フィーチャーフォン時代には富士通端末のアイデンティだった指紋センサーが「ARROWS」ブランドのスマートフォンに初めて搭載された。ドコモのAndroidスマートフォンに初めて指紋センサーを搭載したのは昨秋に発売された「REGZA Phone T-01D」だが、F-10Dと比べて機能は限定的だった。F-10Dではフィーチャーフォンと同様、特定の情報を保護していることが使用者以外に分からないことに加え、指紋センサーの操作性も工夫されている。背面上部に配置された指紋センサーは片手で持ちながら中指や人差し指でスキャンさせやすいだけでなく、センサー自体が押し込める“スイッチ”となっており、指紋センサーを稼働させるトリガーになる。例えばスクリーンロック解除に指紋センサーを使っている場合、スタンバイ中からでも指紋センサーを押してそのまま指をスキャンさせるだけで、スクリーンロックが解除される。理にかなった仕様だ。
特定の情報を見えなくし、指定した相手からの音声・メール着信を何らかの形で分かりにくくする「プライバシーモード」も新たに搭載した。これも富士通のフィーチャーフォンではおなじみの機能で、アドレス帳や電話・メール着信、履歴に加えて指定したアプリやフォルダの画像などを非表示にもできる。またプライバシーモードの解除方法を画面上に表示しないことで、さらにセキュリティ性を高められる。
なお、プライバシーモードを利用するには専用の「NX!電話帳」「NX!メール」の利用が前提となり、spモードメールアプリも現在は未対応だ。「NX!メール」もspモードメールには非対応なので肝心のキャリアメールはプライバシーモードでは保護できないことになる。対応は検討中とのことだが、spモードメールへの対応はぜひお願いしたい部分だろう。指紋センサーがカメラユニットの直下というのは「レンズ部分に触れやすいのでは?」と少し気になったが、説明員によると「アンテナや他のセンサー類との干渉まで考慮すると、この位置がベターだった」とのことだ。
スマートフォンの顔、操作の入り口となるホーム画面には「NX!comfort UI」を採用。ドコモ標準の「docomo Palette UI」とAndroid標準ホームも利用できる。NX!comfort UIはAndroid 4.xの標準ホームと同様、ホーム画面でフォルダも利用でき、画面下部のドックもカスタマイズが可能だ。アプリトレイの並び替えも豊富な設定が用意されている。
クアッドコアCPUということで気になるバッテリーの持ちについては、きめ細やかな設定が可能な「NX!エコ」で調節できる。時間帯別・電池残量別といった形で省電力モードを切替え、行動パターンに合わせた効率の良い省電力利用が可能だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.