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» 2012年06月19日 12時37分 UPDATE

AV機器・家電連携にも注力:世界品質を武器に、日本市場のニーズに応える――シャープのスマートフォン夏モデル戦略 (1/2)

シャープが2012年夏モデルの商品説明会を開催した。消費電力を抑えつつ大画面化と高解像度化を果たした最新の液晶技術や、グローバル品質の新インタフェース「Feel UX」などを搭載している。

[平賀洋一,ITmedia]
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 シャープは6月18日、2012年夏モデルとして各キャリアから販売されるスマートフォン・携帯電話・PHS全12モデルに関する商品戦略説明会を開始した。

 このうちスマートフォンは9機種で、NTTドコモ向けは「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」「AQUOS PHONE SV SH-10D」「AQUOS PHONE st SH-07D」、KDDI向けが「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」「AQUOS PHONE CL IS17SH」「AQUOS PHONE SL IS15SH」、ソフトバンクモバイル向けには「AQUOS PHONE Xx 106SH」「PANTONE 5 107SH」「AQUOS PHONE 102SH II」と、各社から3モデルずつが登場する。

photo シャープ 通信システム事業本部 グローバル商品開発センター副所長 兼 プロダクト企画部長の河内巌氏

 説明会に登壇したシャープ 通信システム事業本部 グローバル商品開発センター副所長 兼 プロダクト企画部長の河内巌氏は、「今年のスマートフォンマーケットは、現在フィーチャーフォンを使っている『安定嗜好層』の買い換えが進むと見ている。この層のユーザーは多くのシャープ製品を使っていると予想され、そのニーズに応えられるような、お客様の立場での商品開発が求められる」と、夏モデルの開発背景を説明した。具体的な開発の基本テーマとして、ユーザーの嗜好性や目的に合わせた幅広い商品群をラインアップすることと、最新技術だけでなく新しいユーザー体験も提供する――という2点を据えたという。

 ラインアップはキャリア別のほかに、ハイパフォーマンスライン/スタンダードライン/ベーシックラインという3つに分けられる。当然ながらハイパフォーマンスラインにはさまざまな新技術が投入されており、特にSH-09Dと106SHに搭載された「S-CG Silicon液晶システム」は、大型化と高解像度化によるバッテリーの減りを解消するために開発された最新のシステムだ。

photophotophoto 主にハード要素での新技術が盛り込まれているハイパフォーマンスライン

photophotophotophoto ドコモ向けの「AQUOS PHONE ZETA SH-09D」(写真=左側)と「AQUOS PHONE SV SH-10D」(写真=右側)

photophotophotophoto KDDI向けの「AQUOS PHONE SERIE ISW16SH」(写真=左側)とソフトバンクモバイル向けの「AQUOS PHONE Xx 106SH」(写真=右側)
photo S-CG Silicon液晶システムのパネルは透過率がさらに上がったため、従来機種と比べて半分以下の消費電力で同じ輝度を実現した

 これは、液晶パネルの透過率を上げてバックライトの消費電力を抑えると同時に、ディスプレイの表示内容に動きが無いときはCPUからの描画信号を止めることで、さらに消費電力の低下を狙ったもの。CPUからの描画信号は液晶に新設されたメモリーにいったん保存され、パネルはそれを繰り返し読み込むことで、CPUが動作する時間を減らすことに成功した。

 「スマートフォンのCPUは、動きの無い画面でも秒間60コマくらいの画像を転送している。これを解消しようと、我々は液晶モジュールの中にメモリーを搭載した。このメモリーとホストのCPUを制御することで、非常に大きな省エネ効果を得ることができた。スマートフォンを長時間使いたいというユーザーには響く機能だろう」(河内氏)

photophotophoto メモリ液晶を搭載した「AQUOS PHONE CL IS17SH」

photophotophotophoto スライドボディの「AQUOS PHONE SL IS15SH」(写真=左)。コンパクトなボディで音楽機能を充実させた「AQUOS PHONE st SH-07D」(写真=右)

 ハイパフォーマンスラインにはこのほかに、FeliCaとNFCにダブル対応したISW16SHとNOTTVにも対応したエンタメモデルのSH-10Dが含まれている。スタンダードラインには、音楽機能を充実させたコンパクトモデルのSH-07D、世界初の放射線測定機能を搭載した107SH、そしてフィーチャーフォンと同じダイヤルキーを搭載したAQUOS PHONE SLと、サイズや外見もバラエティに富む3機種を用意。ベーシックラインには、シニア向けの「かんたん携帯 108SH」、フィーチャーフォンのハイスペックモデル「THE PREMIUM9 WATERPROOF 109SH」、そして「PANTONE WX01SH」を取りそろえた。中でもWX01SHについて河内氏は、「スマートフォンと一緒にPHSを購入するユーザーがどんどん増えている。こうしたタイミングに合わせて、我々もPANTONEでPHSに再参入する」と説明した。

 またこれらに加えて、河内氏が「コアでディープなニーズに対応したモデル」と位置付けるヱヴァンゲリヲンのNERV特別仕様スマホ「SH-06D NERV」も、同社の夏モデルに加えられる。

技術に人間性を持たせた「Feel UX」

photo frogのポール・ピュー氏

 機種数やカラーバリエーション、サイズやフォルムなどが多岐にわたるシャープの2012年夏モデル。しかし河内氏は、「ラインアップをそろえただけではグローバルパワーに勝てない」と危機感を見せる。そこでシャープは、スマートフォンを企画する際の上位概念であり共通の開発思想として「Feel Logic」というコンセプトを定義したという。

 「訳すと、感性適用技術あるいは感性理論などになるかと思うが、要はあらゆる技術と知識を結集し、スマートフォンを人の感性に近づけるよう、心遣いを追求しようということ」(河内氏)

 このFeel Logicは、さらに3つの形となってユーザーが目にできる。その1つ目が直感的な操作を可能とする“Feel Operation”で、その中核を担うのがシャープが新しく提唱する新ユーザーインタフェースの「Feel UX」だ。この新UIは、“世界に通用するユーザー体験”を目指して、世界的に著名なデザイン会社であるfrogと共同で開発した。今回の商品説明会には、frogのバイスプレジデントであるポール・ピュー氏が招かれ、シャープとの共同開発を振り返った。

 「我々のクライアントにはソニー、Apple、ディズニー、HP、Microsoftなどがあるが、これにシャープを加えられるのは大変光栄。シャープの商品開発チームとはとても良い仕事ができた。frogも、米国のテキサス州、インド、ウクライナと3つの大陸のチームが連携して専念することで、今回の仕事を成し遂げることができた。これまでのAndroidスマートフォンのUIは、メーカーが考えるユーザー体験をOSの内部、または上層部で実現しようとしていたもの。そこでFeel UXの開発では、異なるアプローチを取った。ユーザーがスマートフォンを手にして最初に何をするのか、また操作するときにどんな点を不満に感じてるのかを観察し、デバイスのロック画面に大きな可能性があることを突き止めた。またロック画面を解除したホーム画面は、とてもシンプル。ホーム画面が意図するものは明快で、初心者であれ使い慣れた人であれ、機能を理解して自分のものにできるだろう」(ポール氏)

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