USBモデムはPCへ差すとインストーラが起動する、よくあるゼロインストール対応だ。
接続ソフトの表示言語は、予想通りすべてフランス語で言語切り替えは不可。モデムが電波をつかむと画面の上半分にある「3G F SFR」のエリアに3Gの電波強度が表示される。
あとはアンテナ感度表示の下にある「Se connecter」ボタンをクリックするとインターネットにつながる。仮にフランス語がまったく分からなくても、アイコンでだいたいのことは理解できると思う。「Info Conso」タブより利用状況などをチェックできるが、今回入手したSIMカードは3日間の定額プランなので残量を心配する必要はない。
SFRプリペイドSIMカードのAPN設定 | |
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APN | slsfr |
ユーザー名 | (なし) |
パスワード | (なし) |
入手したプリペイドSIMカードは、スマートフォンへ差し替えて使ってもよい。テザリングも可能だった。スマートフォンによってはSIMカードを入れると自動的にAPNが設定されるものもあるが、今回入手したプリペイドSIMカードはスマートフォンやルータ上でAPNの設定を要した。APN名は大文字でSLSFRとしてもよい。
3日間を使い切ったあとは、街中のどこかで残高追加カードを買うなどし、自身の作業で残高追加が可能である。もちろん、残高追加のページもフランス語表示オンリーなのはお約束。もう1つ、SFRの店舗へ出向けば、店員さんがその場でやってくれることもある。追加の利用料金は時間単位と容量単位の2タイプがある。
SFRプリペイドプラン | |
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時間単位 | 6ユーロ/24時間 9ユーロ/48時間 |
容量単位 | 3ユーロ/50Mバイトまで 9ユーロ/100Mバイトまで 15ユーロ/200Mバイトまで 25ユーロ/500Mバイトまで 35ユーロ/1Gバイトまで |
今回のパリ滞在はちょうど3日間だったため、SFRで購入したモデムセットでぴったり使い切れた。
実は今回は、事前にチェックしたフランス各通信事業者のWebサイトがほぼフランス語表示で、さらに出発前にバタバタしていたため、これで大丈夫というほど事前調査できなかった。このため、現地で実際にデータ定額制のプリペイド製品を入手できるかどうか不安で、実際、少しドタバタもあったが……、世界中でプリペイドのUSBモデムやSIMカードが販売されている昨今、フランス・パリでも海外渡航者向けの製品はきちんと入手できる。
ちなみにフランス語になんとなく慣れた後日、Webサイトを改めてチェックしたところ、現地ではあきらめたOrangeのプリペイドUSBモデム+SIMカードは39ユーロで、データ通信料金は6ユーロ/1日、10ユーロ/2日、15ユーロ/7日、25ユーロ/1カ月のようだ。つまり、Fnacで見た59ユーロのセットは数日分(1週間分ほど)の利用料金が含まれていたと思われる。今回は時間がなくOrangeの店舗へは行けなかったが、次回はこのOrangeのものを買ってみようと思う。
ともあれ、観光地付近の店舗なら英語が通じやすい。観光であればおそらくは訪れるであろうエッフェル塔付近やシャンゼリゼ通りでプリペイドSIMカードも一緒に入手するのはいかがだろう。
山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1000台に達した(2012年3月時点)。
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