プレスカンファレンスにはCEOのスティーブン・エロップ氏やフィーチャーフォン・スマートフォン各担当の副社長など、豪華な顔ぶれが勢ぞろいした。さらに注目したいのは、Microsoftのテリー・マイヤソン氏が登壇した点。マイヤソン氏はMicrosoftでWindows Phone部門を統括しており、アンディ・リース氏の後任を務めている。

PhotoPhoto 左は来場者で賑わうNokiaブース。プレスカンファレンスに登場したMicrosoftのテリー・マイヤソン氏(左)と、Nokiaのジョー・ハーロウ氏(右)

 マイヤソン氏は、Nokiaのイベントに集まった報道関係者向けに、Windows Phone展開の地理的な拡大と、中国市場への参入を発表した。そのためにMicrosoftは、Windows Phoneをローエンド市場に投入する準備を進めてきたという。ローエンド向けWindows Phoneの第一弾となる端末として、Nokiaのジョー・ハーロウ氏は「Nokia Lumia 610」を披露した。

  • Nokia Lumia 610

 Lumia 610はWindows Phoneとして初めて、ローエンドに位置する端末だ。スペック的にはプロセッサとしてSnapdragon S1世代の「MSM7227A」800MHzを搭載、メモリは256Mバイトとなっており、従来のWindows Phoneよりも少ない。

 しかし実際に触ってみたところ、操作感がもたついたり、画面描画に引っかかりが発生することは皆無だった。NokiaのLumia 610担当プロダクトマネージャーによると、OSやファームウェアの最適化により、低スペック端末でも快適な操作感覚を実現できているとのことだ。

 Lumia 610が搭載するWindows Phoneの次期マイナーアップデート「Tango」では、メモリが256Mバイトしかない端末でも安定して動作するよう、さまざまな制限が設けられる。具体的には一部のメモリを大量に使用するアプリが動作しなくなり、動画のビットレートや写真の自動アップロード、ポッドキャストの自動購読など、OSの機能のいくつかを制限する。

PhotoPhoto 廉価版に位置付けられる「Nokia Lumia 610」。メモリが256Mバイトの端末にはOSレベルで機能制限がかかる

 アプリの対応については、Marketplaceの仕組みにも変更が入る。ローエンド端末で動作しないアプリを購入しようとした場合は、メッセージを表示して未然に防止する。アプリ開発者向けにもドキュメントやエミュレータを提供し、対応を促していくという。

 Lumia 610の価格は189ユーロと発表されており、従来のWindows Phone端末よりも大幅に安い。これにより、安価なAndroid端末に対して競争力のある価格で、Windows Phoneを提供できるようになるというわけだ。この新戦略はMWCでも大いに注目されており、Lumia 610は複数の賞を受賞。また、会場内で配布される無料誌などでもLumia 610が大きく特集されていた。

PhotoPhoto 「Tom's Hardware」と「Laptop Magazine」による賞を受賞。会場で配布されていた無料雑誌も、新しいLumiaを表紙に採用
  • Lumia 900やNokia独自アプリも

 そのほかにもNokiaは、1月のCESでAT&T専用モデルとして発表した「Lumia 900」のグローバル版を展示した。

 CESの会場とは異なり、MWCのブースでは一般来場者が操作できる状態で展示された。また、AT&T向けのLumia 900では表示言語が英語とスペイン語のみだったが、今回のグローバル版は日本語を含む複数のアジア言語に対応していた。表示言語は展示端末と実際に販売される端末で異なる場合があるが、他のLumiaシリーズの傾向から考えると期待できそうだ。

PhotoPhoto 「Nokia Lumia 900」のホワイトモデルとNokia Transportアプリ

 また、スティーブン・エロップ氏はプレスカンファレンスやキーノートにおいて、位置情報を活用するサービスの重要性に言及した。エロップ氏はこれを「What」「Who」「Where」という3つの切り口で説明し、インターネットやソーシャルネットワークが「What」や「Who」を提供してくれているのに対し、まだ弱い「Where」をNokiaのサービスによって実現していく構想を示した。Lumiaの搭載アプリでいえば、地図アプリ「Nokia Maps」、ナビゲーションアプリ「Nokia Drive」、そして今回発表された乗り換え検索アプリ「Nokia Transport」となる。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.