海外プリペイドSIM+無線LANルータ導入マニュアル──「アメリカ・サンフランシスコ 2012年」編「LTEもプリペイド」な海外定額データ通信(3/3 ページ)

» 2012年05月24日 14時00分 公開
[山根康宏,ITmedia]
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国内でレンタル、あるいはルータ自販機という選択肢もある

 とはいえ、VerizonのLTEサービスは高速なのが大きな魅力だ。

 通信環境はやはり高速であればあるほど使い勝手がよく、トラブルがあったとはいえ捨てがたい。ちょっと調べたところアメリカの住所あてにユーザー登録のパスワードを郵送してくれるという情報もあったのだが、サンフランシスコのVerizon店舗では「そのようなサービスは行っていない」とのこと。とにかく現時点では、オンライン登録が可能になるのを待つしかないようだ。

 もう1つ、アメリカ渡航時にLTEネットワークで快適に使いたいなら、国内のレンタルルータ事業者を利用するのも1つの手段だ。例えばビジョンが提供する「グローバルWiFi」サービスで、今回入手したものと同じVerizonのポータブルルータを1日単位:970円/日(キャンペーン価格時)より借りられる。レンタル事業者はこのほか、インターコミュニケーションズ「グローバルデータ」やテレコムスクエア「Wi-Ho!」などもあり、最近、レンタル料金がかなり安価となってきている。レンタル価格とともに渡航前に自宅、あるいは空港でレンタル機器を受け取れる安心感を望むならこの方法を選択してもよいだろう。

 ところで、クレジットカードがあちこちで使えるキャッシュレス社会なアメリカでは、クレジットカード対応自動販売機で意外なものも購入できる。

photophoto 空港のBest Buy自販機で売っていた同社ブランドのルータに代わり、今回はH2OのUSBモデムが並んでいた

 量販店のBest Buyがアメリカ各地の空港に設置している「Best Buy Express」もその一例で、メモリカードやGPS、iPhoneケースなどが売っている。Best BuyはSprintのMVNO「Best Buy Mobile」というブランド名でデータ通信サービスを提供しているが、その自販機でBest Buy Mobileのポータブルルータも売っていた。ただ、事業不振のためかBest Buy Mobileは2012年上半期にはこのサービスを終了する予定という。今回はこのBest Buyブランドのルータを買うことを検討していただけに残念だ。

 今回そのBest Buy自販機を見ると、代わりに以前ラスベガスで購入したH2Oのプリペイドモデムが並んでいた。H2OはClearのMVNOとしてWiMAXサービスも提供予定なので、今後はここにWiMAXルータも並ぶかもしれないと思うとにやりである。次回の渡航のお楽しみとしておこう。



 アメリカでは各社がLTEの投資に力を入れている。このため、現時点ではプリペイドモデムやルータを販売していないAT&TやMetroPCSからも今後製品が登場する可能性は高いだろう。アジア各国と比べると価格はやや高いのだが、海外渡航者にも使いやすい高速なデータ通信環境がより整備されていくことを切に願いたいものである。


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山根康宏 :香港在住の携帯電話研究家。一企業の香港駐在員時代に海外携帯電話に興味を持ち、2003年に独立。アジアを中心とした海外の携帯電話市場の状況や海外から見た日本の携帯電話市場についてなど、海外の視点からコラムや記事を日本のメディアに執筆するほか、コンサルティング活動も行う。携帯/SIMカードコレクターとしても知られ、所有する海外端末数は1000台に達した(2012年3月時点)。



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